調査情報部 【要約】 中国は、わが国のトマト加工品輸入量の13%を供給する世界最大のトマト生産国である。 中国産トマト加工品の輸出の多くはトマトペーストで、ロシア、イタリア、日本向けが減少する一方、西アフリカ向けが伸びている。わが国は、トマト加工品の多くを輸入に頼っていることから、今後も安定した供給が望まれる。 1 はじめに 国際連合食糧農業機関(FAO)によると、2012年における中国のトマト生産量は、世界第1位の5000万トンで、全世界で生産される31%を占める(図1)。しかし、同年の輸出量に関して国際貿易センター(注1)(ITC)のデータを見ると、生鮮トマト(注2)に関しては、世界第10位の17万7317トンと、世界全体の輸出量の2%しかない(図2)。 注1:開発途上国の輸出振興策の技術的援助を行う組織。1964年5月に発足した「GATT貿易センター」を前身とし、1995年の世界貿易