20日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが急上昇(価格は急落)し、一時0.460%と2015年7月以来の高水準を付けた。日銀が20日まで開いた金融政策決定会合で長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.5%程度」と従来の「プラスマイナス0.25%程度」から拡大。日銀の変更を受けて、低い水準に抑え込まれていた長期金利が急上昇した。20日午前は0.25%で取引を終えていた。日銀
12月20日、日経平均は後場に入り大幅に下落。日銀が大規模緩和を修正すると発表し、事実上の利上げとなることを投資家が嫌気した。東京証券取引所で2013年5月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai) [東京 20日 ロイター] - 日経平均は後場に入り大幅に下落している。日銀が大規模緩和を修正すると発表し、事実上の利上げとなることを投資家が嫌気した。前場引けに比べて、一時600円超の下落となった。長期金利の変動許容幅は従来の0.25%から0.5%に拡大することから、銀行業が大幅に買われている。 いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役は、「市場にとってはネガティブ要因。銀行や生保、損保以外は全面安となるだろう」との見方を示した上で、「前日比で1000円ほど下げてもおかしくない」との見通しを示した。
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 「1ドル=150円時代」と言って差し支えない為替水準に突入した。それでも、政府による円買いの為替介入はやめておく方が利口だと筆者は考える。その理由をお伝えす
株価があやしくなってきた。長期金利も0.16%を超え、3年ぶりの水準になった。これはFRBが3月にも政策金利を0.5%に上げるとの観測の影響だろうが、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)で長期金利を抑制している状況では珍しい。 IMFの対日勧告は「利回り目標を10年物からより短い満期にシフトさせてイールドカーブをスティープ化することがひとつの選択肢となりうる」と提言している。これは「そろそろYCCをやめて自然体に戻してはどうか」という意味だろうが、政治的には容易ではない。 日銀は「債務超過」になっても倒産しないが… よくいわれるのは長期金利の上昇で日銀が債務超過になるリスクで、金利が1%上がると、日銀の保有する500兆円以上の国債には約30兆円の評価損が発生する。日銀の自己資本は約9兆円なので、0.3%上昇で(計算上は)債務超過になる。 もう一つは日銀の保有するETFの評価損で、元
黒田総裁の任期満了は2023年4月8日。現時点で誰が次の総裁になるかは分からない。もっとも、日銀出身の雨宮正佳副総裁の昇格を予想する声は多く、筆者もその可能性は相応に高いと見ている。仮に雨宮氏が総裁になった場合、より持続可能な形に金利政策が修正されると予想する向きは多い。それはつまり、イールドカーブ・コントロール(YCC)の修正に始まり、最終的にマイナス金利撤回に行き着く可能性があるということだ。黒田総裁にとって事実上、最後の1年となる2022年は金融政策を「元の形」に戻しやすくするような地ならしがあるのではないか。「元の形」とは、翌日物金利(短期金利)をプラス領域で操作する従来型の金融政策を意味する。
■要旨 日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、以下「YCC」と表記)を開始してから間もなく3年を迎えようとしている。この3年間の出来事やデータを振り返り、YCC政策の評価を行ったうえで、今後の行方を考えてみたい。 ■目次 1―イールドカーブ・コントロールの効果と課題 1|導入の経緯とその後の展開 2|YCCの効果 (1) オペレーション面:長期金利の操作に成功 (2) 政策運営面:「量から金利へ」と操作対象の円滑な切り替えに成功 (3) 経済への効果:実質金利押し下げ、緩和的な金融環境、円安圧力増幅 3|YCCの課題と副作用 (1) オペレーション面:金利低下時の対応に課題 (2) 政策運営面:マネタリーベース拡大方針との兼ね合い (3) 経済への副作用:国債市場の機能度低下、金融機関収益圧迫、円高要因化も 2―まとめとイールドカーブ・コントロールの今後
10年金利が日本銀行の許容する上限0.25%を一時超え、7年金利がそれをさらに上回るなど国債の長期ゾーンに異変が起きている。市場では日銀による長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)の効果に限界が出ているとの声が聞かれる。一方で、日銀が長期国債を無制限に買い入れ続ける中、経済合理性に従えばいずれ金利上昇は落ち着くとの見方も根強い。 海外の高インフレを背景にした金利上昇圧力を抑えるため、日銀は長期金利の指標である10年国債を0.25%の利回りで無制限に買い入れる指し値オペを連日実施している。それでも長期金利は13日に2016年1月以来の高水準となる0.255%を記録。同オペの買い入れ対象ではない残存7年の国債利回りは0.3%まで上昇し、短い年限の金利が長い年限の金利を上回る逆転現象が起きている。東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは「日銀はむしろイールドカーブをゆがめており、
事実上の正常化策の起点は5年前のイールドカーブ・コントロール導入 9月21日・22日に開かれた金融政策決定会合で、日本銀行は事前予想通りに政策変更を見送った。他方、前回会合で骨子素案を示した気候変動対応オペ(グリーンオペ)の詳細を全会一致で決定した。 米連邦準備制度理事会(FRB)が年内にテーパリング(資産買い入れの段階的縮小)の開始を決める可能性が高く、また欧州中央銀行(ECB)もPEPP(パンデミック緊急買入れプログラム)のテーパリングを、12月の政策理事会で決める可能性が十分にある。このように、欧米の中央銀行が金融政策の正常化を進める中、日本銀行は今後も現状維持を続ける可能性が高い。これは、新政権が発足しても変わらない。日本銀行が正式な形での正常化を模索し始めるのは、2023年4月に黒田総裁の任期が終了し、新体制に移行してからだろう。 ただし、正常化と正式に表明しない形の「事実上の正
イールドカーブ・コントロール(YCC)とは長期金利と短期金利の誘導目標を操作し、イールドカーブを適切な水準に維持することを指す。本稿では、このイールドカーブ・コントロールの意味についてわかりやすく解説。さらに日銀が実行中の政策の概要やイールドカーブ・コントロールのメリット・デメリット、米国におけるイールドカーブ・コントロールの歴史についてもまとめた。 藤森みすず 大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。IT・IoT、FX・保険・不動産・フィンテックなど、多様な記事の執筆を手掛ける。 しらいはるか エディター・ディレクター。医療系大学院修了。公務を経てライターとしてキャリアをスタート。「医療」「金融」「ビジネス」の3分野をメインに執筆。ブックラィティングやコピーライティングも手掛ける。2018年よりエディター・ディレクターにシフト。現在は主にサイト運営やメディア
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