近年、甲南大学(兵庫)が学生女子スプリント界を席巻している。9月の日本インカレ100mで1、2年生が表彰台を独占。4×100mリレー(R)では学生歴代2位となる44秒52をマークし、学生記録に0.01秒まで肉薄した。10月の日本選手権リレーでは2連覇を達成。その勢いは、かつて女子スプリントをリードした福島大に近いものを感じさせる。 東京五輪4×100mリレー代表の青山華依(3年)を筆頭に、学生トップスプリンターたちを育てているのは、男子100m元日本記録保持者の伊東浩司氏だ。伊東氏が重視するのは、従来の体育会的雰囲気ではなく、選手の個性と自主性を尊重した自由な環境である。第3回目は彼女たちを輝かせる、伊東氏による令和のチームマネジメントについて聞いた。(全3回の#3/#1、#2へ) 「これだけのびのびしている子たちが全国でぱっぱっと上位に入るのは不思議だなと思いますね。他の人が指導したらも