今年度の最低賃金の改定で全国最低になった岩手県。下位の県は「全国最低の最低賃金」を避けようとするため、結果的にほとんど横並びになることが多いという。今回、単独での最下位となる額を答申した丸山仁・岩手地方最低賃金審議会長は、なぜあえてこの決断をしたのか。 最低賃金の最下位は毎年めまぐるしく変わる。国の審議会は全国の最低賃金をA、B、Cの三つにランク分けしており、最下位を争うのはCランクに分類されている県だ。東北、九州地方の県が多い。 ただ、Cランクの複数の県が同額で最下位に並んだり、1円高いだけの「下から2番目」に多くの県が並んだりして、ここ5年、Cランクに分類される県のほとんどが最下位付近にほぼ横並びになっていた。しかし、今回、岩手県は下から2番目に低い沖縄県より3円低い単独の最下位になった。 最下位が単独になるのは2018年度の鹿児島県以来で、下から2番目の県との差額が3円以上開いたのは