視覚に障害がある人は外出する際、白いつえを突き周りの障害物を確認しながら歩く。それでも分かるのは数歩先まで。通い慣れた道でも不安がつきない。視覚障害者の外出をサポートしようと、人工知能(AI)で周囲を検知し、音声で知らせる道案内アプリを北九州市のベンチャー企業「コンピュータサイエンス研究所」が開発している。今春から無償でのアプリ提供を目指し、改良を重ねる。実用化に向けて各地で実証実験を実施し、利用者からの評価も上々だ。 社長は地図大手ゼンリン(北九州市)で副社長を務めた林秀美さん(71)。最終的な目標は「盲導犬の代わりになるロボットの開発」という。(共同通信=吉岡駿) ▽スマホ通じてAIが障害物検知 北九州市で1月上旬、視覚障害を持つ妹尾真由美さん(48)にアプリを利用してもらった。ケースに入れたスマートフォンを首からぶら下げ、進行方向にカメラを向けておく。「50メートル先を右方向です」。