英国在住のブレイディみかこさんがコラムに書いていた。英国政府の新型コロナ対策に関する独立調査委員会の公聴会にキャメロン元首相が呼び出された。キャメロン氏はコロナ禍が始まる前の2016年に退任しているが、在任中の政策と感染拡大の関連が問われたという◆キャメロン政権は大規模な緊縮財政を進め、医療や保健関連の予算も削減した。それがコロナへの対応力を弱め、感染拡大を招いたのではないか、そんな観点からの検証である◆ブレイディさんは「権力と責任はセットで為政者に与えられる。片方だけの持ち逃げを許さないから、英国の独立調査委員会は『しつこい』」と解説していたが、翻って日本はどうだろうか。政府の有識者会議が昨年6月に報告書をまとめたが、初会合からわずか1カ月の作業だった◆発令と解除が繰り返された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、飲食店などへの休業要請、学校の一斉休校、ワクチン接種体制…。検証すべき事項は
作家、コラムニスト/ブレイディみかここの記事の写真をすべて見る 英国在住の作家・コラムニスト、ブレイディみかこさんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、生活者の視点から切り込みます。 * * * 英国政府の新型コロナウイルス対策に関する独立調査委員会の公聴会にキャメロン元首相が呼び出された。「なぜキャメロン?」と思う人もいるかもしれない。彼は2016年に退任し、コロナ禍が始まる3年前には政界を引退していたからだ。 しかし、そこが「しつこい」ことで知られる英国の独立調査委員会だ。国がパンデミックの可能性を想定せず、準備を怠っていたとすれば、コロナ禍前の政府にも責任の一端がある。だから何代も前の首相に遡(さかのぼ)って責任の追及が行われているのだ。 特に委員会が問題視しているのは、2010年から首相を務めたキャメロンの下で行われた大規模な緊縮財政政策の影響だ。予
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