中国西部、新疆ウイグル自治区のタリム盆地で、この写真のような墓地がいくつも見つかり、そこから数百体ものミイラ化した遺体が発掘された。(PHOTOGRAPH BY WENYING LI, XINJIANG INSTITUTE OF CULTURAL RELICS AND ARCHAEOLOGY) 数百体のミイラは、数千年の時を経てもなお生き生きとした姿をとどめていた。保存状態のよい髪型、服、はるか昔に消滅した文化の装具などから、中国西部、新疆ウイグル自治区のタリム盆地で発掘された彼らは、ヨーロッパからやってきたインド・ヨーロッパ語族の人々と考えられていた。 ところが意外なことに、DNA分析の結果、この集団はタリム盆地に元から住んでいた人々で、周辺地域のほかの集団からは遺伝的に隔離されていたことが明らかになった。こうしてタリム盆地のミイラの謎はますます深まり、その文化的習慣や日常生活、人類が世