クワインは、1969年の論文「自然種」において、人間の理性が自然選択によって進化したことを以下の文で示唆した。ここではクワインは特にヒトがもつ類似性の感覚について述べている。 もし性質同士の[相対的類似度の点からの]生得的な位置づけが、遺伝子に結びついた形質であるならば、もっとも成功した帰納のために行われてきたような位置づけは、自然選択を通じて広まる傾向をもつようになる。誤った帰納を繰り返し行うような生き物は、自分と同じ種類のものを生み出す前に死ぬという、悲しいが称賛に値する傾向をもっている。 相対的類似性の感覚は、...ヒトがもつ動物的な能力の一つである。そうした感覚は、それが自然のなかの規則性と合い、初歩的な帰納と予測に関してかなりの成功を納めさせる限り、自然選択の進化的産物であるだろう。 つまり、ヒトは対象の間の類似性を感覚し、類似した対象を「種」(kind)にまとめるが、そうした分