現代において私達の生活は、「科学」とは切っても切れない関係にあります。身の回りにある色々な機械は科学や科学技術の結晶ですし、頻繁に見る天気予報なども科学の考え方に基づいています。 ところが、いざ「科学とは何か」と言われてみると、あまり意識したことがない人も多いのではないでしょうか。何となくぼんやりとイメージはしているけれど、具体的には……といったように。 この本では、「科学とは何か」「科学にどう向き合っていくか」ということを、身近な例を用いて、出来るだけ平易に解説しました。
まず、科学というのは「方法」である。そして、その方法とは、「他者によって再現できる」ことを条件として、組み上げていくシステムのことだ。他者に再現してもらうためには、数を用いた精確なコミュニケーションが重要となる。また、再現の一つの方法として実験がある。ただ、数や実験があるから科学というわけではない。 個人ではなく、みんなで築きあげていく、その方法こそが科学そのものといって良い。 森博嗣 『科学的とはどういう意味か』 P107 森博嗣による、「科学とは」「科学的とは」どういったものか、に関して自らの経験に基づいて書かれたエッセイ。言わずと知れた「理系作家」の書いたものであり、個人的にも一番好きな作家であるので、刊行前から注目していた。 本書では、エンジニアとしての森(彼は自身を「科学者」とは言わない)の、大学教員としての生活――教育や研究の経験――などが踏まえられ、「科学」とはどういったもの
以下は、Hilary Kaplan による ”Mold: A Follow-up” の抄訳である。被災現場から緊急避難はさせたが、すぐには真空凍結乾燥等の処置を適用できずにいた本や文書は膨大な量になる。自然乾燥(風乾)させるしかない紙媒体資料のカビの発生と拡大をどのように抑え、クリーニングなどに従事する作業者へのカビの悪影響をどう防ぐか。著者は米国立公文書館のコンサーバター。 避難場所の大気環境条件 空気を循環する。温度は20~22度C に安定させる。相対湿度は可能な限り低くするのが望ましい。少なくとも60%以下に、理想的には35~40%を維持する。これを守ればカビの大規模な繁殖を劇的に抑えられる。 作業者のカビ耐性の確認 カビが大量に発生している被災現場や、避難場所でのクリーニング等に従事する作業者は、自らのカビ耐性を確認しておく。アレルギー症の人、妊娠中の人は作業を控える。自分のカビ耐
ミュージアムとは西欧近代のみが全世界の一元化を目指す装置であり、その思想である。それがいかに生み出され、拡大発展していったのか。西欧思想の深層を読み解く本格評論。 柄谷行人氏、推薦! 日本などの非西欧圏のミュージアムはそのコレクションを秘匿することでその神聖性を高めていくのに対し、西欧においてはコレクションを開示することが為政者の権威を示す政治的な目標となっていく。つまり西欧のミュージアムとは、コレクションを「公開の原則」から人々の視線にさらし、それに社会的な公認の価値を与えていく装置なのである。 このミュージアムという西欧近代のみが創り出しえた全世界の一元化を目指す思想は、いかにして生まれ、拡大発展しつづけていったのか。王権と教権の関係、ユートピア文学やヌード論など、多岐にわたる問題に触れながら「帝国」の理念を読み解いていく画期的論考。 なお、柄谷行人氏から推薦の言葉が届いている。
陸に棲んでいたクジラ、羽毛に覆われた恐竜——ダーウィンが見つけ得なかった進化途上の「移行化石」が、いま次々と発見されている 担当編集者より ダーウィンは進化論を唱えた際、古代の動物と現世の動物とをつなぐ移行期の種の化石を、証拠として提示できませんでした。しかし1980年代以降、この「移行化石」が続々と見つかり、DNA解析などの最新技術の助けも借りて、魚のヒレが動物の四肢に進化したことや、鳥の祖先が恐竜であることなどが証明されています。小学校で進化論を教えようとしたのを反対されたことがきっかけで、進化生物学をライフワークにした気鋭の科学ジャーナリストが、進化の神秘に迫ります。(TD)
20世紀最大の学術的発見のひとつであるゲーデルの不完全性定理は、「汲めども尽きぬ知的濫用の泉である」とも言われる。あらゆる分野で引用され、しかもその大半が定理の使い方を誤っているからだ。 本書はそんな偉大な定理のユニークな解説書。「革命」ばかりが語られてきた不完全性定理について、定理としての醍醐味を語る。ゲーデル、チューリングをはじめとする驚くべき頭脳がシステムの性質を探る、創造性あふれる営みを垣間見る旅。しかも数々の誤用例を素材に、ゲーデルの定理では言えない(……)ことまでを徹底的に点検し、定理の射程を明らかにしている。 認知科学、物理学、神学、ポストモダン批評など、思いつくかぎりの分野から誤用・誤解の事例がとりあげられている。誰もが陥りやすい錯覚や、緻密な考察の末の誤りも多く、著名な科学者の文章でさえ例に漏れない。同じ轍を踏まないためにもゲーデルの定理を引用する際にはとりわけ必読の書で
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