進化の運命-孤独な宇宙の必然としての人間 作者: サイモン・コンウェイ=モリス,遠藤一佳,更科功出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/22メディア: 新書購入: 1人 クリック: 82回この商品を含むブログ (13件) を見る 本書はバージェス頁岩の化石研究で有名な古生物学者サイモン・コンウェイ=モリスによるもので,本文500ページ強に加え,注が200ページ弱ぎっしりつけられている中身の詰まった書物だ. 本書のなかではコンウェイ=モリスの「進化は偶然というより必然だ」を主体とする一連の主張を裏付けるために,収斂の事例がこれでもかこれでもかと紹介されている.その充実振りは見事であり,生物の進化動態について圧倒的な読書感をもたらしてくれる得難い書物だ.しかし,その収斂の事例を使って行うコンウェイ=モリスの主張自体は,実はそれほど面白くない. コンウェイ=モリスの本書における主張は