どちらに転ぶか予断を許さない会議がブリュッセルで再度開催され、深夜に入ってからの合意が再度なされ、首脳たちが成果を自画自賛する光景が再度繰り広げられた。 3月25日夜に発表されたギリシャのための「緊急融資合意」は、その時点では意義深い取り決めだと思われた。しかし一夜明けてから丹念に読み直してみると、実はほとんど目くらましでしかないことが分かる。 欧州の首脳は世間をしばし煙に巻いただけなのだ。 筆者が特に不可解だと思ったのは、ギリシャへの支援は市場金利での融資によって行われるという発表だった。これは、市場はギリシャに市場金利で資金を貸したがらないという含みが込められているとしか考えられない。何とも馬鹿げた話である。 金融支援の実行可能性にも実効性にも大きな疑問符 実際、欧州連合(EU)が緊急支援を実行するような仮定上のシナリオすら想像しがたい。ギリシャが資本市場から締め出されない限り、EUの