ウクライナ(CNN) けたたましいプロペラの轟音(ごうおん)が、完璧な静寂を断ち切る。車のヘッドライトが点灯し、闇を切り裂く。ライトは前方の滑走路の一部分のみならず、ウクライナ軍の最高機密に属する兵器をも照らし出す。それを操るのは、同軍きっての秘密工作部隊だ。 灰色の機体の先端には、フクロウの黄色いエンブレムが貼り付けてある。翼を広げ、剣をつかむその姿は、紛れもなくウクライナ国防省情報総局(GUR)のシンボルだ。 同じフクロウのワッペンの入った戦闘服を着るパイロット2人が車内で最終チェックを行い、親指を立てる。「さあ行こう!」 車を高速で走らせ、50秒間追跡した後、全長約3.9メートル、翼幅約7メートルのドローン(無人機)「AN196リューティー」は一瞬で姿を消した。漆黒に染まったウクライナの夜の中へと。 ドローンが目指すのは、ロシア領の奥深くに位置する標的だ。 CNNは前例のない独占的な