NIDSコメンタリー 第357号 2024年10月22日 ロシア・ウクライナ戦争における航空戦の推移(2022.2-2024.9) 地域研究部米欧ロシア研究室 相田 守輝 はじめに 本稿は、ロシア・ウクライナ戦争の2022年2月24日から2024年9月30日までの期間において、その航空戦がどのように推移していったかを検討するものである。研究にあたっては、主に米国、英国および中国の空軍関係者や専門家の見解を踏まえるとともに、ウクライナ国防大学の資料を丹念に読み込むことによって戦局全般の推移を把握することに着意した。また必要に応じて各種メディアの報道も取り入れながら考察した。 以下に具体的に見ていくように、「航空優勢(Air Superiority)1」をめぐるロシア軍とウクライナ軍の攻防は、この戦争を理解する上で極めて重要な観点と言えよう。本稿は、そのような趣旨から航空戦の推移について考察し