仮にこの技術がなかったとしたら、一体どのようにして構内に散乱する高線量のがれきを撤去しただろうか――。津波と原子炉建屋の水素爆発に襲われた東京電力福島第一原子力発電所で、建設会社が繰り出した虎の子の技術が、重機を無線で遠隔操作して作業員が近付けない危険な現場での工事を可能とする「無人化施工」だ。 当初、国産ロボット技術がほとんど役に立たなかったことと比較すると、その功績は極めて大きい。事故から約3週間後の2011年4月5日には試運転を始め、その翌日から本格的な作業を開始している。1号機から4号機までの原子炉建屋周囲の道路に散らばったがれきの撤去作業を担ったのは大成建設など。11年11月初旬まで、片付けに従事した。 廃炉に向けた原子炉建屋上部のがれき撤去と、燃料取り出し用のカバー設置にも、無人化施工を活用している。爆発の規模が大きく周辺の放射線量も高い3号機原子炉建屋を担当している鹿島は、放