グーグル秘録―完全なる破壊 [著]ケン・オーレッタ[掲載]2010年6月6日[評者]辻篤子(本社論説委員)■止まらない進撃、傲慢さもはらみ グーグルという社名は、10の100乗を意味するグーゴルにちなむという。電子辞書を引けば、小文字で始まる一般名詞として、また、「ググる」の項目もある。「グーグルで検索する」という意味だ。同社の検索エンジンが、現代社会に不可欠の存在であることを物語る。 本書の原題は「Googled」、直訳すれば「ググられた」、あるいは「グーグル化された」とでもいうべきか。世界中で日々飛び交う検索は30億件、検索市場でのシェアは70%に達するという。ヤフーなどの先輩をしのいで、世界はなぜグーグル化されたのか。その結果、メディアの世界で何が起きているのか。同社内外の膨大なインタビューをもとにまとめられた力作である。 グーグルは1998年、シリコンバレーのガレージで産声を上げた