予想に反したバブル到来 2022年、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始すると、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク在住のアントンは、自身が経営するレストランが最悪の事態に見舞われるのではないかと危惧した。外国人旅行客は姿を消し、西側諸国の制裁によるロシア経済崩壊を見越して金利は急上昇。地元住民も外食どころではなくなった、とアントンは話す。 しかし、これは取り越し苦労だった。ここ2年で状況は完全に回復し、お金に余裕ができたロシア人は消費に意欲的だ。 対ウクライナ戦争が長期化するにつれ、戦時下にある防衛産業が好況で給与が上昇すると、民間企業も同様に給与を上げないと、深刻な人材不足のさなかに労働者を呼び込めなくなった。こうしてロシアは思いがけず、個人消費ブームを迎えた。 「実質賃金は急上昇しています」と話すのは、ドイツ国際安全保障研究所(SWP)のロシア経済専門家ヤニス・クルーゲだ。「ウクライ
ロシアから撤退したコーヒーチェーン「スタバ」そっくりの店がモスクワでは賑わいを見せています。 「近い将来、世界4大経済大国の1つになると期待できるし、断言することすらできる」 大統領選挙で当選が確実視されるプーチン大統領は演説でこう語り、自国経済の強さに自信を深めています。 ロシアの2023年の実質のGDP=国内総生産は前年比で3.6%増加しました。欧米各国の経済制裁にもかかわらず、なぜロシア経済は壊れないどころか、高い経済成長を実現しているのか。世界各地で取材を重ね、謎に迫ります。 (ロシア経済取材班) スタバそっくりのコーヒー店が活況 モスクワのスターズコーヒー モスクワ中心部にあるコーヒー店。撤退したアメリカの大手コーヒーチェーン、スターバックスをプーチン大統領を支持する歌手らが、およそ5億ルーブル、当時の為替レートでおよそ12億円で買収しました。名前はスターズコーヒー、ロゴもスタバ
ロシアのRIAノーヴォスチ通信は暮れに、2023年のロシア経済十大ニュースを発表した。それを整理すると、以下のとおりとなる。 1. 経済の崩壊ではなく成長が生じた 2. 記録的な失業率の低さ(それと裏表の人手不足) 3. 物価沈静化に奔走も年末には卵が高騰 4. ガソリン不足 5. 為替安定のため対策に追われる 6. 過去最大の財政歳出 7. 冶金・化学の大企業中心に超過利潤税を課税 8. 富豪YouTuberの課税逃れに対する取締強化 9. 石油輸出国機構(OPEC)+の枠組みでの石油減産続く 10. 対露制裁拡大、ロシアは友好国との連携強化 トップの項目にあるとおり、無謀なウクライナ侵攻を続け、国際的な制裁包囲網を敷かれながら、23年もロシア経済が崩壊することはなかった。23年に国内総生産(GDP)が3%前後のプラス成長を記録することは、確実視されている。プーチン大統領に至っては3.5
モスクワ中心部にある閉店した店舗の前を歩く男性=2022年5月30日撮影/Kirill Kudryavtsev/AFP/Getty Images ロンドン(CNN) ロシアは早ければ2024年にも資金が底をつく可能性があり、外国からの投資を必要としている。歯に衣(きぬ)着せぬ発言で知られる同国のオリガルヒ(新興財閥)、オレグ・デリパスカ氏がそのような見解を示した。 2日にシベリアで開かれた経済会議で述べた。ロシア国営メディアのタス通信が報じた。 デリパスカ氏は昨年、ロシアによるウクライナでの戦争の終結を紛争初期の時点で求めていた。同氏の発言とは対照的に、ロシアのプーチン大統領は先週、同国経済の先行きを上向きに評価。経済的な強靭(きょうじん)性に触れ、西側諸国が過去1年間に科した前例のない制裁にも耐えてきたと称賛していた。 ロシア政府の初期段階の推計によれば、同国の国内総生産(GDP)は2.
結局、2022年は、2,274億ドルの黒字。以前からあちこちで申し上げてきたとおり、まさに「制裁下の焼け太り」の様相である。ちなみに、12月は石油市場の異変で苦しんだロシアだったが、一応12月単月でも黒字は維持した模様である。とはいえ、カネはあるのに、国際的な制裁網で、必要なものを輸入できないがゆえの大幅黒字であり、まさに悪い黒字としか言いようがない。 今般、ロシア中銀が発表したのは、下に見るような、本当に簡略な統計である。ロシア統計局、税関局が貿易統計を発表しなくなったので、それに近い統計が得られるものとして、中銀の国際収支表に期待したいところだ。だが、中銀が現在発表しているのは、商品だけの輸出入額ではなく、商品+サービスの輸出入額なので、やはり不満しか残らない。 一応記しておくと、2022年の商品+サービの輸出は6,281億ドル、輸入は3,458億ドル、収支は2,823億ドルの黒字であ
(土田 陽介:三菱UFJリサーチ&コンサルティング・副主任研究員) ロシアは2022年2月24日、ウクライナに軍事侵攻した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、当初は電撃戦を志向しており、短期のうちにウクライナを占領し、軍事侵攻を終了させるつもりだったとされている。だが、ウクライナとの戦争は長期化しており、依然として停戦に向けた展望が描けない状況だ。 このウクライナに対する侵攻は、ロシアの経済に2つの大きなショックを与えたと整理することができる。 第一のショックは、先進国から締め出されたことで、ロシアのサプライチェーンが劇的に変わったことだ。それまでロシアの経済は、特にヨーロッパからの輸入に依存していた。そのヨーロッパからの輸入が、制裁の結果、激減したのである。 ロシアは2022年1月分を最後に貿易統計の公表を停止している。そのため、相手先の国の統計を用いることでしか、ロシアの貿易動向
Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。 「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。 しかし、こ
ウクライナ侵攻による経済制裁の影響を回避したいロシアが、思わぬ壁にぶち当たっている。国内で輸入品の代替生産を増やす方針だが、ワインや書籍など想像以上に多くの商品の生産に必要な素材を外国に頼っていた。グローバル経済から孤立する中で、思惑通りに国産化を進められるのだろうか。 「初めて知ったが、我々は釘を輸入している。多くの金属を生産している国なのにつくっていない」 ロシア上院のマトビエンコ議長は14日の会議で輸入代替が議論された際、こう述べ、中小企業を誘致するよう呼びかけた。 2月24日の侵攻開始後、欧米を中心に多くの企業がロシアからの撤退・事業縮小や同国内の店の一時閉鎖を決めた。独メルセデス・ベンツ、米アップル、スイスに本社を置く食品大手ネスレ、ユニクロ……。食品、衣料からスマートフォンや自動車まで、幅広い製品が手に入りにくい状況となった。 制裁に対抗し、輸入品の代替品を国内で増産しようとし
中国から「前例のない」資本流出、ウクライナ侵攻後-IIF Ye Xie、Maria Elena Vizcaino 国際金融協会(IIF)によると、ロシアが2月下旬にウクライナに侵攻して以来、中国から投資マネーが「前例のない」規模で引き揚げられており、新興国の資本フローで「極めて異例の」変化を示した。 IIFは24日のリポートで、他の新興国市場への資本流入が続いているにもかかわらず、高頻度データで中国の株・債券から大規模な資本の流出を検知したことを明らかにした。 チーフエコノミストのロビン・ブルックス氏らはリポートで、「われわれが目にしている中国からの大規模かつ激しい資本流出は、前例がない。特に他の新興市場からの同様の流出が見られない」と指摘。「資本流出のタイミングはロシアによるウクライナ侵攻後に当たり、外国人投資家が新たな観点で中国を見ている可能性があるが、この点に関して明確な結論を出すの
3月3日、営業停止のニュースを聞き、最後の買い物をしようとスウェーデン家具大手イケアのモスクワの店舗で行列を作る市民(ゲッティ=共同) ロシアのウクライナ侵攻を受け、西側各国がロシアに対してかつてない厳しい制裁を科している。フランスのルメール経済・財務相が「ロシア経済を崩壊させる」と述べた一方で、英国のジョンソン首相も「制裁の目的はロシアの体制転換」と断言。一部欧米首脳は制裁の狙いがプーチン政権崩壊であることを隠そうとすらしていない。 北大西洋条約機構(NATO)が軍事介入しない方針を打ち出した以上、侵攻を止められるのは、制裁措置がロシアに与えるダメージのほかない。制裁が実際、どれほど経済に打撃を与えるのかに国際社会の関心が集まっている。 こうした中、編集長が昨年のノーベル平和賞を受賞したロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」は、プーチン政権を批判してきた同国の著名な経済学者ウラジスラフ
[東京 10日 ロイター] - ロシアのウクライナ侵攻を受け、主要7カ国(G7)をはじめ西側諸国は対ロシア制裁を一段と強化しようとしている。制裁が長期化すればロシアから調達してきたパラジウムやニッケルなどの希少金属が輸入できず、半導体やバッテリーの生産に支障を来たし、自動車をはじめとする製造業の大きな生産下押し要因となる。 米ソの冷戦終了後、世界経済は最もコストが安くなるようにモノを造る「最適生産」に全力を挙げてきたが、どうやら過去の話になりそうだ。今後はコストよりも「安全」が重視され、世界的な価格上昇が続くと筆者予想する。この構造変化は資源を輸入する日本にとって、競争力が致命的に低下しかねない重大事と言える。中長期的には、値上げしても売れる高付加価値製品を多くの分野で生産できるようにする企業の構造転換が不可欠だ。 プーチン・ロシア大統領が命じたウクライナへの軍事侵攻は、「力による現状変更
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く