ドイツでは交通インフラが老朽化し、列車の遅延や橋の崩落が社会問題化している。高速道路は全体の半分、鉄道網は4分の1以上に改修が必要だが、連邦政府の資金調達環境は厳しく国営ドイツ鉄道の株式売却も取り沙汰される。運輸大臣は財政規律に厳しい自由民主党(FDP)から出ており、積極的なインフラ投資を求める社会民主党(SPD)や緑の党と、連立政権内での折り合いがつかない。 ドイツ東部のドレスデン中心部で9月11日未明、エルベ川に架かるカローラ橋の一部が崩落した。川の南北に広がる同市を繋ぐ大動脈で、車や路面電車が通過する重要な橋である。崩壊の18分前には路面電車が通過したものの、怪我人はいなかったという。大雨による川の増水などにも見舞われたが、今も解体工事が続いている。 崩壊したカローラ橋が建設されたのは1970年代初めで、交通量の増加に合わせ、部分的に改修工事が行われてきた。崩落した100メートルほど