2014年の年末。トヨタは世界初の燃料電池乗用車「MIRAI」を発売した。「MIRAI以前にも燃料電池車はあった」と言う人がいるかもしれないが、MIRAIが登場するまでの燃料電池車(FCV)は、車両価格は数億円。しかも販売ではなく、リース運用前提で個人は購入できなかったりというレベルで、その実態は実証実験にすぎず、とても市販車とは呼べなかった。 MIRAIと国策 正直なところ、筆者もMIRAIのデビューには驚いた。トヨタにしてみればあのクルマを720万円で売るのは大赤字なはず。事態は完全に政治問題である。 燃料電池が次世代主流と目されて早30年。燃料電池の規格を巡り、日欧は長きに渡って対立してきた。さまざまな憶測を呼び、本当のところは分からないが、どうも欧州が燃料電池の規格争奪戦を諦めたことによって、日本が燃料電池の国連規格をもぎ取ったらしい。その結果、日本主導で「世界技術規則」が策定され
トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)の車名は「MIRAI(ミライ)」。「クルマの未来、地球の未来への思いが込められている」(同社代表取締役副社長の加藤光久氏)。あえて日本語を採用しことも注目だが、何よりあまりの“直球勝負”にハッとする。その車名はいかに決まったのか? MIRAIの開発責任者で、トヨタ自動車製品企画本部ZF主査の田中義和氏に聞いた。 ギリギリまでMIRAIではなかった ――MIRAIという車名とても大胆な名前ですね。 2014年11月1日、愛知県新城市で開催された「全日本ラリー選手権第9戦」で、先導車に使われるMIRAIのハンドルを自ら握り、コースの一部を走行してみせた。その際に同車について「地球に優しいクルマ社会の未来に向けた第1歩。長い道のりになるが、このクルマと一緒に歩きたい」とコメントした。 田中: 確かにそうですね。腹くくって付けたものです。 実は、ギリギリまで違う車
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