言葉の意味ではなく、事物そのものの意味へと向かう運動が詩だというとき、それは反神話的な言語となる。 コンビナートの夜景についての詩を書いた。「夜景」。夜景はほとんど人工的な光がつくりだす。夜景は人間が作った風景で、それは都市にのみあふれる光と影のオブジェだった。その詩に関して、「花畑よりもうつくしくて、やすらぎます。ひとりで見る夜景が好きで、そしてその時間はかなしい。」といった感想をもらった。 花畑といっても自然の風景ばかりではないだろうが、そこに反射するような幸福感よりも、そのひとは冷たい鋼鉄の風景に反射する自らの孤独感を選ぶ。そのひとは都市の孤独の中にあって、そこから逃れたいのではなく、それを実感し、それを自分の中にあるものとして取り戻し、そこにとどまりたいと考える。自分の中心をかなしみによって埋めながら、自分のつらさそのものによって癒されようとする。 そしてその「かなしみ」によって、