一刻を争う救急搬送だが、救急車をタクシー代わりに使うなどの不適切利用は後を絶たない。 大津市消防局によると、「赤ちゃんが泣きやまない」との母親からの通報で病院に搬送したところ、単なる「不機嫌」と判断されたケースや、「具合が悪い」と通報した本人が荷物をまとめ、玄関先で手を振って救急車を待っていたことなどもあったという。 同市消防局の調査では、平成19年の救急搬送の約6割が入院の必要のない「軽症事案」。救急隊員は「119番の敷居が低くなっている」と肌で感じている。 京都市消防局では「同じ人が数時間、数日間隔で救急車を呼ぶ」などのケースや、兵庫県内のある消防本部では「午前9時に入院するため、約10分前に通報してきた人がいた」。奈良市消防局でも「かぜで病院に行きたいが、交通手段がない」などの要請があった。奈良県中部の5市町村を管轄する中和広域消防組合では、酒に酔った人から「気分が悪い」と呼ばれ、明