佐々木俊尚 現地レポート Vol.2 住民、自治体、地域、避難所・・・それぞれの「温度差」が広がる被災地の現実 特別寄稿 そこに日本の未来はあるのか 被災地は一様ではない。 仙台から名取市、北上して気仙沼から陸前高田へと宮城県内の被災地を取材し、行政スタッフやボランティア、企業経営者、被災した人など15人以上の方々にインタビューしてその思いを強くした。 ライフラインは徐々に復旧しつつある。仙台市中心部はすでに商品も普通に並んでいるし、お店も普通に営業している。牛タンの名店もランチタイム時に久しぶりに行ってみたら、ちゃんと営業していてスーツ姿のビジネスマンで賑わっていた。夜の街は節電している東京よりも明るいぐらいかもしれない。津波で壊滅した海岸沿いを除けば、仙台市はすでに非被災地的な空気に戻っている。 しかし仙台から北上して松島から本吉、気仙沼へと三陸方面に向かうと、ライフラインはまだ復旧途