私には年の離れた姉がおり、ヒデキを好きになったのも彼女の影響という、まんま「ちびまる子ちゃん」パターンである。仲良く応援していたが、「傷だらけのローラ」(1974年)でヒデキへの愛が強まり、姉をライバル視するようになってしまった。マジ泣きしながら「ヒデキのお嫁さんは私!」と暴れたりもした。 当時5歳の私にここまでさせた、罪作りなヒデキのローラ・インパクト――。 ただ、そうは言ってもまだチビッ子。ただただヒデキが「ローラ」と叫ぶ姿がカッコよかっただけで、歌の詳しい意味はわからなかった。大人になってもしばらくは 「いいな、ローラはヒデキにこんなに愛されて。ああ、ローラになりたい!」 のんきにそう思っていたものである。 12回叫ばれる「ローラ」の豊かなバリエーションしかし、中年になってやっと知った。想像の100倍ヤバい世界観だったことに――。 そもそもローラは過去の恋で深く傷つき、深刻なトラウマ