インテリアとして人気のストームグラス。天気管、気象管とも呼ばれるとおり、天気を予想する道具としてイタリアで開発され、イギリスに紹介されたといわれています。見るほどに不思議で美しいストームグラスを作って、観察してみませんか。 ストームグラスは化学の香り 筆者は、アクアリウムやスノードーム、ハーバリウムなどの「ガラスに閉じ込められた透明な世界」を愛好しています。ストームグラスを初めて見たときは、繊細な結晶に目が釘づけに。
最近めっきり時間の取れなくなったcosineです。今回は薬学系ならではの短めエントリを。 医薬と関わる世界にいると、「生物に効果を与える化合物」にものすごく沢山出会います。これをひっくるめて一般には何と呼んでいるでしょうか。「医薬」ではありません。なぜなら「毒」も含まれるからです。 「生理活性物質」と呼ぶ人が多いと思います。しかし一方では、「生物活性物質」と呼ぶ人もいます。 いやいやどっちも変わんねーじゃん?と思うかも知れません。 しかし実情は少し違います。 実はこの用語は、専門家視点から厳密な使い分けが提案されています。この文章に依れば 生物活性物質: 「毒でも薬でもとにかく生体に作用があれば良いという物質」 生理活性物質: 「ある生体のなかに本来存在するもので、その生体のために役立っている物質」 ざっくりいえば外因性か内在性か、という違いがあるのです。 つまり我々が日常使っている医薬品
西新井駅切符売り場でアルミ缶が爆発して女性が怪我をしたという事故。やらかした中国人が逮捕されたが、実はこの事故は度々起こっている。 https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230509/1000092245.html 有名なのは数年前に地下鉄日本橋駅で乗客の荷物が破裂してガスが発生、機動隊や消防が出動して駅ごと閉鎖、電車は不通になった事件があった。 今次の事故でも爆発なので警察は念の為にG事案(広域ゲリラ事件)として捜査を行うが、コーヒー缶爆発と来たら業務用洗剤ちょろまかしによる爆発に決まっている。 やってる事は馬鹿であり、よくわかってない馬鹿が扱えないような仕組みになってるのだが、ルーズな会社が多くてこの手の事件が起きてしまう。しかも時限爆弾みたいに当初は大丈夫なのに時間が経ってから事故になるという仕組みがあるのだ。 だからその辺をちょっと解説するよ
フランス語と窒素 以前にも述べたように1)、フランス語と英語の化学用語は似て非なるものがある。しかしそれらの多くは文法的な違いに起因し、また発音も若干違うだけだから、まるっきり「歯が立たない」というわけでもない。例えば、以前の例1)のデオキシリボ核酸(英:DNA, Deoxyribo Nucleic Acid)は、フランス語ではADN (Acide Désoxyribonucléique)というが、これは単語そのものの綴りが若干違い、また修飾語の順序が変わっただけである。ところがどっこい、フランス語の化学用語において、綴りから発音まで英語とはまったく違い、かつ化学に従事する上では欠かせない単語がある。それは「窒素」である。 僕は有機化学の専攻であったので、当然のことながら有機化合物が研究の対象となる。 典型的な有機化合物ではまず、炭素(C)、次に水素(H)、その次に酸素(O)、そして窒素(
19世紀初頭、化学者たちは鉱物学に興味を抱きました。ニオブは、この時代に発見された元素の一つで、その経緯はバナジウムにとても似通っています。すなわち、両者はほぼ同時期に最初の発見者によって見出され、化学的な論争の過程で再発見されたのです(バナジウムについてはココをクリック)。ニオブの歴史をたどってみましょう。 ニオブの最初の発見 大英博物館を創設したH.スローン卿は王立協会会長で、名だたる収集家でもありました。スローン卿は同館に書籍、美術品、鉱物など自身の収集品を寄贈した一人で、アメリカに居る彼の知人のJ.ウィンスロップ二世もまた、600点を超す数の鉱物を同館に寄贈しました。 鉱物への興味が高まる中、ロンドンのC.ハチェットは、大英博物館が収蔵する鉱物標本を同定・整理し目録を作成する仕事をしていました。その過程で、クロム鉄鉱(組成は(Fe,Mg)Cr2O4)に外観が似ているもののクロムを含
東京大学非常勤講師。元法政大学生命科学部環境応用化学科教授。『理科の探検(RikaTan)』編集長。専門は理科教育、科学コミュニケーション。一九四九年生まれ。千葉大学教育学部理科専攻(物理化学研究室)を卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻(物理化学講座)を修了。中学校理科教科書(新しい科学)編集委員・執筆者。大学で教鞭を執りつつ、精力的に理科教室や講演会の講師を務める。おもな著書に、『面白くて眠れなくなる化学』(PHP)、『よくわかる元素図鑑』(田中陵二氏との共著、PHP)、『新しい高校化学の教科書』(講談社ブルーバックス)などがある。 世界史は化学でできている 火の発見とエネルギー革命、歴史を変えたビール・ワイン・蒸留酒、金・銀への欲望が世界をグローバル化した、石油に浮かぶ文明、ドラッグの魔力、化学兵器と核兵器…。化学は人類を大きく動かしている――。化学という学問の知的探求
平成20年7月8日作成 平成20年8月6日更新 平成20年8月27日更新 平成20年11月13日更新 平成22年1月15日更新 厚生労働省食品安全部基準審査課 ビスフェノールAについてのQ&A はじめに 食品用の容器等は、体内に取り込まれる可能性のある化学物質の発生源となることから、公衆衛生※の見地から飲食によって起きる健康被害を防止するため食品衛生法※という法律で規制されており、必要なものには規格基準※が定められています。 ビスフェノールAという化学物質は一部の食品用の容器等の原料に使用されています。飲食物に移行したビスフェノールAによる健康への悪影響を防止するために、これまでの各種の毒性試験に基づいてヒトに毒性が現れないと考えられた量を基に、ポリカーボネート製容器等について、2.5ppm以下※という溶出試験規格※を設けています。また関係事業者においても、ビスフェノールAの溶出をさらに低
愛国心を裏切られた男 フリッツ・ハーバー(1868~1934) フリッツ・ハーバーと言えば空気中の窒素からアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法で1918年ノーベル化学賞を受賞した事で有名である。当時ヨーロッパでは産業革命で人口も増大し、農産物の需要が劇的に高まったが、それを賄う肥料が不足していた。その中でも特に窒素は空気中にはなんぼでもあるのに容易に反応しない為化合物として肥料にする事は難しく、入手経路は硫安や硝石などに限られ新しい入手法が渇望されていた。(このアンモニア合成は戦争に必要な化薬に使われる硝酸の新たな入手経路ともなったが)そんな背景があってノーベル賞に繋がった。 もう彼のもう一つの顔として化学兵器(C兵器 毒ガス)の父という側面がある。現代では無差別大量殺戮兵器として原子力兵器(A兵器)・生物兵器(B兵器)と共にその使用は強く非難されるが、彼は強い愛国心を持ち「毒
シアン化カリウム メーカー9社一覧 【2024年】 シアン化カリウムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、シアン化カリウムのメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。シアン化カリウム関連企業の2024年8月注目ランキングは1位:米山薬品工業株式会社、2位:メルク株式会社、3位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。 監修者: 毛塚雄己 2012年東京大学大学院卒業、修士(工学)。日本学術振興会特別研究員(DC1)を経て、2014年4月より大手化学メーカーにて基礎研究に従事。専門は材料科学、無機化学。日本セラミックス協会2020年度技術奨励賞受賞。①ResearchGatehttps://ww シアン化カリウムとは シアン化カリウムとは、化学式KCNで表される無機化合物で、青酸カリウム、青酸カリとも呼ばれます。常温では無色の結晶性塩として見ら
数年前から製薬業界で、モダリティという言葉を耳にする機会が増えている。モダリティとは低分子化合物、ペプチド(中分子)薬、抗体医薬を含む蛋白質医薬、核酸医薬、細胞医薬、再生医療といった治療手段のことだ。従来、製薬業界では低分子化合物を治療手段とする創薬が大半を占めていたが、1990年代以降、抗体医薬など蛋白質医薬の創薬が台頭。さらに近年では、核酸医薬や細胞医薬、再生医療の研究開発も活発化し、モダリティの選択肢の幅が広がった。 この記事は有料会員限定です 会員の方はこちら ログイン 2週間の無料トライアルもOK! 購読に関するご案内 ※無料トライアルのお申し込みは法人に限ります。(学生や個人の方はご利用いただけません)
一般的な話題 有機合成化学協会誌2020年5月号:特集号 ニューモダリティ;有機合成化学の新しい可能性 2020/5/15 一般的な話題, 化学者のつぶやき 有機合成化学協会, 有機合成化学協会誌 コメント: 0 投稿者: めぐ 有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2020年5月号がオンライン公開されました。 筆者の在宅勤務も2ヶ月ほどが経過しました。1日も早い事態収束を願うばかりです。 有機合成化学協会誌、今月号は特集号になります。タイトルは「ニューモダリティ;有機合成化学の新しい可能性」です!ワクワクしますね。 今回も、会員の方ならばそれぞれの画像をクリックすればJ-STAGEを通してすべてを閲覧することが可能です。 Review de Debut、感動の瞬間、MyPRなどは今月号はお休みです。 生細胞内の疾患関連タンパク質を減少させる低分子創薬手法の開発 石川稔*、橋本祐一
1月18 ベンゼン環を引きちぎる カテゴリ:有機化学 よく「亀の甲」などと呼ばれるベンゼン環の正六角形構造は、有機化学の象徴と呼ぶべきものです。グラファイト、PETなど身近な物質、フラーレンやカーボンナノチューブといった先端炭素材料も、このベンゼン環の安定性を基礎に出来上がっています。一面で、PCBやダイオキシンなど、環境中からなかなか消えてゆかない有害物質の頑丈さも、このベンゼン環の安定性に由来するものです。 PCB(上)とダイオキシン(下)。いずれも一例 ベンゼン環の持つこの安定性は、6つの炭素が持つπ電子が共鳴し、全体に行き渡って(非局在化)いることによります。図の上では単結合と二重結合が描いてありますが、実際には全てのC-C結合は1.5重結合というべき等価なものになり、安定化しています。この効果こそが、有機化合物の世界を格段に幅広く、奥深くしているといっていいでしょう。 ベンゼン
一般的な話題 もし炭素原子の手が6本あったら 2013/6/6 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 論文 モリブデン, 共鳴, 有機化学, 構造化学, 炭素, 無機化学, 生物化学, 金, 錯体化学 コメント: 0 投稿者: Green 6月なので6にちなんで、原子番号6番、炭素Cにまつわる「6」の話を記事にしたいと思います。 炭素原子と言えば結合を作る手は4本だということは、理科好きならば中学生でも常識扱いされる有名なことかもしれません。4本しか手がないのであれば、4よりも多くの方向へ結合の手がのびることはなさそうです。 しかし、特別な場合には「炭素原子が6方向に結合の手をのばす分子」もあるのです。しかも、それが実験室で作った人工の合成物だけでなく、生き物が作った天然の化合物にもあるというから驚きです。 わたしたちヒトの手足は4本、昆虫の手足は6本、カニははさみを入れて10本というように
12月1 スライムの青のこと さて昨日からツイッターなど眺めておりますと、どうやらこいつが大人気のようであります。 ずどーん。 ドラゴンクエスト発売25周年を記念した、ファミリーマート限定で売っている「スライム肉まん」なのだそうです。実は筆者はドラクエなるものを一度もやったことがなく、この形態を見ても何の感興も呼び起こされないのでありますが、まあかつてやりこんだ方々にはたまらない商品なのでありましょうね。 しかしこの商品、色が普通の肉まんにはあり得ないスカイブルーです。青ってのは基本的に食欲を失わせる色なんだそうですが、まあこの場合やむなしでしょう。しかしこの色を何で出しているのか、化学者としては気になるところです。青色1号か何かかなと思ったら、「合成着色料を一切使用しておりません」とのことです。天然由来のものってことですね。 青色1号。いかにも人工な構造。 実は生物界にあって、青という色
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