TOP > 4. 怖いアリ、愉快なアリ、痛いアリ 人間や家畜を骨だけにする“陸のピラニア” テレビ映画などでは、「恐怖の人食いアリ」などと、まるで猛獣が人間に襲いかかるみたいな印象を受けるが、こちらが油断さえしなければそう危険なことはない。この人間や家畜を、場合によっては骨だけにしかねないアリは、外国でも「アーミー・アンツ」(軍隊アリ)と呼んで恐れられている。 このアリは大軍が行列をつくって餌探しに出かけるのが特徴で、餌は生きている虫や小動物、それを殺して肉を運んでくる。餌はおもに子育てのためで、付近に餌のあるあいだはその場所に逗留し、餌がなくなると、新しい場所に移動する。つまり、逗留→移動を繰り返しているわけで、完全には巣をつくらない放浪性のアリである。人間でなら、昔の野武士や山賊の集団、とでもいったところだろう。 アリの学問上からは、新大陸(南北アメリカ)にいるのを「軍隊アリ」、旧大陸