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ニッポン放送とフジテレビ、新株予約権で対抗

これってポイントは「相手がホリえもんじゃなかったらこんなことが許されるか?」だと思います。

だって、株主が経営者をクビにしようとしたら、経営者が会社をのっとっちゃったということでしょう。他の株主を説得するとか、自分で株を買って抵抗するならまだしも、株券を紙屑にして「この会社はオレのものだ。そんなもの持っていても無駄だ」と一方的に宣言しているわけですから。

運転手を雇って自分の車を運転させて、「六本木へ行け」と言ったら、運転手が車のオーナーを突き落して勝手にお台場へ入っちゃって、しかも「この車は私のものです」と宣言しちゃったようなものです。これはそのオーナーがどういう人格破綻者だろうが、資本主義の世界では認められることではありません。

「六本木は泥んこ道だから、そちらへ運転することは車の価値を著しく損なう」とか言ってるけど、オーナーは車を廃車にする自由だってあるんで、雇われ運転手風情が考えることではない。「そっちへ行け」と言われたら、黙ってそうするか、運転手をやめるか、車を買い取るか、そのどれかしかない。

相手がホリえもんじゃなかったら、どのテレビだって絶対非難するよこんなこと。特に金持ちには許容できないことじゃないのかなあ。

もちろん、私は、人間としては対話の価値を重視する。そのために難しい本をいっぱい読んで(アクセス減覚悟で)難しいブログを書いたりしてます。しかし、対話というのは、相手が異質だから意味があるのであって、常に決裂の可能性がある。決裂した時に殴り合わなくてすむように、法とか経済システムがあるわけで、相手が異物だという理由でそういう社会的基盤をないがしろにしていいとは思えません。

ホリえもんだってグレーなことはするけど、はっきりクロなことはしてないでしょう。法や経済システムを最低レベルでは彼も尊重しているわけで、いかなる異質な価値観の持ち主だろうと、それと共存できない社会は情けない。

もし、これが許されるとしたら「相手がホリえもんの時に限って許す」ということになると思います。そうでなければ、株持ってる人は気が気じゃない。いつ自分の財産が紙屑になっちゃうかわからないですから。ということは、「異物の排除」が日本の社会にとって、法や経済システムの上位にある、最優先の事項だということになる。

それは元々そうだったのかもしれないけど、テレビであからさまにそんなこと放送しちゃっていいのかなあ?

インサイダーとエイリアンしかいない世界には経済成長はあり得ない。

(追記)

毎日の社説が私と同じようなことを言っている。


しかし、ニッポン放送の今回の決定は、支配証券としての株式の役割を否定することにつながってしまう。なんでもありというのは、おかしい。

ネタ元はfinalventさん