日本では、2018年12月に公布された「成育基本法」1に基づき、2021年2月に「成育医療等基本方針」2が閣議決定され、初めて“プレコンセプションケア”に言及がなされた。 一般的に、このプレコンセプションケアとは「妊娠前の健康管理」という意味を持ち、妊娠前の女性やカップルに医学的・行動学的・社会学的な保健介入を行うことを目的に提唱されているものである。 このプレコンセプションケアについて、諸外国の提唱内容の特徴を探ると、CDCは、米国における10歳代の意図しない妊娠率や早産率・乳幼児死亡率などの周産期課題から、子どもを産むことができる生殖年齢にある男女の健康を守るためにプレコンセプションケアを提唱した経緯が明らかとなった3。 また、WHOは、発展途上国での性感染症の罹患率や先進国での薬物乱用や対人暴力など将来の健康に影響を及ぼす健康リスク要因が生じている実態を受けて、生涯の健康に影響を与え