一見すると、11月の米大統領選では、米国の暗号資産(仮想通貨)コミュニティー全体がトランプ前大統領に列をなして投票するように見えるかもしれない。 だが、コミュニティー内の最も大きな声が、必ずしも総意を表しているわけではない。7月27日、テネシー州ナッシュビルで開かれた米国最大のビットコイン会議でトランプ氏が演説した時でさえ、トランプ氏のスローガン「米国を再び偉大に(Make America Great Again=MAGA)」と「ビットコインを再び偉大に」と書かれた赤い帽子をかぶった参加者が多数いる一方、暗号資産の反政府的な精神が失われていくことを懸念する人々の中には、反対の雰囲気もあった。 イベントに参加したカリフォルニア州在住のビットコイン支持者、カイル・オルニー氏は「真のビットコイン支持者なら、トランプ氏に投票するわけがない。彼の価値観や政治哲学は、ビットコインコミュニティーの価値観