日銀の追加利上げ決定後、外国為替市場で円相場の不安定な値動きが続いている。 5日には1ドル=141円69銭まで急騰し、日経平均株価の歴史的な暴落を増幅。利上げ前の7月初めに161円94銭と、約37年半ぶりの安値を記録してからの約1カ月で20円上昇した。ヘッジファンドなどの投機筋が「円キャリー取引」を一気に縮小させたことが大きな要因となった。 【ひと目でわかる】円の売り越し幅と円相場 円キャリー取引は、金利が低い円を借り、米国のような金利が高い国の金融資産で運用し、運用益に加え金利差による収益を狙う取引。円を売って高金利国通貨を買う動きのため円安要因となる。 投機筋の円キャリー取引を見る上で参考とされている指標は、米シカゴ・マーカンタイル取引所に上場する円通貨先物の非商業部門の売り越し幅。米商品先物取引委員会のデータによると、売り越し幅は7月2日時点で18万4000枚と歴史的な水準に膨らみ、