ドイツの強さの根源は連邦制にあり 私が主宰する経営者の勉強会、「向研会」の研修旅行で、10月半ばにドイツを訪ねた。 戦後68年間、同じ敗戦国である日本とドイツは、肩を並べるように経済成長してきたが、特にこの10年間で大きく差が開いたように思える。長期にわたって低迷し続ける日本とは対照的に、今なお国際社会でプレゼンスを発揮し続けているドイツの強さの秘密を探る――。それが今回の旅のテーマだった。 ドイツは13の州と3つの都市州(ベルリン、ハンブルク、ブレーメン)から構成される連邦共和国であるが、私たちは中央西部のヘッセン州、南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州、南東部にあるバイエルン州の3つの州を回ってきた。 以前、「世界から尊敬されるドイツ、警戒される日本」(http://president.jp/articles/-/10282)で説明したように、「ドイツの強さの根源は連邦制という統治機構
好感度が最も高い国はドイツ 参院選は自民党の圧勝劇で終わった。「ねじれが解消できてよかった」と喜ぶのは、自民党と公明党ぐらいで、中国、韓国は無論のこと、安倍首相を危険人物に分類し始めているアメリカからも歓迎の声は聞こえない。 「失われた20年」で日本の国際的なプレゼンスは低下の一途を辿ってきたが、先の民主党政権と日本の右傾化を象徴する安倍政権の登場で、アメリカにまで警戒心を抱かれるようになってしまった。それは同じ敗戦国として戦後復興と高度成長を果たしながら、今なお世界から尊敬されるドイツとは対照的だ。 日本でバブルが弾けた20年以上前、ドイツは東西ドイツの統一によって重い荷物を背負った。旧西ドイツ国民の負担は240兆円を超えたという試算もある。当時の東ドイツの失業率は20%近く、1人当たりGDPは西ドイツと10倍以上の開きがあった。それが今やドイツ全体の失業率は4%台で、GDP格差は0.7
米国のテレビドラマで、事件現場に現れた地方警察とFBIが管轄について言い争うシーンを思い出される方も多いかもしれない。米国では、銃の所持が合法化されている州とそうでない州があるということを聞いたこともあるだろう。ドイツも連邦制を採用しているが、この国の連邦制にはどんな特徴があるのだろうか? 連邦制とは? 連邦制とは、2つ以上の州が1つの主権の下に集まり、形成される国家のことである。中央政府と州政府の権限が明確に分けられ、国民国家を形成している。 地方政府の権限が中央政府から委任された事項に限られる単一国家に対し、連邦制では、国家を構成する州の主権が尊重され、共通の利害に関わる外交政策などを中央政府が担当する。 ドイツの連邦制は、米国のそれに比べると連邦と州の間の連携が強く、穏やかな連邦制と言えるだろう。 州ごとの違い 実際にドイツに住んでみると、その違いが見えてくる。例えば、州ごとに設定さ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く