李香蘭(山口淑子)が戦時中に録音したものの、お蔵入りとなっていた「雲のふるさと」「月のしづく」の2曲の音源の試聴が日本コロムビアのページで開始となった。 古賀政男音楽文化振興財団が所有する古賀政男の遺品SPの中にあったという「雲のふるさと」「月のしづく」の2曲。しかし、オフィシャルな記録からもこれら曲の存在は抜けており、確認した当事者たちも亡くなり、発見時に同席した音楽史研究家・郡修彦 氏の記憶の中だけに埋もれていたものだった。 このたび山口淑子の逝去により、その歌の記録が企画編集されることになり、あらためて確認され、戦後70年の時を経て日の目を見ることとなった。 音源の録音が行なわれたのは、昭和19年11月10日。これが戦時中、李香蘭の日本での最後の吹き込みとなった。この時期、レコード原材料も不足で、軍部の意向にそった作品でさえ、レコードが発売されたか否か判らないものがあるという。ただ、