「袴田事件」の約1年2カ月後にみそタンクから見つかり犯行時の着衣とされた衣類の血痕(右)と、検察側の実験で変色した血痕=2022年11月、静岡市葵区 袴田巌さんの再審で、捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)を認めて無罪を言い渡した静岡地裁判決について、検察幹部からは疑問の声が上がった。 【ひと目でわかる】「5点の衣類」を巡る主張と判断 ある幹部は「証拠を捏造と断定するなら、はっきりと根拠を示すべきだ」と納得がいかない様子。「捏造した人が起訴され、有罪となるような証拠がそろわないと判断できないのでは」と指摘した。 別の幹部は「判決の中身を見ていないので何とも言えない」とした上で、証拠捏造について「証拠から排除するなら、それなりの理由と説得力がなければいけない。そこも含めて判決内容を精査する」と話した。 死刑確定後に再審無罪となった過去の4例で控訴したケースがないことに関しては「過去どうだった