原子力発電所で事故が起きた際に必要となる、放射線量を測るモニタリングカーや災害弱者を運ぶ車などが、パトカーのように赤色灯をつけて他の車よりも優先して道路を走れる緊急自動車となった。道路交通法の施行令が改正され、26日の原子力規制委員会に報告された。 新たに指定されたのは、モニタリングカーや放射線量の情報を地域にアナウンスする広報車、被曝(ひばく)を防ぐために住民が飲む安定ヨウ素剤を配布する車など。いずれも各自治体の避難計画を実行する上で欠かせない。これまではパトカーなどの先導がある場合を除くと、通常の車と同じようにしか運転できず、住民避難時の渋滞に巻き込まれるなどの恐れがあった。 警察出身の池田克彦・原子力規制庁長官は「率直に言って、今まで緊急自動車になっていなかったのがおかしかった」と述べた。 今後、全国の車両に赤色灯をつけたり、国や自治体の職員を対象にした運転研修を開いたりするという。