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幻想魔族(遊戯王OCG)

登録日:2024/12/17 Tue 22:37:08
更新日:2024/12/21 Sat 13:51:55NEW!
所要時間:約 5 分で読めます




りあげじょうずなだいどうげいにん

たやおどりでゆだんをさそい

かしなじゅつでこうげきしてくる

のめがまわればきけんなあいず

そいでにげよう!


幻想魔族とは、遊戯王OCGにおけるモンスターの種族の1つ。


概要

第12期開始と同時に新たに追加された26番目の種族
この種族に属するモンスターは、イラストの何処かにウジャト眼の意匠が描かれているものが多い。
主に「幻を見せる能力者」「幻の存在モチーフ」といった区分けで、種族設定がなされている模様。

属するモンスターの大半が、以下の効果を有している。
このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。

戦闘を行う自分と相手のモンスターが、互いに戦闘破壊されなくなる。
自分の幻想魔族モンスターは多少場持ちが良くなり、万一事故が起きてもこの耐性でギリギリ持ち堪えることも狙えなくは無い。
その反面、相手のモンスターを戦闘破壊で退かすことも出来なくなり、効果除去耐性を持ったモンスターへの解答を一つ損ねている。

この効果を活かすためか、「戦闘後に自分/相手のモンスターがフィールドにいる」前提の効果が見受けられる。
有効活用した強力な効果も多いが、戦闘前提としたばかりに「メインフェイズでは動けない」テンポ面の悪さが露呈しているカードもいる。
一方で、なまじ優秀な効果を持ったためにこの戦闘破壊耐性効果が形骸化しているモンスターも見受けられる。

これまでも「ライフ」「蘇生」「セルフ破壊」「L召喚」と”特色”を持った種族は大勢いたものの、“共通効果”を持った種族は前例がない。

その初出は古く、原作遊戯王の「王国編」にて登場した設定である。
武藤双六の説明によると、モンスターには4種類の「召喚魔族」なるステータスが定められており、それらは「黒魔族→白魔族→悪魔族→幻想魔族→黒魔族…」という四すくみの関係になっている。
仮に攻撃力が上回っていても、不利な召喚魔族を相手にしたら逆に倒されることもある、とのこと。
なお原作で明確に「幻想魔族」と明言されているのは、ペガサスが使用した《幻想師・ノー・フェイス》のみ。
その《幻想師・ノー・フェイス》が《ブラック・マジシャン》と相打ちになりお互いに戦闘破壊されなかった場面があり、これか上述の戦闘破壊耐性の由来と推察できる。
(これはペガサスの思い通りの運びで、戦闘破壊しなかった《ブラック・マジシャン》を《幻惑の眼》によって操ることに成功している)

しかしこの「召喚魔族」ルールについては徐々に触れられなくなり、王国編以降は種族をクローズアップした駆け引きが多く、殆ど存在しないものとして扱われていた。
一方でゲーム作品*1ではこれを更に拡張した形でしばらく召喚魔族ルールが採用されていたため、そちらで印象に残ったファンが多いだろう。
優劣関係は上記の双六の説明通りだが、お互いのステータスに関係なく不利側が必ず破壊され、有利側のステータスが劣っていてもLPへのダメージは発生しないという違いがある*2

そして遊戯王OCGでは、《幻想師・ノー・フェイス》がそうであるように「悪魔族」以外の召喚魔族は別々の種族に割り当てられ、OCGからは消えた設定となっていた。
遊戯王25周年の節目に合わせ、原点回帰という意味も込めて掘り起こされたのかもしれない。
それに関連して、コンストラクションモンスター等のゲームオリジナルモンスターであったり、ゲーム版で幻想魔族に分類されていた既存のモンスターがリメイクされたりして幻想魔族として登場している例がしばしば見られる。


代表的な幻想魔族関連カード


メインデッキの幻想魔族モンスター

  • 《ジョングルグールの幻術師》(☆4)
2024年12月時点で唯一の幻想魔族通常モンスターで、《アレキサンドライドラゴン》をはじめとする2000打点通常モンスターの1体。
通常モンスターなので当然ながら共通効果の戦闘破壊耐性は持っていない。
本項目冒頭の文章はこのカードのフレーバーテキスト
「ひらがなのみで書かれたフレーバーテキスト」や「イラストの枠を飛び出したイラスト」など、ゲームボーイ版遊戯王を思わせる要素が仕込まれており、幻想魔族と言えばゲーム版というのはやはり共通認識なのだろう。
遊戯王においてイラスト枠を飛び出したイラストはラッシュデュエルにしか存在しないが、どうやって枠を飛び出しているかというと、イラストの枠の中にもう一つ枠を作ってそこから飛び出している。フォーマットを踏襲しながら文字通り枠に囚われない表現を行うのは流石と言うべきか。

  • 幻惑の魔術師(ナイトメア・マジシャン)》(☆7)
ダメージステップ終了時に戦闘した相手モンスターのコントロールを奪う効果と、他のモンスターが攻撃するダメージステップ開始時に場のカード1枚を破壊する効果を持つ。
コントロール奪取効果と幻想魔族の共通効果は相性がよく、相手の攻撃力が高くても自身の戦闘破壊を防ぐことができ、逆に低くても相手モンスターを戦闘破壊することなく奪うことができる。
効果自体はなかなか強力なのだが、最上級モンスターにもかかわらず自身を特殊召喚する効果がない&メインフェイズでは特に働きがないという点が非常に扱いづらく、幻想魔族デッキでは妹弟子に居場所を取られがち。
そのカード名やイラスト、闇属性・レベル7・攻撃力2500というステータスからもわかるように、《ブラック・マジシャン》を強く意識したカードでありその幻想魔族版といったところか。単体では扱いづらい点も共通している。


  • 幻惑の見習い魔術師(ナイトメア・アプレンティス)》(☆6)
手札を何でも1枚捨てて自己特殊召喚する効果と、召喚・特殊召喚時に他の幻想魔族モンスターをサーチする効果を持つ。
消費は嵩むが極めて緩い召喚条件と共に幻想魔族をどれでもサーチでき、幻想魔族デッキ全般で採用に値する最高峰の種族サポートカード。
召喚後は共通効果で壁になるだけだが、自身を含めて幻想魔族を2体用意できるのもあり、そのまま素材として有効活用できれば申し分ない。
こちらは《ブラック・マジシャン・ガール》を意識したカードであり、VBEX4によると《幻惑の魔術師》の妹弟子にあたる魔術師である。
なお、名前や効果はBMGの関連カード《幻想の見習い魔導師》と酷似したものとなっている。こっちは「幻惑」で幻想魔族じゃない方が「幻想」なので注意。



  • 《大陰陽師 タオ》(☆3)
通常モンスターである《陰陽師 タオ》のリメイクカード。
このカードが墓地に送られた場合、他の幻想魔族を蘇生する。
代償として、発動後は幻想魔族しか墓地から蘇生できない。
とはいっても他の場所からの特殊召喚には影響が無いため、タイミングを調整すれば上手く回避できる。
そもそもの発動条件がかなり緩いため、制約を回避しやすく蘇生手段としてはかなり優秀。

前述した「コンピュータゲーム作品では幻想魔族だった」ケースであり、特にDM4では《陰陽師 タオ》は一線級のカードだった。
攻撃力はたったの1200だが、下級モンスターのステータス上限が1350であるDM4、かつ貴重な幻想魔族という点を加味すれば1200でも十分優秀であり、魔法や融合といった強化手段も至れり尽くせり。
同じような性能の《異次元の戦士》や《オシロ・ヒーロー》と共に黒魔族対策としてデッキに入れていた人も多いかも知れない。
ちなみにリメイク元のカードは魔法使い族に属していた。

  • 《幻蝋館の使者》(☆3)
相手モンスターの攻撃宣言時に特殊召喚し、そのバトルフェイズ終了時に相手フィールドのモンスターを「効果を無効にし、EXモンスターの素材にさせず、表示形式も変更できない」状態にする効果を持つ。
この無力化は「次の相手バトルフェイズ開始時まで」と長く、効果を発動した次の自分ターンで無力化した相手軍を一掃できれば理想的。
手札誘発なので相手に存在を悟られにくく、また特殊召喚しても前述の戦闘破壊耐性があるためバトルフェイズ終了時まで生き残りやすい点も噛み合っている。


  • 《タロンズ・オブ・シュリーレン》(☆6)
まさかまさかの「遊☆戯☆王デュエルモンスターズIII 三聖戦神降臨」が初出のモンスターがカード化。
ゲーム発売からおよそ24年の時を経てOCGに殴りこんできた。
相手ターンに自分フィールドの悪魔族か幻想魔族モンスターをバウンスして特殊召喚できる効果を持つ。受動的ではあれどフットワークの軽さはそこそこ。
自分のカードを対象とする効果を相手が発動した時、相手モンスター1体を対象に自身を手札に戻して破壊する…という風変わりな効果を持つ。
相手ターンでの特殊召喚効果と戦闘破壊耐性を蜃気楼の中の幻影に例え、破壊効果を爪で掻き殺す効果に例える…と当時のゲーム内テキストを再現した効果なのが芸コマ。

このカードは元々のゲーム作品では悪魔族に属していた。OCGでの特殊召喚の際に指定する種族はそれの名残。
初出作品のDM3における近いステータスのモンスターは《デーモンの召喚》や《闇魔界の覇王》といった様に☆の数が下の6となるライバルも多かったが、DM4ではそれらと同様の☆8となった事により、ようやくここでデッキの選択肢の一つとして活躍出来る様になったと言える。


  • 《原罪のディアベルゼ》(☆7)
スネークアイ】から始まった罪宝物語における、もう一人の中心人物。
墓地に罪宝カードがあるときに手札から特殊召喚できる効果、相手は魔法・罠カードをセットしないと発動できない効果、そして魔法・罠カードがセットされた時に互いのカードを1枚ずつ破壊する効果を持つ。
《黒魔女ディアベルスター》を出張させるなどすれば、自己特殊召喚は容易に行えるため緩い部類。
生きた《魔封じの芳香》というべき制圧効果を持ち、彼女が場にいる限り、《無限泡影》のような手札から発動できる罠カードや速攻魔法を直接発動できなくなる。
破壊効果についても自分から能動的に仕掛けられるほか、後述の《微睡の罪宝-モーリアン》など「効果でセットする」場合も可能な点を活かせば活躍の幅は広がる。
《微睡の罪宝-モーリアン》や《廻る罪宝》など、《原罪のディアベルゼ》と併用する前提の罪宝カードも多く、《黒魔女ディアベルスター》に負けず劣らず罪宝を使いこなす様がうかがえる。
なお、罪宝ストーリーのカードであることの方が優先されたのか、共通効果は持っていない。強めの制圧効果を持っているので戦闘破壊耐性があったらそれはそれで困るのでちょうどいい。


エクストラデッキの幻想魔族モンスター

  • 《影法師トップハットヘア》(リンク・L2)
L召喚時に罠モンスターをデッキからセットする効果、魔法・罠ゾーンからモンスターが特殊召喚された場合に魔法・罠カードを破壊する効果を持つ。
後述する《影帽子》を始め妨害効果を持つ罠モンスターを採用する必要があるが、素材指定なしのリンク2で手っ取り早く1妨害を確保できる汎用モンスター。


魔法・罠カード

  • 《微睡の罪宝-モーリアン》(通常罠)
特殊召喚されたモンスター1体を裏側守備表示にする効果と、レベル5以上の幻想魔族がいる時に自身をセットする効果を持つ。
前半の効果のみだと制限された《月の書》だが、自己サルベージ効果を持つため妨害回数の増加などが見込める。
特に《原罪のディアベルゼ》とは相性が良く、自己サルベージの条件を満たす他あちらの破壊効果のトリガーに利用できる。
最悪このカードだけを引いても最低限の妨害はこなせるため、事故のリスクも小さめ。


  • 《影帽子》(永続罠)
幻想魔族の罠モンスター
特殊召喚に成功した時に、自分フィールドの幻想魔族の数まで表側表示のカードを無効にする効果を持つ。
単独で機能するため使い勝手は良いが、特殊召喚に成功した時に発動するという点が欠点にもなる。
具体的には相手がフィールドで効果を発動した時に直接チェーンして無効に出来ない点には注意が必要。


幻想魔族に関するデッキ・テーマ等

《合成獣融合》による融合召喚を得意とする、悪魔族獣族との混合デッキ。
幻想魔族からはデッキの回転と妨害を兼ねる《コーンフィールド コアトル》《ミラー ソードナイト》、
そして共通の戦闘破壊耐性を活かしサンドバッグと化した相手をフルボッコにする《幻想魔獣キマイラ》が属している。
主力カードである《幻爪のガゼル》には幻想魔族モンスターのサーチ効果、《大翼のバフォメット》には幻想魔族の蘇生効果、《幻獣魔王バフォメット》には幻想魔族の墓地送り効果があるので、テーマ外の幻想魔族モンスターも上手く扱える。このため、《原罪のディアベルゼ》は罪宝ストーリーテーマのデッキよりもこっちでケモたちとよろしくやっていることが多い。

  • 【白き森】
《黒魔女ディアベルスター》を主人公にした罪宝ストーリーテーマの第三弾。
魔法使い族との複合S召喚テーマで、魔法・罠カードをコストにして効果を発動するからくりになっている。


罪宝ストーリーテーマの第四弾で、初の幻想魔族で統一されたテーマデッキ。
アザミナ融合モンスターは通常の融合召喚とは別に「罪宝」魔法・罠カードを依代にした召喚も可能になっている。
《黒魔女ディアベルスター》1枚から万能無効《背信聖徒シルヴィア》を立たせられるなど、出張適性も高い。


追記・修正は戦闘を行っても破壊されない人がお願いします。

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最終更新:2024年12月21日 13:51

*1 GB系のナンバリングのうち、『1』とOCG準拠だった『5』『6』以外

*2 なお、ゲームの召喚魔族はOCGでは「属性」に当たる。