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コンストラクションモンスター(遊戯王)

登録日:2024/05/06 Mon 12:14:34
更新日:2024/12/19 Thu 01:11:24
所要時間:約 10 分で読めます




コンストラクションモンスターとは、ゲームボーイカラー用ソフト『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ3 三聖戦神降臨』に登場したオリジナルの要素である。

概要

ゲームボーイで展開されていたデュエルモンスターズシリーズ(以下「DM」と略す)の中でもDM3にしか存在していない異色のシステム。

DMシリーズのストーリーモードである「キャンペーン」では相手デュエリストに勝利すると杏子からカードが1枚もらえるのだが、DM3にはそれに加えて「カードパーツ」が1つ手に入る。
カードパーツは大きく分けて「上半身」と「下半身」の2系統が存在し、そのパーツを組み合わせて合体させることでオリジナルのモンスターを生み出せるのである。
隠しパスワードで双六を出現させればそちらからも貰えるようになり、1度のデュエルで2つのパーツが手に入る。
パーツの組み合わせの総数は実に9800種類にも及ぶ。

なお、杏子から貰えるカードは対戦相手のデュエリスト毎に種類が異なっているが、コンストラクションのカードパーツはどのデュエリストからも違いはない。
なのでカードパーツが欲しいだけなら本作最弱の本田をひたすらボコり続けてもいい。

また、コンストラクションで生み出したモンスターも通信交換で他者に送ることができる。その場合受取先では一度パーツは分解される。

詳細な仕様

先述の通り「上半身」と「下半身」の2系統があり、更に上半身には「上半身1」「上半身2」、下半身も同様に1、2のそれぞれ2つのグループがある。
上半身1は下半身1と、上半身2は下半身2とでないと組み合わせられない。
カードパーツのナンバーは0~139まであり、この内0~69までが上半身・下半身1、70~139までが上半身・下半身2に分類されている。

カードの能力はパーツの組み合わせでランダムに設定されている。具体的には
  • 攻撃力・守備力(100刻みで最高は2000)
  • レベル(3~6)
  • 種族
  • 召喚魔族*1
  • コスト*2(20~40)
これらがカードパーツの組み合わせ方次第で変化する。

これにより、攻撃力・守備力2000、レベル3or4、コスト20なんていうぶっ壊れモンスター*3も生み出すことが可能
(ただし、黒魔族や幻想魔族は攻撃力1900が最高など、全ての種族・召喚魔族で最高値が作れるわけではない)。
このせいで既存の下級モンスターは効果モンスターを除いてほぼ全てが存在意義を失ってしまっている。

なお、上半身と下半身のナンバーが同じ数字だと「正しい組み合わせ」となり、イラストが違和感のない姿のモンスターとなるが、「正しい組み合わせ」でもステータスが強いわけではなく、大概は上半身と下半身がチグハグな異形のモンスターのほうが強い*4
例えば、上半身が侍風の戦士・下半身がヘビ型で種族は何故か機械族*5なんていうわけわからんモンスターが攻撃力2000で出現したりする。
正しい組み合わせでもイラストと種族が一致していないモンスターは何体か存在するが・・・・・・。


コンストラクションモンスターの欠点


基本的に手に入れたパーツを組み合わせてみて強い奴が出来たらデッキに入れておけばおk、な強カード群なわけだが、そんなコンストラクションモンスターにも一応欠点がある。
どれも「能力がランダムに設定されるのでゲーム内の一部ルールが適用されない」という感じである。

  • 融合素材にできない

OCGと異なり、DMシリーズではモンスターカード2枚を重ね合わせるだけでモンスターを「融合」させ、より攻撃力の高いモンスターに変化させることができる(デッキに投入されていないモンスターも平気で出現する)。
さらにその融合の取り合わせはその素材モンスターの種族やイラスト、カード名、召喚魔族等を参考にしており、例えば
  • 「戦士族モンスター」+「『エルフ』と名のつくモンスター」=「エルフの剣士
  • 「イラストが"女性"の姿のモンスター」+「岩石族モンスター」=「「砂の魔女
というようなパターンでモンスターを生み出せるようになっている。

しかし、コンストラクションモンスターは先に書いた通り種族やイラストがランダムに設定される性質上、これらの融合パターンを設定することができないため、融合素材として使うことは不可能となっている。

尤も、自由度の高い組み合わせの融合で作り出せるモンスターは攻撃力2800の「双頭の雷龍」が最高*6であるため、素で攻撃力2000を持つコンストラクションモンスターをわざわざ消費してまで作るメリットは薄い。
また、DM2と違いDM3以降では(原作再現のためか)融合で生み出したモンスターはそのターンに攻撃できない(いわゆる「召喚酔い」を起こす)ため、融合自体のメリットがかなり低い。
ついでに同じターンに追加でモンスターを重ねて更に融合を続けることもできなくなっている。

そんなわけで手間暇かけてカード消費して融合をするよりも素で強いモンスターで素直に殴りかかったほうが結局手っ取り早くて確実という話になる。


  • 強化手段が少ない
これも能力がランダムに設定されるが故の欠点。
DMシリーズの装備魔法は種族やイラストを参照して装備可能な対象を設定しているため、既存の装備魔法はコンストラクションモンスターに原則として使うことができず、唯一装備可能なのは全モンスターに使える「巨大化」のみとなっている。
他の強化手段も、同じく全モンスターを強化できる効果モンスター「命の砂時計*7」ぐらい。
ただし、フィールド魔法は適用可能な種族のモンスターであればコンストラクションモンスターでも強化可能。

先手を打たれて相手が攻守2000を超えるモンスターを出した場合、強化できずに押し切られるというケースもなくはない。
特に下級モンスターでありながら無強化で攻撃力2200を誇る「地雷蜘蛛」や、守備力2600の「ビッグ・シールド・ガードナー」等は厄介な存在である*8
ただしそれらも最大で3枚ずつしか投入できないため運良く引けるとは限らず、こちらは多種類のコンストラクションモンスターを投入すれば攻撃力2000の下級モンスターを途切れさせることなく召喚し続けられるため、安定した火力を出せる点ではやはりこちらに分がある。
仮に上記の天敵を出されたとしても、魔法や罠による除去で始末してしまえばいい。
召喚魔族で有利なら一方的に破壊できるため、「地雷蜘蛛」「進化の繭」(共に森魔族)に有利な炎魔族や、「ビッグ・シールド・ガードナー」(土魔族)に有利な風魔族を用意するという方法もある。



といった感じで、欠点もあるにはあるが致命的というわけでもなく、やはりその並外れたステータスの信頼性は高い。
縛りプレイでない限りはコンストラクションモンスターを採用しないという手はないと言っていいだろう*9

その後のシリーズ

流石にオーバーパワー過ぎたのか、このシステムはDM3一代限りのものとなっており後のシリーズには登場していない。
ただし、続編のDM4ではこのコンストラクションモンスターを元ネタとするモンスターが7枚オリジナルカードとして収録されている。
以下がそのモンスター。なお、これらのモンスターはDM3からイラストや種族が変更されている。
(「番号」はDM3でのパーツナンバー。上半身・下半身ともに同じナンバーである。)
番号 カード名 攻撃力 守備力 種族
16 ルートドラゴンウッド 1200 1900 植物族
18 スフィラスレディ 400 1400 岩石族
39 レッドメインブルーブリーチス 700 1100 獣戦士族
43 アングラーファットフィッシュ 500 1300 魚族
47 こころをこおらせるスノークリスタル 300 1900 水族
69 ライトローミディアム 400 300 天使族
86 ロングノーズブルーマンモス 800 900 獣族

なお、カード交換機能を使うことでDM4にコンストラクションカードを送ることができてしまうのだが、DM4側に送られたコンストラクションカードはそのまま消失するという大変杜撰な仕様になっている(一応、交換前に各ソフトのナビゲーターがいちいち警告してくれる)。

OCG化

スフィラスレディ
通常モンスター
星3/地属性/岩石族/攻 400/守1400
美女と思い近づくと、首筋を噛まれ全身の血を吸われてしまう。
OCG化を果たした初のコンストラクション出身カード。
DM4に収録されたオリジナルカードの1つで、DM4発売から7ヶ月後に「Labyrinth of Nightmare -悪夢の迷宮-」に収録された。
長らくコンストラクション出身カードの中では唯一のOCG化されたカードであったが、20年以上たって後輩たちが現れた。
OCG化が早すぎたか、単なる弱小通常モンスターでデザインされている。

なお、何故かイラストが作品ごとに変更されている。
  • DM3:蛇のような仮面を付けた踊り子の姿をした人間の女性
  • DM4:上半身が女性を象った石像、下半身が蛇
  • OCG:上半身が蛇の顔を持つ鎧を纏った女性、下半身が蛇

DM3では戦士族/幻想魔族だったが、DM4では岩石族/土魔族に変更された。
OCGではイラストに岩石要素が無いがDM4同様の岩石族になっている。

ライトローミディアム
効果モンスター
星2/光属性/天使族/攻 400/守 300
(1):相手バトルフェイズ開始時に、相手フィールドの攻撃表示モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。
このカードが自分のモンスターゾーンに存在する限り、このターン、対象のモンスターは攻撃可能な場合、このカードを攻撃しなければならない。
(2):1ターンに1度、このカードが相手の攻撃表示モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃を無効にし、その相手モンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。
「DIMENSION FORCE」で収録されたモンスター。
こちらもDM4に収録されたカードの1つで、なんとあちらから21年も経過してからのOCG化である。覚えてた人どれだけいたんだろう

収録までの年月を勘案されたか効果モンスターになっている。
相手モンスターの攻撃を自分に向けさせる効果と、相手モンスターとの戦闘を無効にしてそのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える効果を持つ。
見落としそうになるが、(2)の効果は自分から攻撃した場合でも使える。
使い方次第で爆発的なダメージを与えたり、相手に攻撃を強制させて罠にはめたりといったこともできるものの、戦闘を介す効果なので戦闘前に破壊されては無力。
また攻撃表示モンスターにしか適用できないので守備表示のまま攻撃する超重武者は天敵。

イラストは天使の羽を模したスカートのようなものを纏う少女といった感じで、DM3では肌の色が人間と同じ色だったのがDM4とOCG版で青白い色に変更されたくらいで大きな変更はない。
DM4以降のもののほうが神秘的な雰囲気をしていてより天使らしくなっている
(ちなみに、DM3では水族/雷魔族という外見と全く関係ない設定だった)。


コーンフィールド コアトル
効果モンスター
星4/風属性/幻想魔族/攻 500/守1700
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
「コーンフィールド コアトル」以外の「合成獣融合」のカード名が記されたモンスター1体をデッキから手札に加える。
(2):このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。
(3):自分フィールドに「有翼幻獣キマイラ」が存在し、自分フィールドのカードを対象とする効果を相手が発動した時、フィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。
その効果を無効にし破壊する。
「DUELIST NEXUS」に収録されたモンスター。DM4には登場していなかったにもかかわらずまさかの23年越しのOCG化。だから覚えてた人が(ry
DM3でのパーツナンバーは2。
やたらと長い爪を持つ翼竜の上半身と、蛇の下半身を持った姿をしている。コアトル(蛇)はともかく、どの辺がコーンフィールド(トウモロコシ畑)なのか
原作ゲームではスペースはないが、OCGでは下記の「ミラー ソードナイト」共々上半身と下半身の間にスペースが入っている。

同パックで新たに登場した26番目の種族「幻想魔族のモンスターとしてデザインされた。
効果はこのパックでテコ入れがされた「有翼幻獣キマイラ」のサポートである。
主な運用法は「有翼幻獣キマイラ」の項目を参照。

ミラー ソードナイト
効果モンスター
星4/光属性/幻想魔族/攻1900/守 300
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手ターンに、このカードをリリースして発動できる。
「ミラー ソードナイト」以外の「合成獣融合」のカード名が記されたモンスター1体をデッキから特殊召喚する。
(2):このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。
(3):自分フィールドに「有翼幻獣キマイラ」が存在し、相手フィールドのモンスターが効果を発動した時、フィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。
その効果を無効にする。
こちらも「コーンフィールド コアトル」と同じく「DUELIST NEXUS」に収録。
DM4に登場していなかった点、幻想魔族及び有翼幻獣キマイラのサポートカードとなった点もあちらと同じ。
DM3でのパーツナンバーは130で、イラストは下半身がなく浮遊している鎧の姿となっている。DM3のときは脚立のようなもので支えられてたような・・・・・・。

運用法はこちらも「有翼幻獣キマイラ」の項目を参照。





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最終更新:2024年12月19日 01:11

*1 GB版DMシリーズの独自システムで、所謂「相性関係」に関わる要素。相性の優劣によりステータスの値を無視して戦闘での勝ち負けが決定される。例えば白魔族の「青眼の白龍」は攻撃力3000で黒魔族の「クリボー」は攻撃力300と、攻撃力では圧倒的に「青眼の白龍」が上回っているが、召喚魔族では白魔族は黒魔族に弱いため、この2体で戦闘を行うと「青眼の白龍」が必ず負けてしまう。

*2 こちらもDMシリーズ独自システムで、カード毎に設定されたコストの合計値がプレイヤーの「デッキキャパシティ」と呼ばれる限界値以下になるようにデッキを組まなければならない。

*3 通常のレベル4以下のモンスターのコストは「(攻撃力+守備力)/100」という計算式(一部例外あり)で決定されており、普通であれば攻撃力・守備力共に1000のモンスターでもコスト20に到達してしまう。OCGでもかつて活躍した「ヂェミナイ・エルフ」のような尖ったステータスのモンスターでもコストは28である。

*4 上半身・下半身共に28の「モノアイアシュラ」はレベル4で攻撃力2000など、正しい組み合わせで強いモンスターもいないことはないが。

*5 ちなみに該当のモンスターは上半身30、下半身62で生み出される「サムライバイパー」で、攻撃力2000・守備力300

*6 融合で生み出せるモンスターの最高値自体は攻撃力3500の「メテオ・ブラック・ドラゴン」だが、これは「メテオ・ドラゴン」+「真紅眼の黒竜」という唯一無二の組み合わせでしか作れない。

*7 OCGでは通常モンスターだが、DM3以降のDMシリーズではライフ1000ポイントを払うことで自分フィールド上の全てのモンスターの攻撃力・守備力を500ポイントアップさせる効果を持つ。

*8 なお、「地雷蜘蛛」「ビッグ・シールド・ガードナー」はOCGではデメリット効果を持つが、このゲームでは効果を持たない。

*9 制作スタッフもそれを前提にバランス調整しているようで、キャンペーンで戦う敵デュエリストは終盤になると、本来制限カードで1枚ずつしか投入できないはずの「サンダー・ボルト」や「光の護封剣」等を平気で3枚積みしてくる。