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サイキック族(遊戯王OCG)

登録日:2009/10/26 Mon 12:06:15
更新日:2024/12/21 Sat 22:04:30NEW!
所要時間:約 11 分で読めます





見るがいい、これがサイコデュエルの力だ!


サイキック族とは、『遊戯王OCG』におけるモンスターの種族の1つ。


概要

第6期第1弾「THE DUELIST GENESIS」にて初期20種族から新たに加わった、21番目*1の種族にしてOCG最初の追加種族である。

「超能力」を意味するサイキックの名の通り、異能者や超能力者をモチーフにした種族。
その特性から一見すると機械族めいたメカニカルなモンスターや、逆に戦士族や魔法使い族のような人間と変わらぬ風貌の者が多い。
その一方で、天使族サイバース族共々「なんかよくわからないからとりあえずここに入れとけ」という感じで割り当てられている雰囲気のあるモンスターも存在する。
わかりやすい例は抽象的な風貌をした紋章獣エクシーズやミュートリア等。
いかにもな超能力(者)とは別に、魔法とは別の不思議な力を使いそうな「ヘンテコな奴ら」も集う枠組みという点はエスパータイプにも通じるものがある。
全く別のコンテンツでも「超能力者枠」は「名状し難い異形枠」も兼ねるようになるという所に収斂して行くのも中々興味深いと言えるのではないだろうか。


特色(と、変遷)

登場当初は種族としての纏まりが強く、5D's期に登場したサイキック族は「ライフを払って強力な効果を使い、失った分はSモンスターの効果で補充する」という趣旨のものが大半を占める。
プレイヤーのライフを失うだけあって、下級モンスターを中心に効果は総じて優秀でサポートカードも豊富。
S召喚と同時期の登場だったという事、上記の通り戦術にSモンスターが深く関わっている事からS召喚も得意。
「除外」を中心に、相手の対策しづらい攻めを繰り出せるモンスターも少なくない。
また、サイキック族に関係する魔法・罠のイラストにはサイキック族モンスターが描かれている例が非常に多い。
カテゴリ専用サポートは別として、汎用カードでも「イラスト内にモンスターが描かれているカード」自体は多いが、種族サポートカードの殆どが、というのは異例である。

総じて、当初は種族というより「サイキック族」という一つのテーマ・カテゴリに近い集団だった。

第7期第4弾「EXTREME VICTORY」から登場した《沈黙のサイコウィザード》などは、これまで以上に除外をテーマにしたサイキック族モンスター群であり、【除外サイキック】、【次元サイキック】または【νサイキック】として今までと違ったアプローチのデッキが組めるようになった。

場を制圧し相手の盤面を崩す力に長ける反面、サーチや特殊召喚といった「呼び出す」効果を持ったカードは少ないため、実は展開力は悪い部類に入る。
またテーマデッキも含め、自軍モンスターの効果でライフを失いまくり回復が追い付かない、自爆特攻を繰り返して余波を喰らう、頻繁に自分フィールドが空になり攻撃の隙ができる、等の理由で何かしら自分自身を追い込む特徴があり、ちょっとのミスが敗北につながりやすい。
扱いの難しい上級者向けの種族だったと言えるかもしれない。


初期の頃やνサイキック系統モンスターは、共通モチーフの「緑色」と「近未来的」という要素以外は割と自由な所もあり、デザインだけを見ると……
  • 悪魔族以外の何物でもなさそうな《メンタルスフィア・デーモン》や《サイコ・デビル》
  • 魔法使い族みたいな見た目の《マジカル・アンドロイド》や《クレボンス》
  • どう見ても機械族な《サイコ・コマンダー》や《メンタルマスター》に《メンタルプロテクター》
  • なんとなく水族っぽい《ライフ・コーディネイター》や《サイコ・ウォールド》
  • 獣族獣戦士族に見えないこともない《パンダボーグ》や《ジェネティック・ウーマン》
  • 戦士族と言っても問題はなさそうな《ハイパーサイコガンナー》や《強化人類サイコ》に《テレキアタッカー》
……と、様々な種族っぽいモンスターが存在した。
より厳密に絞ると、「超能力を使えるように造られたロボットサイボーグ」や「人工的に生み出されたり改造を受けたミュータント」が主で、それらをひっくるめて「サイキック族」という括りになっていたのだろう。

しかし、DT10弾にて登場した新テーマ・ガスタを皮切りに、これまでとは異なる方向性のデザインのサイキック族も現れ始める。
ガスタの人型モンスターは多くが「シャーマン・巫女」であり、これを切っ掛けに『魔法とは少し違う独自の異能を使う人間』もここに含まれるようになってきた。

「近未来的、メカニカル、サイバーパンク」といった当初の方向性を受け継いだものとしては「PSYフレーム」・「Kozmo」・「電脳堺」・「ジャックナイツ」等が、
「超自然的・神秘的異能を身に付けた人間」タイプは「霊獣使い」や《幽鬼うさぎ》等が該当。
また、「メカニカル」と「異能」の両要素を組み合わせ、「メタルフォーゼ」や「クロノダイバー」の様に戦闘用の装備に身を包む人間タイプも着々と増えている。
星杯ならアウラム、御巫ならフゥリ、リブロマンサーならGボーイという感じで、人間タイプのモンスターを表現する際に戦士族・魔法使い族と並んでサイキック族が選ばれる事も多くなった。

ZEXAL期以降は「メインデッキのカードがライフを払い、シンクロで回復する」という当初の性質を受け継がないサイキック族の方が主流になりつつあり、むしろこの時期からこそ本当の意味で「種族」らしくなって来たと言えよう。


代表的なサイキック族関連カード

個別項目のあるものは下線付きで表記。これ以外は タグ:サイキック族 も参照。

メインデッキのサイキック族モンスター

  • 《星杯に選ばれし者》(☆3)
  • 《機界騎士アヴラム》(☆4)
10期の続き物ストーリーである、星遺物関連のモンスターにして主人公のアウラム君。
幼馴染のイヴとニンギルスと共に、星遺物を求める旅に出る。
彼の激動過ぎる苦難まみれの人生を説明するには竜の少年世壊を巡る旅人と端末世界の歴史並みに話が長くなるが、一言で言えば「世界を救った、けれども世界しか救えなかった英雄」。
遊戯王名物のどこかビターな結末の物語を代表するモンスターとなっている。
《機界騎士アヴラム》は《ジェネティック・ワーウルフ》や《アレキサンドライドラゴン》と同じ攻撃力2000のレベル4バニラ。その特性上、魔鍵等と相性が良い。
ストーリー上では後にアウラムが星杯の加護を受けた事でLモンスターの《星杯剣士アウラム》へと変身。種族もサイバース族へと変化する。

  • 《PSYフレーム・ドライバー》(☆6)
レベル6・2500打点のバニラモンスター。電撃を自在に操る超能力者で、警察組織に襲撃を繰り返している謎多きアウトロー。
このモンスター自体はただのバニラでしかないが、その真価は「PSYフレームギア」という彼のサポートメカ達にある。これらはどれも強力な妨害効果を持つ手札誘発カードで、非常に汎用性が高い。
しかし、PSYフレームギアは効果発動の条件として「デッキ・手札・墓地の《PSYフレーム・ドライバー》を一緒に特殊召喚する」という縛りがあるので、一緒に最低限枚数のこいつが出張しがちなのである。
加えて、効果使用後のエンドフェイズに特殊召喚されたこのモンスターは除外される。どういう事かというといきなり現れていきなり消えるという事。
テーマデッキではなく汎用札としてPSYフレームギアが使われると、「効果を無効にされた挙句突如謎の緑のハゲが現れ、その直後に消滅する」という心霊現象が起こる事となる。
後述するように、テーマとして使う際にはちゃんと理由のある動きなのだが……。

ちなみに、このモンスターのフレーバーで語られていた詳細不明の警察組織「セキュリティ・フォース」は登場から5年後にどのような組織なのかが判明した。

  • 《メンタルプロテクター》(☆3)
レベル3としてはかなり高い守備力2200に加え、お互いのサイキック族を除く攻撃力2000以下のモンスターの攻撃を封印する効果を持つ。
しかし毎ターン500LPの維持コストがかかるデメリットを併せ持つ上、現在では除去手段も攻撃力2000オーバーのモンスターを出す手立ても豊富に存在するので、拘束力は決して高いとは言えない。
とは言え、攻撃力0かつライフコストも強制である(「LPを払わずに破壊」は選べない)ので、相手への送りつけ要員として採用してみるのもまた一興か。
ちなみに、強力な種族サポートカードである《緊急テレポート》のイラストに描かれているモンスターはこれ。

  • 《強化人類サイコ》(☆4)
その名の通りガチガチに武装したサイボーグ。
1ターンに2度まで自分の墓地のサイキック族モンスターを除外して自身の攻撃力を500上げることができる。
サイキック族には珍しいライフコストを使わない効果。攻撃力1500のこのモンスターがいきなり攻撃力2500になるのは驚異である。

  • 《マックス・テレポーター》(☆6)
海外からやってきたイケメン。どことなくディヴァインに似ている気がするが…?
上級モンスターで特殊召喚できないもののフィールドにいる間一度だけ2000ライフを払うことで、レベル3サイキック族2体をデッキから特殊召喚できる。

  • 《サイキック・リフレクター》(チューナー・☆1)
バスター・モード》のサポートとして登場したレベル1チューナー。
これ1枚で《ハイパーサイコガンナー》も《ハイパーサイコガンナー/バスター》も一発で出せるが、そんなチャチなカードではない。ん? 今ガンナーの悪口言った?
要は「《バスター・ビースト》と《バスター・モード》さえ入れておけば、これ1枚出すだけでリンク2かレベル6~9のシンクロをポンと出せる」というカードであり、自身のレベルも1なので《緊急テレポート》にも《ワン・フォー・ワン》にも対応し、チューナーを含むのであの《水晶機巧-ハリファイバー》も出せる。
無意味なカード(《バスター・モード》)に割くスロットと引き換えにどこでもシンクロかリンク目当てで出張できる汎用カードとして、《水晶機巧-ハリファイバー》が投獄されるまでは一定以上の注目を浴びた。

  • 《クレボンス》(チューナー・☆2)
魔法使いのような姿のチューナーモンスター。
800LPをコストに相手の攻撃を無効にする効果を持つ。
マシュマロン》と違ってライフコストが必要だが、貫通ダメージも無効にできるのが利点。闇属性なのでサポートも豊富。
≧トェェイ≦;

  • 《サイコ・コマンダー》(チューナー・☆3)
下半身が戦車になったサイボーグ指揮官。
サイキック族が戦闘を行うとライフを最大500まで払い相手モンスターの攻守を払ったライフ分下げる効果を持つ。
アドを取るわけではないが単体でも実質攻撃力1900で運用できるいぶし銀で、歴戦のサイコデュエリストなら一度はこいつで泥仕合を演じたこともあるだろう。
他のモンスターの戦闘もサポートできるので展開しても突破しづらい3000ラインなどの突破で役立つことも。
地属性なので《ナチュル・ビースト》や融合してガイアになれる。
実は「アニメで初めてダイレクトアタックで相手のライフをゼロにしたチューナー」でもある。

魔境と名高い第9期前半に登場した強力な手札誘発カードにして、以降続々と現れる事になる「妖怪少女」シリーズの嚆矢。
他の妖怪少女モンスターは何れもアンデット族だがこれに限りサイキック族となっている。
場で発動したモンスター・魔法・罠の効果に反応し、そのカードを破壊する能力を持つ。

単純に便利な効果と汎用性、そして何よりそのキュートなイラストから人気が高く、シングル価格は高騰した。
現在は女の子で確定しているが、その中性的な容姿と英語名は「Ghost Ogre &(後略)」と男性系である*2事から、一時期は男の娘疑惑があった。

  • 《召喚師ライズベルト》(☆3・Pスケール2)
レベル操作能力を持つごくごく普通のペンデュラムモンスター。優しそうな青年で、妹に《召喚師セームベル》がいる。
が、《トランスファミリア》と《ヒュプノシスター》に目をつけられたのが運の尽き。彼女らに洗脳されてセームベルと引き離される。
それからは《調星師ライズベルト》(装飾が黒くなり如何にも悪っぽい見た目)(※カードとしてはこの姿が最初)
→《覚星師ライズベルト》(角が生えより邪悪な雰囲気に)
→《悪醒師ナイトメルト》(最早人の形を成してない異形の怪物へ変貌)、とひたすら闇落ちし続けている。
なお、ヒュプノシスターは《醒めない悪夢》にて大泣きしながら元に戻そうとしているので、ライズベルトを自分のものにしたかったが化け物にしてしまうつもりは無かったようだ。だけどみんな救われねぇ。

その悪名は種族の枠を遥かに超越して轟いているため死ぬほどかいつまんで書くと「次世代型《ダイナレスラー・パンクラトプス」。
俗に言うフォトスラ効果で特殊召喚を行うことが可能ステータスもそこそこ高く同名を含むクシャトリラをサーチでき自身の攻撃時か相手の効果発動時に除去ができるという、つよいことがたくさん書いてあるカード
除去札が欲しいとき、デッキの残り枠に困ったとき、サイドデッキに忍ばせるメタカードが欲しいとき、色々と小回りがきく。ってか効きすぎて制限方面で《ダイナレスラー・パンクラトプス》の二の舞になったし、ついには禁止カードになった。
こんな強力なカードが字レアという点も恐ろしいポイント。ノーレアでもなくウルトラでもなく字レアなのだ。

剥き出しの脳みそを搭載したまるっこいメカ。
800LPをコストに自分フィールド上のサイキック族モンスターをリリースしデッキからサイキック族モンスターを召喚することができる。
以前は自身をリリースできたが、裁定変更により自身をリリースする事ができなくなった。
1キルへの布石になるため当然のように禁止カード入りに。残念。回数制限エラッタ1つで復帰できそうなものだが一向に音沙汰はない

エクストラデッキのサイキック族モンスター

  • 《アルティメットサイキッカー》(融合・☆9)
「サイキック族Sモンスター+サイキック族モンスター」を融合素材に指定する融合モンスター。
ゴヨウされない攻撃力2900とガンナーの貫通効果と《メンタルスフィア・デーモン》の回復効果を持つ。
さらにカードの効果で破壊されないという豪華仕様。しかしバウンスや除外には無力。
墓地融合用のカードが存在しているため、シンクロ連鎖を狙う傾向の強い当時のサイキック族デッキでは展開の流れで簡単に出せる。
2900という絶妙に殴られ負ける攻撃力のせいもあって微妙に頼りにならない強さだが、特殊召喚制限はないためνサイキックで使い回すと鬱陶しさ抜群。

見た目が「より禍々しい姿に進化した《メンタルスフィア・デーモン》」という点や、シンクロを素材に要求する所から、文字通りおじさんの新たなエースカードとしてデザインされたものと思わしい。
事実、『デュエルターミナル』ではおじさんがデッキに入れている上に、専用のボイスまで存在している。

名前からすると魔法使い族か機械族かという感じのモンスター。
自分のターンのエンドフェイズ時自分フィールド上のサイキック族の数だけ600LP回復する効果。
単体では使われたらウザい程度の効果だが、縛りがなくレベル5で攻撃力2400なので、《TG ハイパー・ライブラリアン》が登場するまでは《A・O・J カタストル》の次点くらいの扱いの汎用として使われていた。
サイキック族の組み合わせでもレベル5を出す機会が多いため、起点として出して墓地に落として再利用するため役立てられた。

  • 超念導体(サイコンダクター)ビヒーマス》(シンクロ・☆6)
エクシーズ全盛期である8期の終わり頃、人材不足に悩んでいた汎用レベル6枠に殴り込みを仕掛けてきたワンコ。
簡単に言うとでかい《異次元の女戦士。そこそこ高めの打点を活かして殴り倒せる相手は普通に倒し、倒せなかったり墓地に行かれると厄介なら諸共に除外と漢らしいデザイン。

ちょうど大暴れしていたシャドールを次元の狭間に吹き飛ばしたり、連続S召喚の中継点として使われてたりと、割りと活躍していた。
当時の汎用レベル6シンクロといえば、
くらいしか居なかった中、手に入りやすい字レアで登場したのも大きかったかもしれない。

  • 《サイコ・ヘルストランサー》(シンクロ・☆7)
1ターンに1度、自分の墓地のサイキック族を1体除外して1200LP回復する事ができる。
気休め同然の効果だが、当時は使い切りの効果で踏み台に適したSモンスターは限られており、サイキックデッキでは活躍していた。
名前と女性モンスターである事から通称ヘルス嬢
イラストは無表情なサイボーグ娘だが、《最古式念動》・《才呼粉身》など、魔法・罠カードの絵で登場すると大抵凄い顔をしている。

  • 《PSYフレームロード・Ω(オメガ)》(シンクロ・☆8)
お互いのターンに自身と相手の手札1枚(ランダム)を一定期間除外する効果、相手スタンバイフェイズに除外されているカード1枚を墓地へ戻す効果、墓地の自身と他のカード1枚をデッキに戻す効果を持つSモンスター。
いずれもこのカード単体だけでは完結しない効果だが、S素材に縛りが無い事、そして何より同名の発動制限が無かったせいで1ターン中に複数体並べてハンデス効果を連発するなど案の定悪用されてしまい、制限カード入りに。

  • 《メンタルスフィア・デーモン》(シンクロ・☆8)
おじさんの最強カード。
戦闘破壊したモンスターの攻撃力分ライフを回復する効果、更に限定的だが魔法・罠耐性もある汎用かつ器用なカードだが、悪く言えば全てにおいて半端。
どんどん層が厚くなる汎用レベル8シンクロに彼の椅子が与えられていた時期は短かった。
「あっゴヨウしますね^^」なんて悪夢も多かった……

ちなみにメンタルスフィアを召喚する時
「次のターン、私の最強カード、《メンタルスフィア・デーモン》で…」
なんて思ってはいけない

  • 《ハイパーサイコガンナー》(シンクロ・☆9)
非チューナーにサイキック族のS素材縛りを持つ、希少なレベル9Sモンスター。二丁拳銃スタイルのサイバー戦士。
サイコガン」だけにゴヨウされない3000の攻撃力に貫通+その分回復。つまり相手が守りに入っているときに強い。
氷結界の龍 トリシューラ》と比べると悲しくなるが、非チューナー1体で出せることや、νサイキックで使い回せるといった利点はある。
なぜか/バスターもある。
WCS2009のバグによって禁止カードにされた。ゲーム内ではあるが、あの《ダーク・ダイブ・ボンバー》よりも先に禁止カードになったSモンスターである。
ヒューッ!

第11期に登場した異例のレベル11超大型Sモンスター。どことなく《サイコ・デビル》が成長したような見た目をしている。
最初期のサイキック族のように「ライフ」を元とした効果を多数持っており、ライフコストを使った除外効果は強力。
他にも相手よりライフが低ければ効果を受けない高い耐性、そしてライフ差の分だけ攻撃力を挙げる豪快な効果を持っており、まさしく切り札に相応しいモンスターといえる。
イラストも迸る緑の光を纏っており、そういう意味でもサイキック族の原点の正統後継者と言える。


魔法・罠カード

デッキまたは手札からレベル3以下のサイキック族を特殊召喚する速攻魔法。
種族サポとしてはかなりのパワーカードであり、サイキック族が入るデッキならとりあえず採用しておいて損は無いと言えるほど。
サイキック族デッキの隆盛とは一切関係なく出張の程度によって規制されることにも定評があり、【サイキック族】のアイデンティティとも言える1枚。

  • 《最古式念導》(通常魔法)
フィールド上にサイキック族が存在するとき、フィールド上のカード1枚を破壊し自分は1000LPダメージを受ける通常魔法。
登場当時としてはなかなかの優良除去だったため、外国ではウルトラレアに格上げされていた。

  • 《念導増幅装置》(装備魔法)
サイキック族のライフコストを無効にできる装備魔法。
《クレボンス》に装備したら戦闘破壊されない壁に、《ディストラクター》に装備すれば擬似的なハーピィの羽根帚になる。
…が、専ら《リプロドクス》でサイキック族になった《デビル・フランケン》に装備して融合モンスターを大量展開するなど必殺コンボの種として使われ、素直に使われることはまずない。

  • 《脳開発研究所》(フィールド魔法)
サイキック族効果のライフコストを「サイコカウンター」で肩代わりするフィールド魔法。さらに1ターンに1度サイコカウンターを乗せサイキック族の召喚を行える。
しかしこのカードがフィールドを離れた時、持ち主は乗っていたサイコカウンター×1000ダメージを受けるという形で代償を支払わされる。
ただしあくまでダメージなので、《レインボー・ライフ》など効果ダメージを防ぐ類の効果を構えておくことでカバー可能。
《念動増幅装置》と同じく悪用は可能だが、処理の違い*3や割られてしまった場合のリスク等から優先順位は下がる。

  • 《念動収集機》(速攻魔法)
自分の墓地のレベル2以下のサイキック族を何体でも蘇生できる速攻魔法。ただし蘇生した合計レベル×300のダメージを受ける。
黎明期のカードながら、蘇生範囲がかなり狭いことに目を瞑れば一気に5体蘇生すらできるというパワーカード。
しかし警戒されているのか、はたまた良くも悪くも《緊急テレポート》のことしか考えられていないのか、後発の有力な下級サイキック族はレベル3に集中しており、いまいち使い道が広がらない。
当時としてもレベル2はチューナーが充実していた反面、非チューナーがあまりに手薄で、単体でシンクロしにくく微妙に使いにくかった。

  • 《サイコ・チャージ》(通常罠)
自分の墓地のサイキック族を3体デッキに戻し、カードを2枚ドローする罠カード。
よくある貪壺互換。罠だったり純正のサイキックデッキが少ないことからいまいち使いづらさが残るが、海外ではウルトラレアである。

  • 《サイコ・ヒーリング》(通常罠)
自分フィールド上のサイキック族の数×1000LP回復する罠カード。
ディアン・ケトなんて目じゃないぜ!

  • 《ブレインハザード》(永続罠)
除外されている自分のサイキック族限定の《リビングデッドの呼び声》といったカード。
特にコストなどはなく、除外を多用しがちなサイキック族ではあって困るものではない。
上記の《超念導体ビヒーマス》なら除外させた後で更にこのカードで即座に帰還させ、2連除外攻撃もしくは2回まで相手を道連れにする壁にする、という戦術にもつながる。

イラストは「ハザード」という物騒な単語に違わず、脳開発研究所で暴走事故でも起きたのか中央の試験管の中の脳には大きな一つ目が生じ研究員達は慌てふためいているという様子が描かれ、背景色も珍しくサイキック族のカードに多用される緑とは丁度真逆の色である真っ赤になっている。


その他、相性の良いカード

  • 《シンクロ・フュージョニスト》(☆2)
S素材に使うとデッキから「融合」または「フュージョン」魔法カードをサーチ。

ライフ回復と特殊召喚に優れるサイキック族ならとんでもない攻撃力の神を生み出す事が出来る。
そこ、パーシアスでおkとか言わない

Sモンスターを含む融合にのみ使える《ミラクル・フュージョン》で、その上セット状態で破壊されたらドロー出来るオマケ付き。
《アルティメットサイキッカー》を出すために使える。


サイキック族テーマ

俗に言う「端末世界」テーマの1つ。S召喚主体の鳥獣族混成テーマ。
ミストバレー湿地帯に住む鳥使いの一族で、美少女が多いのが特徴。
近未来的・機械的デザインの多いサイキック族に吹き込んだ新たな風であり、ここからSFとは少し違う系統のサイキック族も登場し始める。
墓地へ送られても後続をリクルートする効果を持つモンスターを多く擁し、デッキ破壊や持久戦には滅法強い。

ヴィサス=スタフロスト》に関連するテーマの一つ。上述の《クシャトリラ・フェンリル》もここに所属。
魔獣の「世壊」ライフォビア人魚の「世壊」ペルレイノに襲撃を仕掛けてきた、赤いパワードスーツ姿の侵略者。侵略した世界を奇妙な装置で自分たちの前線基地に作り変えている。
レベル7のモンスターとランク7のエクシーズで構成されており、裏側除外とモンスターゾーン使用禁止でガチガチに敵を絞め上げていくコンセプト。
リソースを枯らしつつ展開も止めるという鬼畜な戦術で粘り勝つデッキとなっている。

混成がちなサイキック族テーマの中ではサイキック率が高い部類だが、種族カードプールとのシナジーが薄く単純なパワーで環境を揺るがしたためサイキック族テーマとしての印象は薄い。
ただし当時は重すぎるゴミ扱いだった《サイキック・インパルス》が脚光を浴びる機会を生み出したりもしている。

ワールドプレミア初出の機械族混成テーマ。元々の名前は「Time Thief(時間泥棒)」と地味に別物。
時空を股にかけて暗躍する怪盗団で、リューズ・リダン・未来のパーペチュア・現代のパーペチュアの4人が様々な便利ツールを用いて戦う。
エースモンスターの《クロノダイバー・リダン》をメインとし、相手ターンに除外ゾーンへ逃げたりデッキトップを奪ったりと、まさに怪盗の様なテクニカルな戦術を行うテーマ。
「効果使用後X素材になる魔法・罠」・「場のXモンスターから素材を抜くことで何かしらのアクションを起こすカード」等のX素材に関連する効果が多く、リダンやダブルバレルに素材を供給し続けて効果を強化したり、逆に溜め込んだ素材から新たな展開を行う事を得意とする。

《RRフォース・ストリクス》を始めとするRRとの噛み合わせもよく、混合で構築されることも。

クロノダイバーと同じく、ワールドプレミア初出の機械族混成テーマ。
下級のサイキック族を除外し手札から上級機械族を出す制圧戦術を得意とする。
が、このデッキの特徴はそれだけではなく、コンマイの悪ノリによる某有名映画のギリギリパロディが炸裂するおもしろテーマでもある。そのせいか一向に新規が貰えないのもご愛嬌。

先述したバニラモンスターの《PSYフレーム・ドライバー》とそれを強化するPSYフレームギアというサポートメカ達を用い、除外とS召喚を駆使して戦うテーマ。
除外サイキックの挙動に加えて「手札誘発で相手を妨害しながら特殊召喚」というメタビートの要素を併せ持つ。
専用フィールド魔法の効果で相手ターンにシンクロしたり、共通効果で除外ゾーンから出たり消えたりを繰り返す為、《PSYフレーム・ドライバー》が神出鬼没の犯罪者であるという設定をテーマの動きそのものにも組み込めている。
テーマ内エースの《PSYフレームロード・Ω》とチューナーである《PSYフレームギア・γ》はそれぞれ優れた妨害効果を持ち、汎用カードとして出張で活躍した実績もあるので揃って制限カードとなっている。前者は強力すぎたので致し方ない部分もあるが、後者はある意味とばっちり。
「緑色主体のメカや超能力者」というデザインは初期のサイキック族を意識しており、それらと合わせても全然違和感がない。

「星遺物」関連テーマの1つ。遠い未来にて世界を支配している7体のアンドロイド騎士。多種族混成だがメインデッキのものは基本サイキック族。
同じ列にカードが並んでいると展開でき、同じ列のカードを除去したり封殺したりする、10期開始と共に厳密化された「カードの位置」をフィーチャーしたテーマの代表的存在。
召喚権とカード消費を抑えながらそこそこ大型のモンスターを場に揃えられる《紫宵の機界騎士》と《蒼穹の機界騎士》の出張性能が高く、色々なデッキで彼らを見かけた時期もあった。
星遺物を全身に纏ったアウラム君の最終形態や、ロボットになって蘇ったギルス兄さんも一応このテーマ。前者はサイバースで後者は機械だけど。

幻竜族混成のテーマ。データの流れを調整する使命を持つ、電脳世界の道士やヴァーチャル神獣達。
サイキック族ではよくあるメカニカルなデザインに中華風のモチーフを取り入れた、オリエンタルなキャラクターデザインが特徴。
「3の倍数のレベルやランク」で構成され、除外関連効果や墓地に送られた際に何らかの効果を発動する効果が多い。
一度回れば満足DDもかくやな凄まじい展開を見せ、あっという間に場を制圧し尽くせるポテンシャルを持つ。

前述した概要にもあるが、「LPを削ったり増やす」のではなく「一時的に除外したり除外ゾーンから帰還させる」といった展開方法を主軸としたモンスター群。
デッキ名の由来は『マスターガイド3』で取り上げられた同種のサンプルレシピから。
初期のサイキック族よりも人間的なデザインが多いのも特徴。【次元サイキック】とも呼ばれる。

日本伝統芸能とサイバーパンクをミックスしたテーマ。能楽、雅楽、人形浄瑠璃、浮世絵をアメコミチックにアレンジしたド派手なデザインが特徴。
多種族混成だが下級モンスターは全てレベル3かつチューナーのサイキック族で、LPを削って効果発動する旧来のサイキック族らしさもあり、それをサポートするカードもあるなどサイキック族テーマ感は強め。
メインデッキ内のモンスターがそれぞれ特定種類のカードをサーチする効果を持つのもポイント。

レベル3が多いため上記の電脳堺や幻影騎士団とつるんでいることも。
特に《No-P.U.N.K.セアミン》からの初動ギミックは汎用性が高く、様々なデッキへシンクロを取り込むために出張している姿も多く見られる。

融合と除外を主体とするワールドプレミア出身テーマ。
実験サンプルの異形の化け物達が暴走し、様々な存在を侵食し手のつけられない怪物へと進化していく…というSFホラーをモチーフとしている。
下級モンスターを上級の強力なモンスターに「変異」させ、そこから耐性や妨害持ちの融合モンスターへ「進化」させていく、デザインに沿った回し方を行う。
上級モンスターは特定(または複数)の種類のカードに対するメタ効果を持ち、それらによるカウンターで相手の動きをメタっていくのが強み。

「Pの一族」とも呼ばれる、竜剣士に関連するテーマ。バイクや車両等に乗って戦う戦士達をモチーフとする。
ペンデュラム召喚と融合召喚を主体としたビートダウンデッキで、ペンデュラムギミックを使うなら余程ひねくれたテーマじゃない限り何でも合わせられると言われるほどに挙動が素直かつ汎用性が高いのが特徴。
誰が呼んだか「白ごはんの様なテーマ」。特に《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》は一時期低迷していたペンデュラム主体テーマを再び環境に押し上げる程のパワーを持っていた。

ガスタと同じく「端末世界」テーマ。ガスタ出身のとある人物が戦乱後に作り直したガスタの後継団体で、ガスタと同じく美少女揃いなのが特徴。
融合を使わずに除外によって融合召喚を行い、自力で融合解除して除外から帰還するという除外サイキックに似た挙動を行う。


アニメにおいて

新規種族だが、超能力デュエリストの十六夜アキは植物族使いなどあまりフィーチャーされず、
おじさん(ディヴァイン)が使用していたのだが…

おじさんが喰われたためサイキック族の生産も止まってしまった。
登場時期が遅ければエスパー絽馬の使った人造生命体機械はこの種族になっていただろう。
フォートレスを恐れることもなかったろうに。

一応、トロンの使用する紋章獣が「Xモンスターのみ」サイキック族だった。
重要キャラではあるが退場も早く、出番なしではないにしても……

特にない。

……と、アニメの世界では終始なんともパッとせず。
アニメの主役として登場してどんどん育っていったサイバース族を見ていると、やはりおじさんに販促が託されたのが運の尽きだった感は否めない。

ラッシュデュエル世界では遊戯王SEVENSのヒロインである霧島ロミンの使用種族という華々しい扱いを受けているため、そっちで供養されたと思うべきであろうか。



シンクロ召喚台詞

「心の深淵に燃え上がる我が憎しみの炎よ、黒き怒濤となりてこの世界を蹂躙せよ!シンクロ召喚!現れろ、《マジカル・アンドロイド》!」

「逆巻け、我が復讐の黒炎!シンクロ召喚!来い、《メンタルスフィア・デーモン》!」

こうして見ると全然サイキック感ねえな



追記・修正は《脳開発研究所》のカウンターを8つ貯めてからお願いします。

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最終更新:2024年12月21日 22:04

*1 ゲーム作品も込みで考えるなら、『旧神族』というゲームオリジナル種族がサイキック族よりも先に21番目の種族として登場している

*2 女性形は「Ogress」。但し、どう見ても女性なのに「ソーサレス」ではなく「ソーサラー」、「エンチャントレス」ではなく「エンチャンター」という事は昔からあったため、何も幽鬼うさぎに限った話ではない。

*3 こちらは「現在のライフより多いコスト」の支払いに使えない。そのため、ライフをちょっと削られたのでデビフラが使えないといった事態が起こり得る。