今回は、今後普及するとみられる伝導液冷を解説する。強制空冷に対し、電力コストやインフラ整備の点で優位性がある。 データセンターの冷却に必要な電力コストは約6割に低下 サーバやデータセンターなどの放熱技術に注目が集まっている。演算処理を担うGPUとCPUの最大消費電力(熱設計電力(TDP))が増加しつつあることで、効率の高い放熱技術が強く求められるようになってきた。 そこで本コラムでは、サーバやデータセンターなどを支える最新の放熱技術を第468回から、シリーズで説明している。前々回は純水や冷却液などの液体を使ってラックマウントサーバを冷却する「液体冷却(液冷)システム」の概要を、前回は間接・伝導方式の液体冷却技術(伝導液冷技術)の構成を述べた。 今回は従来のラックマウントサーバおよびデータセンターの放熱に使われてきた強制空冷に対する、これから普及するとみられる伝導液冷の優位性をご説明する。