福岡市で今年度に入って、きょうだいが同じ保育園に入れないケースが急増している。国が今春に待機児童の解消を目玉とした「子ども・子育て支援新制度」をスタートしたのにあわせて、市が独自に入園先の調整方法を変えたことが想定外の事態を招いた格好だ。市内の認可保育施設利用者2万7000世帯のうち、きょうだいが別々の園に通うのは250世帯500人以上にのぼる。送り迎えで保護者の負担が増えた他、子どもの成育環境への弊害なども指摘され、関係者から見直しを求める声が出ている。 【グラフ】保育所などの定員数と待機児童の推移 「毎日二つの園を回って徒歩で往復2時間(約10キロ)。子どもは疲れて座り込み、こっちが泣きたかった」。今夏まで3人の子を別々の園に通わせた母親(27)は、送り迎えに追われた日々を振り返る。「三女(8カ月)を胸に抱き、長男(4)と次女(2)の手を引くと両手は使えない。子供の昼寝用の布団袋を首