社会民主党の支持率は下がる一方だ。選挙以降も世論調査が毎月続けられているが、過去100年間で最低だった選挙での投票率を下回り、現在27.7%という有様だ。一方、保守(穏健)党は37.5%へとさらなる躍進を遂げている。選挙後、社会民主党は党首の辞任発表があったり、敗戦分析が行われているため、ゴタゴタが続いている。だから、支持率が下がるのは仕方がないことだろう。肝心なのは、党の刷新をこれから行っていき、4年後の国政選挙までに支持率を回復していくことだ。時間はたっぷりある。いや、そう考えていると、意外と時間はあっという間に過ぎていくものかもしれない。
他の小さな政党も支持率を低下させている。例のスウェーデン民主党は4.3%に低下しているし、キリスト教民主党は4%ハードルを下回るようになってしまった。選挙以降、支持率を伸ばしているのは、保守党と環境党(9.1%)だけだ。
さて、前回は社会民主党の人気が低迷している理由の一つとして、右派・保守勢力の第一党である保守(穏健)党が中道路線を取るようになったため、社会民主党との距離が縮んだことを挙げた。
選挙を1~2週間ほど後に控えた9月上旬、テレビのあるコメディー番組も、ジョークをふんだんに交えながら社会民主党低迷の理由を探っていた。その番組によると、社会民主党が支持を失った理由は次のようなものだという。
● 「有権者は、ナチスの医者みたいな人物よりもポルノ男優みたいな人物が財務大臣にふさわしいと思っているから」
ナチスの医者とは、社会民主党の経済スポークスマンであり、左派連合が政権を獲った場合には財務大臣になることが期待されたトーマス・オストロースだ。一方、ポルノ男優とはポニーテールにピアスという格好で、最近ちょっと太めになりつつある現職のアンデシュ・ボリ財務大臣のことだ。
ナチスの医者 vs ポルノ男優
● 「社会民主党の支持者は最近になって、社会民主党のほかにも投票できる党があることに気づいたから」
ブルーカラーの労働運動に支えられてきた社会民主党。その支持者は選挙となれば社会民主党以外には目もくれなかった・・・。一党による長期政権の下で次第に洗脳されてしまったいた有権者が、実は他にも政党があって、投票してもいいのだということに今になって気づいた、というパロディーだ。
● 「社会民主党の支持者は、女性の上司が嫌いだから」
女性の上司とは、2007年に社会民主党史上初めての女性党首となったモナ・サリーンのことだ。中高年・ブルーカラーの支持者には男女平等に関して保守的な人も多いと見られ、実際のところ女性党首のもとでの選挙戦は厳しいものになるとこの党の幹部をはじめ多くの人が考えていた。
● 「社会民主党の支持者は常に勝ち組に属したいと願うから」
社会民主党の長期政権の下で、選挙に負けるという経験をあまり知らない社会民主党支持者。党の人気が落ち目にあり、選挙に勝つのが難しいと分かると、敵側に寝返ってしまった、というわけだ。
以上は、半ばジョークだが(女性党首に関する部分はある程度あたっていると思うが)、次回は社会民主党が選挙に先駆けて犯してしまった戦略的ミスについて触れたいと思う。
他の小さな政党も支持率を低下させている。例のスウェーデン民主党は4.3%に低下しているし、キリスト教民主党は4%ハードルを下回るようになってしまった。選挙以降、支持率を伸ばしているのは、保守党と環境党(9.1%)だけだ。
さて、前回は社会民主党の人気が低迷している理由の一つとして、右派・保守勢力の第一党である保守(穏健)党が中道路線を取るようになったため、社会民主党との距離が縮んだことを挙げた。
選挙を1~2週間ほど後に控えた9月上旬、テレビのあるコメディー番組も、ジョークをふんだんに交えながら社会民主党低迷の理由を探っていた。その番組によると、社会民主党が支持を失った理由は次のようなものだという。
● 「有権者は、ナチスの医者みたいな人物よりもポルノ男優みたいな人物が財務大臣にふさわしいと思っているから」
ナチスの医者とは、社会民主党の経済スポークスマンであり、左派連合が政権を獲った場合には財務大臣になることが期待されたトーマス・オストロースだ。一方、ポルノ男優とはポニーテールにピアスという格好で、最近ちょっと太めになりつつある現職のアンデシュ・ボリ財務大臣のことだ。
ナチスの医者 vs ポルノ男優
● 「社会民主党の支持者は最近になって、社会民主党のほかにも投票できる党があることに気づいたから」
ブルーカラーの労働運動に支えられてきた社会民主党。その支持者は選挙となれば社会民主党以外には目もくれなかった・・・。一党による長期政権の下で次第に洗脳されてしまったいた有権者が、実は他にも政党があって、投票してもいいのだということに今になって気づいた、というパロディーだ。
● 「社会民主党の支持者は、女性の上司が嫌いだから」
女性の上司とは、2007年に社会民主党史上初めての女性党首となったモナ・サリーンのことだ。中高年・ブルーカラーの支持者には男女平等に関して保守的な人も多いと見られ、実際のところ女性党首のもとでの選挙戦は厳しいものになるとこの党の幹部をはじめ多くの人が考えていた。
● 「社会民主党の支持者は常に勝ち組に属したいと願うから」
社会民主党の長期政権の下で、選挙に負けるという経験をあまり知らない社会民主党支持者。党の人気が落ち目にあり、選挙に勝つのが難しいと分かると、敵側に寝返ってしまった、というわけだ。
以上は、半ばジョークだが(女性党首に関する部分はある程度あたっていると思うが)、次回は社会民主党が選挙に先駆けて犯してしまった戦略的ミスについて触れたいと思う。