日々の生活で車に乗るのは必要だとしても、化石燃料の使用を少しでも抑えたい、ということで、燃費のよい車が開発され、ハイブリッド車が開発されてきた。それに加え、スウェーデンでは「エコ・ドライビング(EcoDriving)」という、燃料の消費を極力抑える運転の仕方が注目を集めるようになってきた。
教習課程の中にこのエコ・ドライビングを取り入れていることをキャッチフレーズにした自動車教習所が登場したり、企業に対して環境認証取得のための講習を行う際に、エコ・ドライビングについてしっかり情報提供をする機関なども増えてきている。また運送会社の中にも、主に燃料費の節約のために、自社のトラックの運転手にエコ・ドライビングの講習を受けさせる会社もある。(これももしかしたらガソリン税(二酸化炭素税)のせい?)
ただ、これまでは教育機関や企業の自主的な取り組みに過ぎなかった。
しかし、スウェーデン社会はそれだけに留まらず、さらに一歩踏み込んだ政策を行政が取ることとなった。
実は昨年(2007年)12月以降、運転免許証の新規取得の際に、このエコ・ドライビングの習得が義務づけられることになったのである。免許証を取るための実技試験では、これまでは
- (1) 自動車に関する技術的知識と操作
- (2) 道路交通規則に関する知識とその応用
- (3) 道路交通安全に関する知識とそのための行動の仕方
のそれぞれについて、一定水準を満たしていることが合格のための条件だったのだが、これからは
- (4) 環境に関する知識と燃料節約のための運転法(エコ・ドライビング)
が加わったのだ。
エコ・ドライビングを具体的に説明すると、例えば
・ファースト(1)での走行時間をできるだけ短くしよう。数メートルしか走らないうちに上のギアへ切り替えよう。
・ギアの切り替えの時にできる限り途中のギアを飛ばそう。(2)から(4)とか(3)から(5)といった具合に。
・加速はなるべく早く(ただし、エンジンは最大3000回転/分を限度に)
・できるだけ重いギアを使おう(新しい車であれば、時速50kmの段階で(5)に入れられる)
・ギアの切り替えによる減速効果をなるべく利用しよう。(スウェーデン語ではMotorbromsa(モーター・ブレーキ)と言うんですが、日本語は何でしょうか・・・?)
・停止はなるべく避けよう(赤信号や渋滞に差し掛かるときは、早めに減速する)
・近視眼的ではなく、先を予見した運転を心掛けよう。
・下り坂ではアクセルをなるべく踏まないようにしよう。
・必要のない追い越しはやめよう。
・タイヤには空気が十分入っていることを確認しよう。
・アイドリングはもちろん禁止。
・外気が寒いときに使うエンジンの予熱装置は+10度以下で既に使おう。(マフラーの触媒は寒いと機能が低下する。予熱装置を使えば触媒の作用効率もあがり、有害物質の排出も少なくなる)
などだ。効果は、まず環境に対する負荷が減らせること。そして、燃料の節約のためにガソリン代が浮くこと。(スウェーデンの道路交通局の試算によると、通常の運転と比べて約1割節約できるらしい。一方、スウェーデンの自動車教習所連盟の試算によると2割も節約ができるという。)
世界的なガソリン価格の高騰に加え、スウェーデンではガソリン税(二酸化炭素税)が高いので、それぞれの家計にとっても燃費の抑制は大きな課題なのだろう。
道路交通局によると、よくある誤解は「スピードはなるべく落とした方がエコ・ドライビングになる」ということらしいが、これは正しくないという。のろのろ運転はむしろ燃料の消費を高める。実際、エコ・ドライビングに沿った運転法をすれば平均速度はむしろ上がるのらしい。交通事故の数との関連はどうなのか気になるところだが、一方でエコ・ドライビングには「先を予見した運転を心掛けること」が含まれているから、むしろ減るのかな?
運転歴の長いTVレポーターが、ヨーテボリ市内で試しにエコ・ドライビングの講習を受けてみた。インストラクターが様々な注意をする。もし、これが運転免許の実技試験だったら、かなりの減点になっていたらしい。「彼(レポーター)は既に免許をもっていたから運がいい」とスタジオの女性のコメント。
動画(TV4)
<注>加速は早く、とはいえども、この動画の途中に登場する急発進はダメな例です。
<追記:日本語による情報>
燃費を2割向上させるお得な運転術
理屈でおぼえる燃費向上ドライビング
教習課程の中にこのエコ・ドライビングを取り入れていることをキャッチフレーズにした自動車教習所が登場したり、企業に対して環境認証取得のための講習を行う際に、エコ・ドライビングについてしっかり情報提供をする機関なども増えてきている。また運送会社の中にも、主に燃料費の節約のために、自社のトラックの運転手にエコ・ドライビングの講習を受けさせる会社もある。(これももしかしたらガソリン税(二酸化炭素税)のせい?)
ただ、これまでは教育機関や企業の自主的な取り組みに過ぎなかった。
しかし、スウェーデン社会はそれだけに留まらず、さらに一歩踏み込んだ政策を行政が取ることとなった。
実は昨年(2007年)12月以降、運転免許証の新規取得の際に、このエコ・ドライビングの習得が義務づけられることになったのである。免許証を取るための実技試験では、これまでは
- (1) 自動車に関する技術的知識と操作
- (2) 道路交通規則に関する知識とその応用
- (3) 道路交通安全に関する知識とそのための行動の仕方
のそれぞれについて、一定水準を満たしていることが合格のための条件だったのだが、これからは
- (4) 環境に関する知識と燃料節約のための運転法(エコ・ドライビング)
が加わったのだ。
エコ・ドライビングを具体的に説明すると、例えば
・ファースト(1)での走行時間をできるだけ短くしよう。数メートルしか走らないうちに上のギアへ切り替えよう。
・ギアの切り替えの時にできる限り途中のギアを飛ばそう。(2)から(4)とか(3)から(5)といった具合に。
・加速はなるべく早く(ただし、エンジンは最大3000回転/分を限度に)
・できるだけ重いギアを使おう(新しい車であれば、時速50kmの段階で(5)に入れられる)
・ギアの切り替えによる減速効果をなるべく利用しよう。(スウェーデン語ではMotorbromsa(モーター・ブレーキ)と言うんですが、日本語は何でしょうか・・・?)
・停止はなるべく避けよう(赤信号や渋滞に差し掛かるときは、早めに減速する)
・近視眼的ではなく、先を予見した運転を心掛けよう。
・下り坂ではアクセルをなるべく踏まないようにしよう。
・必要のない追い越しはやめよう。
・タイヤには空気が十分入っていることを確認しよう。
・アイドリングはもちろん禁止。
・外気が寒いときに使うエンジンの予熱装置は+10度以下で既に使おう。(マフラーの触媒は寒いと機能が低下する。予熱装置を使えば触媒の作用効率もあがり、有害物質の排出も少なくなる)
などだ。効果は、まず環境に対する負荷が減らせること。そして、燃料の節約のためにガソリン代が浮くこと。(スウェーデンの道路交通局の試算によると、通常の運転と比べて約1割節約できるらしい。一方、スウェーデンの自動車教習所連盟の試算によると2割も節約ができるという。)
世界的なガソリン価格の高騰に加え、スウェーデンではガソリン税(二酸化炭素税)が高いので、それぞれの家計にとっても燃費の抑制は大きな課題なのだろう。
道路交通局によると、よくある誤解は「スピードはなるべく落とした方がエコ・ドライビングになる」ということらしいが、これは正しくないという。のろのろ運転はむしろ燃料の消費を高める。実際、エコ・ドライビングに沿った運転法をすれば平均速度はむしろ上がるのらしい。交通事故の数との関連はどうなのか気になるところだが、一方でエコ・ドライビングには「先を予見した運転を心掛けること」が含まれているから、むしろ減るのかな?
運転歴の長いTVレポーターが、ヨーテボリ市内で試しにエコ・ドライビングの講習を受けてみた。インストラクターが様々な注意をする。もし、これが運転免許の実技試験だったら、かなりの減点になっていたらしい。「彼(レポーター)は既に免許をもっていたから運がいい」とスタジオの女性のコメント。
動画(TV4)
<注>加速は早く、とはいえども、この動画の途中に登場する急発進はダメな例です。
<追記:日本語による情報>
燃費を2割向上させるお得な運転術
理屈でおぼえる燃費向上ドライビング