キルナからノルウェー国境までは133km。国道は緩やかなアップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。この道のすぐ南にはスウェーデンの最高峰であるKebnekaise(2111m)を含む山脈が広がるため、国道のすぐ左手には巨大な絶壁が連なっている。一方、右手にはTorneträskと呼ばれる細長い湿地湖が数十キロにわたって存在し、その向こうには雪をかぶった山脈が連なっているのがうかがえる。
国道自体は、断崖の下の低い部分を湿地湖に沿ってグネグネと走っているから、左右のターンを除いては、それほど険しいと感じられない。湿地湖とそれに沿った辺りが深い谷になっているようだ。大昔に氷河によって削り取られたのか、断層のために山脈の中央に割れ目が走ったのかは定かではない。
左手には絶壁、右手には湖。どこが陸との境界か分かるかな?
ノルウェー側の港町Narvikまで続くこの国道と平行して、鉄道が走っている。自転車で走っていると、列車とよくすれ違う。旅客車両は1日に多くて3往復なので、それほど多くはないが、他方で、鉄鉱石を運ぶ貨物列車には頻繁に出会うのだ。上りと下りを合わせて、少なくとも一時間に一本は貨物列車に出会う。しかも、一つ一つの列車が50両近くも貨車を牽引し、KirunaからNarvikに向かう列車には鉄鉱石が満載なのには驚く。鉄鉱石の輸出経路はこのNarvikルートとともに東のLuleåの港からの東欧向け経路もある。
前回の続きだが、鉄鉱石の産出がスウェーデンでここまで盛んだとは知らなかった。鋼鉄に対する世界的な需要の増大は、特に近年急成長してきた中国における需要増大が原因らしい。そのための原料である鉄鉱石が求められている。価格も高騰し、今年の4月には71.5%もの上昇幅を記録したという。歴史の長い国営の鉱山企業LKABの業績は、去年新記録を達成した。主要株主である国は株の配当によって大いに潤い、税収に貢献した。
LKABは産出量40%増をもくろみ、そのためにさらなる投資を行っていく計画だ。キルナ市移転計画もさることながら、新たな粗鋼ペレット工場の建設、さらには、機関車の改良や新たな貨物列車の開発に力を入れている。輸送力の増大(25%増)によるコストの削減によって、最大の競争相手であるブラジルやオーストラリアの鉄鉱に対して優位に立ちたいのだ。
鉄鉱石を運ぶ貨物列車。ノルウェーのNarvik港から輸出される
さらに、鉄鉱石の輸出だけでなく、高度な技術を使ってそれを付加価値の高い製品に変えていく産業もスウェーデンで盛んだ。例えば、厚さ数ミリの鋼板の製造には高度な技術が必要で、スウェーデンからの製品はロシアや中国の市場で大きな需要があるとのこと。
近いうちに時間を見つけて、鉄鉱石の輸出と鉄鉱関連産業がスウェーデン経済においてどれだけのウェイトを占めているのか、調べてみたい。
情報の一部は次のサイト(技術系新聞NyTeknik)を参考にしました。http://www.nyteknik.se/pub/ipsart.asp?art_id=40986
国道自体は、断崖の下の低い部分を湿地湖に沿ってグネグネと走っているから、左右のターンを除いては、それほど険しいと感じられない。湿地湖とそれに沿った辺りが深い谷になっているようだ。大昔に氷河によって削り取られたのか、断層のために山脈の中央に割れ目が走ったのかは定かではない。
左手には絶壁、右手には湖。どこが陸との境界か分かるかな?
ノルウェー側の港町Narvikまで続くこの国道と平行して、鉄道が走っている。自転車で走っていると、列車とよくすれ違う。旅客車両は1日に多くて3往復なので、それほど多くはないが、他方で、鉄鉱石を運ぶ貨物列車には頻繁に出会うのだ。上りと下りを合わせて、少なくとも一時間に一本は貨物列車に出会う。しかも、一つ一つの列車が50両近くも貨車を牽引し、KirunaからNarvikに向かう列車には鉄鉱石が満載なのには驚く。鉄鉱石の輸出経路はこのNarvikルートとともに東のLuleåの港からの東欧向け経路もある。
前回の続きだが、鉄鉱石の産出がスウェーデンでここまで盛んだとは知らなかった。鋼鉄に対する世界的な需要の増大は、特に近年急成長してきた中国における需要増大が原因らしい。そのための原料である鉄鉱石が求められている。価格も高騰し、今年の4月には71.5%もの上昇幅を記録したという。歴史の長い国営の鉱山企業LKABの業績は、去年新記録を達成した。主要株主である国は株の配当によって大いに潤い、税収に貢献した。
LKABは産出量40%増をもくろみ、そのためにさらなる投資を行っていく計画だ。キルナ市移転計画もさることながら、新たな粗鋼ペレット工場の建設、さらには、機関車の改良や新たな貨物列車の開発に力を入れている。輸送力の増大(25%増)によるコストの削減によって、最大の競争相手であるブラジルやオーストラリアの鉄鉱に対して優位に立ちたいのだ。
鉄鉱石を運ぶ貨物列車。ノルウェーのNarvik港から輸出される
さらに、鉄鉱石の輸出だけでなく、高度な技術を使ってそれを付加価値の高い製品に変えていく産業もスウェーデンで盛んだ。例えば、厚さ数ミリの鋼板の製造には高度な技術が必要で、スウェーデンからの製品はロシアや中国の市場で大きな需要があるとのこと。
近いうちに時間を見つけて、鉄鉱石の輸出と鉄鉱関連産業がスウェーデン経済においてどれだけのウェイトを占めているのか、調べてみたい。
情報の一部は次のサイト(技術系新聞NyTeknik)を参考にしました。http://www.nyteknik.se/pub/ipsart.asp?art_id=40986