ドイツとデンマークの間に念願の橋が架かることになった。Rødby(デンマーク)とPuttgarden(ドイツ)の間のFehmarn Bælte海峡に架かる。(下の地図のAの所)
そもそもヨーロッパ大陸とスカンディナビア半島を陸路で結ぶことは、北欧諸国の念願であった。2000年にスウェーデンとデンマークを結ぶ橋(Öresundsbron)が完成したことによって、その念願はひとまず達成された。しかし、実際はドイツからデンマークの首都コペンハーゲンまで陸路で辿ろうとすると、随分と大回りをしないといけないことに気付く。地図を見れば分かるが、ユトランド半島のKoldingを経由して、Odenseのある島を通過し、コペンハーゲンまで辿り着かなければならない。
だから、実際はドイツとデンマーク間は船が使われている。例えば、ハンブルグからコペンハーゲンへ向かう電車は、Aの部分で電車ごとフェリーに乗せられてデンマーク側に渡る。また、ベルリンからスウェーデンのマルメへ向かう夜行列車(Berlin Night Express)は、Bの部分でフェリーに乗り、スウェーデンへ渡る。(ちなみにAやBのフェリーには車も乗せられる) ただ、貨物列車などはぐるっと陸路を大回りしている。
で、Aの部分に今回、やっと橋が架けられることが決まったのだ。ユトランド半島経由の陸路と比較して、260kmも短縮されるという。
もともと、この計画はデンマークが1992年に立ち上げたものだった。しかし、ドイツ側があまり関心を示さなかったため、実現化は難航した。去年の暮れにドイツとデンマークの間で契約が結ばれかけたが、ドイツ側が資金負担を渋ったのでうまく行かなかった。そこで、ついに痺れを切らしたデンマークは、橋の建設費用の全額の債務を負担することで、今回ドイツ側と話をつけたのだった。デンマークの負担分は350億 DKK(デンマーク・クローネ =7800億円)、一方、ドイツはドイツ側の橋と道路の接続工事や整備のために、それでも70億DKK(1570億円)を負担するという。
橋の全長は何と19km。日本で一番長い橋は東京湾アクアブリッジで4.4km、明石海峡大橋は3.9kmだから、いかに長いかが分かる。橋は道路が4車線、複線の鉄道も付く。2018年の完成を目指す。
この橋によって恩恵を受けるのはデンマークのみならず、スウェーデンもノルウェーも、ヨーロッパ大陸との距離がぐっと縮むはず。なのに、費用負担に加わっていない。これこそ、まさに「漁夫の利(?)」というのか「棚から牡丹餅(?)」というのか…。しかも、デンマークとスウェーデンの間の橋(Öresundsbron)の建設に加わったスウェーデン大手のゼネコンや技術企業も、今回の橋のプロジェクトに加わるだろうから、スウェーデン経済も潤うに違いない! なんとも狡猾…。
スウェーデンには、高速鉄道計画、というのがある。ストックホルムからヨンショーピンを経由してマルメを結び、そこからコペンハーゲン、そして、少なくともドイツのハンブルグまでを日本のような整備新幹線で結ぶという計画だ。あと30年たっても実現は無理、なんては言われてはいるけど、この橋ができれば、その実現まで一歩近づいたことになる。(ヨンショーピン大学で働いていたときに、その高速鉄道計画の予想旅客数を計算したことがある)
そもそもヨーロッパ大陸とスカンディナビア半島を陸路で結ぶことは、北欧諸国の念願であった。2000年にスウェーデンとデンマークを結ぶ橋(Öresundsbron)が完成したことによって、その念願はひとまず達成された。しかし、実際はドイツからデンマークの首都コペンハーゲンまで陸路で辿ろうとすると、随分と大回りをしないといけないことに気付く。地図を見れば分かるが、ユトランド半島のKoldingを経由して、Odenseのある島を通過し、コペンハーゲンまで辿り着かなければならない。
だから、実際はドイツとデンマーク間は船が使われている。例えば、ハンブルグからコペンハーゲンへ向かう電車は、Aの部分で電車ごとフェリーに乗せられてデンマーク側に渡る。また、ベルリンからスウェーデンのマルメへ向かう夜行列車(Berlin Night Express)は、Bの部分でフェリーに乗り、スウェーデンへ渡る。(ちなみにAやBのフェリーには車も乗せられる) ただ、貨物列車などはぐるっと陸路を大回りしている。
で、Aの部分に今回、やっと橋が架けられることが決まったのだ。ユトランド半島経由の陸路と比較して、260kmも短縮されるという。
もともと、この計画はデンマークが1992年に立ち上げたものだった。しかし、ドイツ側があまり関心を示さなかったため、実現化は難航した。去年の暮れにドイツとデンマークの間で契約が結ばれかけたが、ドイツ側が資金負担を渋ったのでうまく行かなかった。そこで、ついに痺れを切らしたデンマークは、橋の建設費用の全額の債務を負担することで、今回ドイツ側と話をつけたのだった。デンマークの負担分は350億 DKK(デンマーク・クローネ =7800億円)、一方、ドイツはドイツ側の橋と道路の接続工事や整備のために、それでも70億DKK(1570億円)を負担するという。
橋の全長は何と19km。日本で一番長い橋は東京湾アクアブリッジで4.4km、明石海峡大橋は3.9kmだから、いかに長いかが分かる。橋は道路が4車線、複線の鉄道も付く。2018年の完成を目指す。
この橋によって恩恵を受けるのはデンマークのみならず、スウェーデンもノルウェーも、ヨーロッパ大陸との距離がぐっと縮むはず。なのに、費用負担に加わっていない。これこそ、まさに「漁夫の利(?)」というのか「棚から牡丹餅(?)」というのか…。しかも、デンマークとスウェーデンの間の橋(Öresundsbron)の建設に加わったスウェーデン大手のゼネコンや技術企業も、今回の橋のプロジェクトに加わるだろうから、スウェーデン経済も潤うに違いない! なんとも狡猾…。
スウェーデンには、高速鉄道計画、というのがある。ストックホルムからヨンショーピンを経由してマルメを結び、そこからコペンハーゲン、そして、少なくともドイツのハンブルグまでを日本のような整備新幹線で結ぶという計画だ。あと30年たっても実現は無理、なんては言われてはいるけど、この橋ができれば、その実現まで一歩近づいたことになる。(ヨンショーピン大学で働いていたときに、その高速鉄道計画の予想旅客数を計算したことがある)