「を」と「お」の発音について、歴史的な流れを説明する佐藤栄作・愛媛大教授=松山市文京町で2022年9月12日、松倉展人撮影 ワ行の仮名「を」。「o(お)」ではなく「wo(うぉ)」と発音するのは愛媛県の方言なの? 「を」と「お」をめぐる議論がこの夏のテレビ番組をきっかけに巻き起こり、愛媛在住の日本語学者には取材依頼が相次いでいる。「を」と「お」問題の背景には、1000年以上の日本語の歴史が見え隠れしている。 愛媛大調査、愛媛出身が突出 8月の番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)は、「を」の読み方を取り上げた。東京で質問すると、全員が「o」と読む。しかし、愛媛県民は「wo」と認識していることを伝えた。2009年の「都道府県別全国方言辞典」(三省堂)でも「気づかずに使う方言」として、愛媛では「『を』と『お』は発音が異なると教えられ、それが身についている」と説明している。 この項を執筆した佐藤