『Genesis されど星は流れる (創元日本SFアンソロジー) (創元日本SFアンソロジー 3)』 堀 晃ほか 東京創元社 2,200円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto オリジナル・アンソロジー・シリーズの三冊目。七篇を収録。 作者それぞれの持ち味を活かした作品が居並ぶなか、もっとも印象に残ったのは堀晃「循環」だ。『Genesis 一万年の午後』に発表した「10月2日を過ぎても」につづく、大阪を舞台とし、作者自身の日常的な視点で語られる。紡績会社に技術者として就職、キャリアを重ね、事業部門を継承するために独立・起業する――これまでの仕事人生を、勤務先近辺の景観を眺めながら綴る。外形的にはSFというより私小説だ。しかし、技術者としての方向を定めることになった開発品にインスピレーションを与えた「原器」の存在がアクセントになり、SFの機