『おまえが若者を語るな!』を読んだ。中学から高校にかけてニューアカとか宮台の影響を受け、GLOCOMに所属しISEDに参加した筆者には耳が痛い指摘も少なくないが、変節したサブカル論者の言説に辟易していた筆者としては我が意を得たりという思いもある。彼が『「ニート」って言うな! (光文社新書)』で若くして論壇デビューした割に、衒いなく地に足の着いた議論を続けているのは素晴らしいことだ。本書を読んで溜飲を下す社会科学者の方々は多いだろうし、逆に本書を以って安直な世代論がなくなるとも期待できないだろう。但し、僕ら宮台の影響を受けた30代以上の論者にとって、本書の批判をどう受け止めるかは、ひとつの踏み絵となるのではないか。 おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154) 作者: 後藤和智出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/09/10メディア: 新書購入: