Literary Valueをどう訳すか、これはおれがうっかりしていたところで、たぶん「文学の価値」ではなく、「文学的価値」としなくてはならないんだろう。つまり、文学作品には文学的価値とそれ以外の価値(道具的価値とか?)とがあるわけだ。 いや、でも、道具的でない価値なんてあるの? 内在的価値? そんなものがあるなんて不用意には信じられないなあ。というか、内在的価値を認めてしまうのなら、そこで話は終わってしまうので、文学的価値も道具的価値ではあることにしたほうがよいだろう。というわけで、ここから立場はおそらく2つに分かれて、文学的価値とは Artistic Truthを与えてくれる(認知主義cognitivism) 快楽を与えてくれる(情動主義emotivism) のどちらか、であるのだろう。なお、西村清和はどうも認知主義のことを「有用性説」と呼んでいるようだけど、上の軽い分析に従えば、快楽