シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行っていきます。第一回目は「環境美学×環境倫理学」として、若手の環境美学の研究者である青田麻未さんと対話を行いました。 今回のテーマである「環境美学」について、青田さんにお聞きしたところ、以下のような説明をいただきました。 「環境美学とは、1960年代後半から1970年代ごろ、イギリス・アメリカ・カナダといった英語圏で、現代美学の一分野として興ったものです。その背景には、当時の美学が自然美論を無視していたこと、そして、社会において環境問題への関心が高まったことがありました。当初は原生自然と言われる、手つかずの自然が持つ美的価値について、中心的に議論していました。しかし現在では、人間が住む環境も含めた幅広い環境において、私たちの感性がいかに働くのかについて、多角的に論じる分野へと成長しています。」 青田さんは、今