図面を用いて本発明の1つの実施の形態を説明する。図1,4には、使用者が手に持って移動操作する携帯用加工機あるいは携帯用切断機の1例である防塵丸鋸(携帯丸鋸)1が示される。この製品は、主としてサイディングや石工ボードなどを切断するために用いられ、集塵丸鋸とも呼ばれている。以下に、前後方向、左右方向、上下方向を使用して防塵丸鋸1について説明する。前方は、防塵丸鋸1によって被加工材Wを切断あるいは加工する際に防塵丸鋸1を進行させる方向に対応する。使用者は、防塵丸鋸1の後方に位置し、左右方向は、その使用者を基準に決定する。
図1に示すように防塵丸鋸1は、丸鋸本体(加工機本体、切断機本体)20と、丸鋸本体20を角度調整可能に支持するベース10を有する。図4,5に示すように丸鋸本体20は、円盤状の刃具(鋸刃)22を回転させる電動モータ30と、電動モータ30に電力を供給するバッテリ2を有する。
図4,5に示すように電動モータ30は、ブラシレスモータであって、モータハウジング4に収容される。電動モータ30は、モータハウジング4の内周面に固定される固定子30aと、固定子30aの内周側で回転自在に支持される回転子30bを有する。固定子30aの右側(図5の下側)には、回転子30bの回転位置を検知する磁気センサを備えるセンサ基板34が取付けられる。回転子30bにモータ軸30cが挿通され、回転子30bがモータ軸30cに固定される。モータ軸30cの左端は、軸受33によってモータハウジング4に軸回りに回転可能に支持される。モータ軸30cの右端は、軸受32によってギヤハウジング5に軸回りに回転可能に支持される。
図5に示すようにギヤハウジング5は、モータハウジング4の右側に設けられる。ギヤハウジング5内には、電動モータ30の回転出力を減速する減速ギヤ機構40が設けられる。減速ギヤ機構40は、モータ軸30cの端部に取付けられるピニオンギヤ40a、ピニオンギヤ40aに噛み合う中間ギヤ40bと、中間ギヤ40bに噛み合うスピンドル41を有する。スピンドル41は、モータ軸30cの下方に位置し、ギヤハウジング5に軸回りに回転可能に支持される。スピンドル41の先端は、ギヤハウジング5から突出しており、該先端に刃具22が取付けられる。
図1,5に示すように刃具22は、取付体42によってスピンドル41の先端に固定される。取付体42は、刃具22を左側から保持するインナフランジ42aと、右側から保持するアウタフランジ42bを有する。刃具22の外周は、カバー体(9,21,23)によって覆われる。カバー体は、刃具22の外周上側略半分を覆う固定カバー21と、固定カバー21の後部において移動可能な可動カバー23と、固定カバー21の前部において移動可能な補助カバー9を有する。固定カバー21の上部には、切粉を収容するダストボックス28が連結される。
図5に示すように固定カバー21は、ギヤハウジング5の右側に設けられ、ギヤハウジング5から延出する。図1,2に示すように固定カバー21は、刃具22の左側に位置して丸鋸本体20に固定される左側面21aと、刃具22の外周上領域の右側面を覆う右側面21bと、左側面21aと右側面21bの上端を連結する周壁21cを有する。周壁21cは、円弧状であって刃具22の外周上領域を覆う。固定カバー21の前部には、上方に延出する排出管21dが形成され、排出管21dにダストボックス28の開口部28bが連結される。
図1,2に示すようにダストボックス28は、固定カバー21の上側外周縁に沿って延出するボックス本体28aを有する。ボックス本体28aの前部には、固定カバー21の排出管21dに連結される開口部28bが形成される。刃具22がダストボックス28の右側面に表示された矢印28hの方向に回転し、刃具22が被加工材Wを切断する。この時に生じた切粉は、刃具22の前側において上方に吹き上げられる。吹き上げられた切粉は、固定カバー21からボックス本体28a内に導入され、ボックス本体28aに蓄積される。
図1,2に示すようにダストボックス28は、右側面にレバー28gを有する。レバー28gに一体となった雄ねじを利用してダストボックス28が丸鋸本体20に着脱可能に取付けられる。ボックス本体28aの後部に排出孔28cが形成される。排出孔28cを開閉するための蓋28dがピン28eによってボックス本体28aに回転可能に取付けられる。ボックス本体28a内に蓄積された切粉を排出する場合は、先ずボックス本体28aを丸鋸本体20から取外す。次に蓋28dを回転させて排出孔28cを開け、ボックス本体28a内から切粉を外へ排出する。
図1に示すように蓋28dの後部に栓28fによって塞がれる貫通孔が形成される。栓28fを蓋28dから取外し、蓋28dの貫通孔にパイプを経由してバキューム装置と連結することができる。これによりダストボックス28内の切粉がパイプを経由してバキューム装置に吸引され得る。
図1,2に示すように可動カバー23は、固定カバー21の後下側に位置し、刃具22の外周後領域を覆う。可動カバー23は、円弧状であって、刃具22の回転中心と同軸中心に回転する。可動カバー23は、引っ張りばねによって刃具22を覆う方向すなわち前方に向けて付勢される。被加工材Wを切断する場合、可動カバー23の先端(前端)が被加工材Wに当たり、可動カバー23が後方に回転して被加工材Wの上方に移動する。
図2,3に示すように補助カバー9は、固定カバー21の前下側に位置する。補助カバー9は、刃具22の外周前領域に位置し、固定カバー21の前端とベース10の間の隙間Sを覆う。隙間Sは、丸鋸本体20のベース10に対する角度に応じて変化する。これに対して補助カバー9は、丸鋸本体20の角度に応じて固定カバー21あるいはベース10に対して移動する。したがって補助カバー9は、隙間Sから切粉が前方に飛散することを効果的に抑制する。補助カバー9は、丸鋸本体20あるいは固定カバー21に連結されるダストカバー24と、ダストカバー24とベース10を連結するアンギュラーガイド14を有する。
図12〜15に示すようにダストカバー24は、上下方向に長い第1側壁24aと、第1側壁24aに対向する第2側壁24cと、第1側壁24aと第2側壁24cの前端を連結する前壁24bを有する。第1側壁24aは、上下方向に長い上下方向長孔24dと、第2側壁24cから離れる方向に突出するピン24eを有する。上下方向長孔24dは、略直線状であってカム面を形成する。図2,3に示すように上下方向長孔24dには、固定カバー21から突出する1つまたは複数のピン19が挿入される。ピン19の先端には上下方向長孔24dの幅よりも大きい径を有するストッパ部が設けられる。ストッパ部によってダストカバー24が固定カバー21に対して上下方向に移動可能に連結される。ピン24eは、図13に示すように第1側壁24aの下部に設けられる。ピン24eは、後述するようにアンギュラーガイド14の前後方向長孔14fに連結される。
図12,13,15に示すように第2側壁24cの上下長さは、第1側壁24aよりも短い。第2側壁24cの上端は、第1側壁24aの上端よりも下方に位置し、第2側壁24cの下端は、第1側壁24aの下端よりも上方に位置する。第2側壁24cの幅は、第1側壁24aよりも狭く、第2側壁24cの後縁は、第1側壁24aの後縁よりも前側に位置する。第2側壁24cの後縁は、円弧状であって、図2に示すように刃具22の外周縁に沿って延出する。
図12,15に示すように前壁24bは、第1側壁24aの前縁と第2側壁24cの前縁を連結し、図5に示すように刃具22の外周縁に対面する。刃具22の外周縁は、第1側壁24aと第2側壁24cと前壁24bによって形成された溝24f内あるいは溝24fの近傍に位置する。したがって加工時に刃具22によって生じる切粉は、溝24fに沿って吹き上げられる。
図12〜15に示すようにアンギュラーガイド14は、前壁14aと前壁14aから後方に延出する第1ブラケット14bと第2ブラケット14gを有する。前壁14aの一端部(右端部)に孔14cが形成され、前壁14aの他端部(左端部)に長孔14dが形成される。孔14cは、円形であって図6に示す左右傾動支軸13が貫通される。これによりアンギュラーガイド14が左右傾動支軸13を中心にベース10に対して傾動する。
図14に示すように長孔14dは、前壁14aの端縁に沿って円弧状に延出する。長孔14dには、図6に示す摘みねじ16の軸部が挿通される。摘みねじ16の軸部は、ベース10の前端に起立する前側支持部11の長孔11aにも挿通される。長孔11aも長孔14dと同様に円弧状に形成される。摘みねじ16は、回転されることで、アンギュラーガイド14を前側支持部11に解除可能にロックする。アンギュラーガイド14は、ロックが解除されることで前側支持部11に対して左右傾動支軸13を中心に回転可能になる。図6〜9に示すように丸鋸本体20は、アンギュラーガイド14とともにベース10に対して左右方向に傾けられ、摘みねじ16によってベース10に対して所定の傾斜角度で保持され得る。
図12,14に示すようにアンギュラーガイド14は、孔14cと対向する位置に孔14cから外方に延出する指示部14iを有する。指示部14iは、図6に示す前側支持部11の外縁を超えて外方に突出して前方から視認できる。前側支持部11の外縁に目盛り11bが表示される。指示部14iの位置する目盛り11bを読むことでアンギュラーガイド14のベース10に対する左右方向の傾斜角度を知ることができる。後述するようにアンギュラーガイド14に丸鋸本体20が取付けられる。そのため目盛り11bを利用して指示部14iの位置を見ることで丸鋸本体20の左右方向の傾斜角度を知ることができる。
図4,6に示すように左右傾動支軸13は、前側支持部11の右下部に位置して前後方向に延出する。左右傾動支軸13が前側支持部11とアンギュラーガイド14の孔14cに挿通される。アンギュラーガイド14に丸鋸本体20が取り付けられる。したがって図6,8に示すように丸鋸本体20は、アンギュラーガイド14とともに左右傾動支軸13を中心に左右方向に角度調整され得る。
図10に示すようにベース10の後領域に後側支持部12が設けられる。後側支持部12は、ベース10に対して起立し、後側支持部12に左右傾動支軸17を介して傾動板18が取付けられる。傾動板18は、上方に延出するデプスガイド71を有し、デプスガイド71に丸鋸本体20が連結される。左右傾動支軸17は、図6に示す左右傾動支軸13と同軸上に位置する。したがって丸鋸本体20は、左右傾動支軸13,17を中心に左右方向に角度調整される。かくして図6,8に示すように刃具22の被加工材Wに対する切込み角度を調整して、いわゆる傾斜切りを行うことができる。
図12〜15に示すように第1ブラケット14bが前壁14aの一端部から後方に延出し、第2ブラケット14gが前壁14aの中央領域から後方に延出する。第1ブラケット14bと第2ブラケット14gは、平行に延出する。第1ブラケット14bの前部に孔14eが形成され、第2ブラケット14gに孔14hが形成される。孔14e,14hは、同軸上に位置し、孔14e,14hに上下揺動支軸15が挿通される。図4,5に示すように上下揺動支軸15に丸鋸本体20の前部が回転可能に連結される。したがって図2,3に示すように丸鋸本体20は、上下揺動支軸15を中心としてベース10に対して上下方向に揺動する。これにより刃具22のベース10からの下方への突出量が調整され得る。
図1に示すように被加工材Wを刃具22で切断する場合、ベース10を被加工材Wの上でスライドさせる。刃具22は、ベース10から下方へ突出しており、その突出量によって被加工材Wの切込み深さが決定される。切り込み深さを調整するための切り込み深さ調整機構70がベース10の後部に設けられる。切り込み深さ調整機構70は、図10に示すようにベース10に回転可能に取付けられた傾動板18に設けられたデプスガイド71を有する。
図4,10に示すようにデプスガイド71は、傾動板18の端部に形成され、傾動板18から上前方に円弧状に延出する。デプスガイド71には円弧状のガイド溝孔71aが形成される。ガイド溝孔71aに固定ねじ72が挿通され、固定ねじ72の先端が固定カバー21の左側面に螺合される。固定ねじ72の頭部に操作部である固定レバー73が取付けられる。固定レバー73を上方に操作することで固定ねじ72がデプスガイド71に対して緩められ、固定ねじ72とともに丸鋸本体20がデプスガイド71に対して上下に移動する。これにより刃具22のベース10からの突出量(切り込み深さ)が調整される。
図4,10に示すようにデプスガイド71の外周面に目盛りが表示される。目盛りを利用して固定ねじ72の位置を得ることで、刃具22のベース10からの突出量を得る。突出量が所定量となる位置で固定レバー73を下方に操作して、固定ねじ72によって丸鋸本体20をデプスガイド71に対して固定する。かくして刃具22の被加工材Wに対する切り込み深さが固定される。
図2,3に示すように補助カバー9は、補助カバー上下移動機構25によって丸鋸本体20に対して上下方向に移動する。例えば丸鋸本体20を図2に示す下位置から図3に示す上位置に回転させることで、補助カバー9の1部品であるダストカバー24が丸鋸本体20に対して下方に移動する。補助カバー上下移動機構(上下方向連結構造)25は、丸鋸本体20とダストカバー24を上下方向に連結するためのピン19と上下方向長孔24dを有する。ピン19は、丸鋸本体20の前部、例えば固定カバー21の前部から左方向に突出する。上下方向長孔24dは、ダストカバー24に設けられ、上下方向長孔24dに1つまたは上下に並ぶ2つのピン19が移動可能に挿入される。上下方向長孔24dは、ピン19に当接するカム面を形成し、ピン19は、カム面に沿って移動するカムフォロワを構成する。
図2,3に示すように補助カバー上下移動機構25は、ダストカバー24とベース10を連結するためのピン24eと前後方向長孔14fを有する。図13に示すように前後方向長孔14fは、アンギュラーガイド14の第1ブラケット14bの後ろ領域に形成される。前後方向長孔14fは、前後方向に長く、略直線状である。前後方向長孔14fは、後方ほど上方に位置するように傾斜角度を有して延出する。前後方向長孔14fには、ダストカバー24に形成されたピン24eが移動可能に挿入される。したがってダストカバー24は、アンギュラーガイド14を介してベース10に移動可能に連結される。
図2に示すように丸鋸本体20が下位置に位置する際、ピン24eが前後方向長孔14fの前領域に位置する。これによりダストカバー24は、アンギュラーガイド14の前部近傍に位置する。ピン19は、上下方向長孔24dの下領域に位置する。これによりダストカバー24は、丸鋸本体20に対して比較的上方に位置する。その結果、ダストカバー24は、刃具22の前部近傍に位置しつつベース10と固定カバー21の前端部の間を覆う。
図3に示すように丸鋸本体20が上位置に位置する際、ピン24eが前後方向長孔14fの後領域に位置する。これによりダストカバー24は、アンギュラーガイド14の後部近傍に位置する。ピン19は、上下方向長孔24dの上領域に位置する。これによりダストカバー24は、丸鋸本体20に対して比較的下方に位置する。丸鋸本体20を図2に示す下位置から図3に示す上位置に移動させることで、固定カバー21の前端とベース10の間の隙間Sが大きくなる。これに対応してダストカバー24は、固定カバー21に対して下方へ移動する。
丸鋸本体20を図2に示す下位置から図3に示す上位置に回転させることで、刃具22とベース10の交点に対応する刃具22の前端の位置が後方に移動する。これに対応してダストカバー24の下端部が固定カバー21に対して後方へ移動する。したがってダストカバー24は、丸鋸本体20の上下方向の揺動角度に応じて移動して前後方向に移動し、固定カバー21の前端とベース10の間の隙間Sを極力小さくし得る。
図6〜9に示すように丸鋸本体20を左右方向に傾動させると、丸鋸本体20とともにアンギュラーガイド14が左右傾動支軸13を中心に傾動する。丸鋸本体20の1部品である固定カバー21とともにダストカバー24も左右傾動支軸13を中心に傾動する。丸鋸本体20を左右方向に傾動させると、固定カバー21の前端とベース10の間の隙間Sも左右方向に移動する。したがってダストカバー24は、丸鋸本体20の左右方向の傾動角度に応じて左右方向に傾動する。これにより固定カバー21の前端とベース10の間の隙間Sがダストカバー24によって常に好適に覆われる。例えばダストカバー24の先端とベース10の間の隙間Sが常に1mm以下、好ましくは0.5mm以下になるようにダストカバー24が移動する。
図6〜9に示すように補助カバー9は、連動機構26を利用して丸鋸本体20の左右方向の角度に応じてベース10に対して左右方向に傾動する。連動機構26は、ベース10に対してアンギュラーガイド14を左右方向に回転可能に連結する左右傾動支軸13を有する。さらに連動機構26は、図2に示すようにアンギュラーガイド14とダストカバー24を移動連結に連結する前後方向長孔14fとピン24eを有する。さらに連動機構26は、ダストカバー24を丸鋸本体20に対して移動可能に連結する上下方向長孔24dとピン19を有する。
図4,10に示すように丸鋸本体20は、バッテリ2が取付けられるバッテリ取付部3を有する。バッテリ取付部3は、丸鋸本体20の後部左側に位置する。バッテリ取付部3は、モータハウジング4と同様に固定カバー21の左側面から左方向に延出する。バッテリ取付部3は、概ね平板状であって、バッテリ取付部3の下面にレールを有する。レールは、例えば左右方向に延出しており、レールを利用してバッテリ2がバッテリ取付部3の下面に取外し可能に取付けられる。バッテリ2は、電動工具用のバッテリであって、ねじ締め機等の他の電動工具に取付けられる。バッテリ2は、例えば18V出力のリチウムイオンバッテリであって、別途用意した充電器で充電可能である。したがってバッテリ2は、防塵丸鋸1等の電源として繰り返し利用され得る。バッテリ2は、図5に示すコントローラ61に電気的に接続されて、コントローラ61を経由して電動モータ30に電力を供給する。
図4,5に示すようにコントローラ61は、バッテリ取付部3とモータハウジング4の間に設けられたコントローラハウジング7に収容される。コントローラ61に種々な電気部品が電気的に接続され、例えば電動モータ30、回転子30bの位置を検知するセンサ基板34、ハンドル6に設けられたスイッチ53(図1参照)等が接続される。コントローラ61は、センサ基板34で検知された回転子30bの位置情報に基づいて制御信号を送信する制御回路を備える。さらにコントローラ61は、制御回路から受信した制御信号に基づいて電動モータ30の電流をスイッチングするFETからなる駆動回路、バッテリ2の状態の検出結果に応じて過放電又は過電流状態とならないように電動モータ30への電力供給を遮断するオートストップ回路等を備える。
図1,4に示すようにハンドル6は、山形であって、モータハウジング4から起立する起立部6aと、起立部6aの上部から後方へかつバッテリ取付部3に向けて傾斜するグリップ部6bを有する。グリップ部6bの上部の下面にトリガ形式のスイッチ53が設けられる。スイッチ53は、支軸を介してグリップ部6bに上下に傾動操作可能に支持され、圧縮ばね等の付勢部材によって下方へ付勢される。使用者は、グリップ部6bを把持した手の指先で付勢部材の付勢力に抗してスイッチ53を上方へ引き操作できる。スイッチ53は、引き操作されることでコントローラ61(図5参照)に信号を発信し、コントローラ61がバッテリ2からの電力を電動モータ30に供給する。これにより電動モータ30が起動し、刃具22が矢印28h方向に回転する。
図1,6に示すようにハンドル6にロックオンボタン57が設けられる。ロックオンボタン57は、スイッチ53の上側に位置し、ハンドル6を左右方向に貫通する。ロックオンボタン57は、ハンドル6に対して上下方向に傾動可能に設けられる。スイッチ53を上方へ引き操作した状態でロックオンボタン57を下方に傾動させることで、電動モータ30が起動状態にロックされる。これによりスイッチ53を引き続けることなく、電動モータ30を駆動させることができる。かくして作業者は、長時間の作業を楽に行うことができる。ロックオン状態を解除する場合は、再度スイッチ53を上方へ引き操作する。これによりロックオンボタン57が元の位置へ戻る。
図5に示すように電動モータ30のモータ軸30cに冷却ファン36が装着される。冷却ファン36は、回転子30bと軸受32の間に位置し、モータ軸30cとともに回転する。冷却ファン36がモータ軸30cとともに回転することで、外気がモータハウジング4の左面に形成された通気口4aからモータハウジング4内に導入される。導入された空気は、電動モータ30を冷却した後にモータハウジング4の後部に形成された通気口4bを経てコントローラハウジング7へ流れる。空気は、FET(電界効果トランジスタ)やマイコン等の発熱源を有するコントローラ61を冷却した後に、コントローラハウジング7の右面に形成された排気口7aから排出される。
図5に示すようにモータハウジング4には、モータハウジング4内の空気を前方に導くダクト65が接続される。ダクト65は、モータハウジング4の右前部に形成された接続口4cに接続される取付部65aを有する。ダクト65は、接続口4cからギヤハウジング5の前面と固定カバー21の側面に沿って前方へ延出する。ダクト65の先端に排出口65bが形成され、排出口65bは、ベース10のスミ線ガイド10cに向く。スミ線ガイド10cは、ベース10の前端に設けられており、スミ線ガイド10cの左右両側が切り掛れることで形成される。スミ線ガイド10cを被加工材Wに付したスミ線に位置させつつベース10を前方に移動させることで、刃具22を精度良く移動させ得る。ダクト65から空気が排出され、排出された空気によってスミ線ガイド10cの近傍に堆積する切粉等が吹き飛ばされる。これによりスミ線ガイド10cの視認性が高まり、加工作業を精確かつ迅速に行うことができる。
図5に示すようにギヤハウジング5の前部に、ロックレバー44が上下方向に傾動可能に連結される。ロックレバー44は、スピンドル41を回転不能にロックするロック部材に連結されており、ロックレバー44を操作することでスピンドル41を回転不能にロックできる。これにより刃具22をスピンドル41に対して着脱することができる。
図1,11に示すようにベース10は、略平板状である。ベース10の上方に丸鋸本体20が上下方向に角度を調整可能に支持され、かつ左右方向に角度調整可能に支持される。ベース10には、概ね矩形状の窓部10aが形成され、窓部10aに刃具22が挿通される。ベース10の前部に平行定規80が左右方向に位置調整可能に取付けられる。
図4,6に示すように平行定規80は、ベース10に取付けられる連結バー80bと、連結バー80bの端部に設けられる定規本体80aを備える。定規本体80aは、ベース10の右側に位置する。被加工材Wを加工する際、ベース10を被加工材Wの上に設置し、定規本体80aを被加工材Wの側面に当接させる。定規本体80aを被加工材Wの側面に当接させつつ防塵丸鋸1を前方に移動させる。これにより防塵丸鋸1を被加工材Wの側面に平行に移動させることができ、被加工材Wを所定の幅で切断できる。
図4,6に示すように連結バー80bは、板状であって左右方向に長く、ベース10の左右幅を超えて延出する。連結バー80bの一端部は、下方に折り返してベース10より下側において折り返して延出する。定規本体80aは、連結バー80bの折り返した端部に設けられる。定規本体80aは、前後方向に長く、ベース10の下側において左右方向に向く。したがって定規本体80aは、被加工材Wの端縁に当接され得る。
図4,16に示すようにベース10には、連結バー80bを移動可能に収容する定規保持溝10eが形成されている。定規保持溝10eの左右両端は、ベース10の左右両側部に開口している。連結バー80bを定規保持溝10eに沿って左右方向に移動させることで、定規本体80aの左右方向の位置を調整できる。連結バー80bは、定規固定装置81によってベース10に対して固定される。
図17,18に示すように定規固定装置81は、連結バー80bを定規保持溝10eに向けて押す。定規保持溝10eは、前後端縁にテーパ10kを有する。テーパ10kに連結バー80bの前後端縁が押し付けられる。したがって連結バー80bは、定規保持溝10eのテーパ10kによって前後方向にがたつくことが抑制される。連結バー80bの下面には、前後端縁に定規保持溝10eに押し付けられるテーパを有していても良い。あるいは連結バー80bと定規保持溝10eのいずれか一方のみにテーパが設けられても良い。
図16,17に示すように定規固定装置81は、ベース10に設けられる橋部材10fと、橋部材10fのベース孔10gに挿通される孔部材86と、孔部材86に挿通される軸部材85を有する。図4に示すように橋部材10fは、ベース10の端縁(例えば左端縁)の近傍に設けられ、定規保持溝10eを前後方向に跨ぐ。図11,17に示すように橋部材10fの下方には、定規保持溝10eではなく、橋部材10fに対応する矩形状の孔10dが形成される。
図19,21に示すように孔部材86は、橋部材10fのベース孔10gに挿入される筒部86aと、筒部86aの下端縁に形成されるフランジ部86bを有する。筒部86aの上部外周に溝86gが形成される。筒部86aが橋部材10fに対して下から挿入され、橋部材10fの上方に位置する溝86gに抜け止め部材84が嵌め込まれる。これにより孔部材86が橋部材10fに取付けられる。抜け止め部材84は例えばEリングまたはCリングである。孔部材86は、先細り状の上端部86dを有する。上端部86dは、円環状であって上方ほど径が小さく全周において傾斜面になっている。したがって孔部材86の上面に切粉が積り難く、切粉が上面から孔部材86の孔86cに入ることが抑制される。
図19,21に示すようにフランジ部86bは、橋部材10fのベース孔10gの径よりも大きく、フランジ部86bの上面は、橋部材10fの下面に対面する。フランジ部86bの上面には、傾斜面86eと段差86fが形成される。図21〜24に示すように傾斜面86eは、周方向に延出し、反時計回りに徐々に上方に突出する。したがってフランジ部86bの上面に形成された傾斜面86eは側面カムを構成する。フランジ部86bには複数、例えば4つの傾斜面86eが形成され、傾斜面86eの間に段差86fが形成される。段差86fによって反時計方向に対面する壁が形成される。
図20に示すように橋部材10fの下面には傾斜面10hと段差10iが形成される。傾斜面10hと段差10iは、図21に示す孔部材86の傾斜面86eと段差86fに対応する形状を有する。傾斜面10hは、周方向に延出し、反時計回りに徐々に上方に凹んでいる。したがって橋部材10fの下面に形成された傾斜面10hは、側面カムを構成する。橋部材10fの下面には複数、例えば4つの傾斜面10hが形成され、傾斜面10hの間に段差10iが形成される。段差10iによって時計方向に対面する壁が形成される。
図19〜21を参照するように孔部材86に対して軸部材85を下方に移動させる際、孔部材86が軸部材85とともに橋部材10fに対して時計回りに力を受ける。この時、傾斜面86eが傾斜面10hに当接し、孔部材86が橋部材10fに対して下方へ押される。詳しくは、傾斜面86eと傾斜面10hは、それぞれ全面が当接するのではなく、各一部が当接する。孔部材86によって抜け止め部材84が橋部材10fの上面に押付けられる。これにより孔部材86が橋部材10fに対して軸方向にがたつくことが抑制される。しかも傾斜面86eと傾斜面10hが強く当たることで摩擦が大きくなり、孔部材86が橋部材10fに対して回転方向にがたつくことも抑制される。かくして孔部材86が振動等によって橋部材10fに対してがたつくことが抑制される。
図19〜21を参照するように孔部材86に対して軸部材85を上方に移動させる際、孔部材86が軸部材85とともに橋部材10fに対して反時計回りに力を受ける。この時、孔部材86の段差86fが橋部材10fの段差10iに当たる。これにより孔部材86が橋部材10fに対して反時計回りに回転することが抑制される。その状態でさらに軸部材85を反時計回りに回転させることで、軸部材85が孔部材86に対して反時計回りに回転して、軸部材85が上方へ移動する。
図19,20を参照するように軸部材85の上端に操作部材88が固定される。操作部材88は、軸部材85から径方向外方に延出し、使用者によって把持される。軸部材85は、大径部85aと大径部85aの下方に位置する小径部85bを有する。大径部85aの外周面に雄ねじが形成される。大径部85aは、ばね83に挿通された状態で孔部材86に螺合される。ばね83は、例えばコイルスプリングであって、上端が操作部材88に当接し、下端が橋部材10fに支持される。大径部85aは、ばね83の付勢力に抗して孔部材86の孔86cに形成された雌ねじに螺合される。
図19,20を参照するように軸部材85の小径部85bは、孔部材86から下方に突出する。小径部85bが押圧部材87の孔87cに挿通される。小径部85bの下部に形成された溝85cに抜け止め部材89が装着される。抜け止め部材89は、例えばEリングまたはCリングである。抜け止め部材89と大径部85aは、小径部85bよりも径が大きい。したがって小径部85bに押圧部材87が回転可能に取付けられる。
図19,20,25に示すように押圧部材87は、矩形状の矩形部87aと、矩形部87aの下面左右端部から下方に突出する脚部87bを有する。矩形部87aは、橋部材10fの2つの柱10jの間に挿入される。2つの柱10jは、相互に対向して起立し、矩形部87aの側面に対面する。これにより押圧部材87は、橋部材10fに対して回転制限される。
図17,18に示すように操作部材88を利用して軸部材85を軸中心に時計回りに回転させることで、軸部材85が孔部材86および橋部材10fに対して下方に移動する。軸部材85とともに押圧部材87が下方に移動し、押圧部材87の脚部87bが連結バー80bを定規保持溝10eに押し付ける。これにより平行定規80のベース10に対する位置が保持される。軸部材85を軸中心に反時計回りに回転させることで、軸部材85が孔部材86および橋部材10fに対して上方に移動する。軸部材85とともに押圧部材87が上方に移動し、押圧部材87が連結バー80bから離れる。これにより平行定規80は、ベース10に対して左右方向に位置調整可能になる。
図19に示すようにベース10の一部である橋部材10fは、ベース10の他の部分と同様にアルミニウムから成形される。一方、孔部材86と軸部材85は、橋部材10f等のベース10よりも耐摩耗性あるいは剛性の高い材料から成形される。例えば孔部材86と軸部材85は、鋼材、鉄材、チタン、チタン合金等の金属材料から成形される。孔部材86と軸部材85は、同等の耐摩耗性あるいは剛性を有する材料あるいは同じ材料から形成されることが好ましい。詳しくは孔部材86が孔86cを含む孔領域を有し、孔領域がベース10よりも耐摩耗性あるいは剛性の高い材料から成形される。例えば孔壁面に硬質クロムメッキ、焼き入れ等の表面処理が施されても良い。あるいは孔部材86の内、孔壁面のみが金属材料等で構成されても良い。
上述する携帯丸鋸(携帯用加工機)1は、図6に示すようにベース10と平行定規80と定規固定装置81を有する。ベース10は、丸鋸本体(加工機本体)20を支持しかつ被加工材Wに設置される。平行定規80は、丸鋸本体20を被加工材Wの側面に沿って移動させる際に前記側面に当てられる。図6,17に示すように平行定規80は、ベース10の定規保持溝10eにスライド可能に設置される連結バー80bと、ベース10の外方に位置する連結バー80bの端部からベース10の側縁に沿って延出する定規本体80aを有する。定規固定装置81は、ベース10に設けられる孔86cと、孔86cに螺合される軸部材85と、軸部材85の端部に設けられて連結バー80bを定規保持溝10eに押し付ける押圧部材87を有する。孔86cを含む孔領域がベース10の他領域よりも耐摩耗性が高い材料によって形成される。
したがって図17を参照するように仮に被加工材Wの加工時に生じる切粉が孔86cに入った場合でも孔領域は、耐摩耗性が高く切粉によって削られ難い。したがって孔領域が切粉によって摩耗することが少なくなり、孔86cが摩耗することで生じる押圧部材87のベース10に対するがたつきが少なくなる。これにより平行定規80をベース10に対して安定良く固定できる。
図17を参照するように孔領域(86c)が軸部材85と同種の材料によって形成される。例えば孔部材86と軸部材85が鋼材で形成される。したがって孔86cに切粉が入り込んだ場合に、孔領域が軸部材85よりも大きく削れることが抑制される。そのため孔領域が切粉によって摩耗することが少なくなり、孔86cが摩耗することで生じる軸部材85および押圧部材87のベース10に対するがたつきが少なくなる。
図17を参照するように孔領域(86c)は、鋼材から形成される。したがって孔領域は、アルミニウム等から形成されるベース10の他領域に比べて耐摩耗性が高い。そのため孔領域が切粉によって摩耗することが少なくなる。
図17に示すように防塵丸鋸1は、孔86cを含みかつベース10の他領域に対して取外し可能に装着される孔部材86を有する。したがって孔86cの孔領域が破損した場合、ベース10全体ではなく、孔部材86のみを新しい孔部材86に交換できる。これにより比較的小さな部品の交換のみで孔86cの破損を解消できる。
図17に示すように孔部材86は、先細り状の上端部86dを有する。したがって被加工材Wの加工時に生じる切粉が孔部材86の先端に積り難い。そのため孔部材86の先端に積もった切粉が孔部材86の孔86c内に入ることが少なくなる。
図17に示すようにベース10は、連結バー80bの上方に位置し、連結バー80bを跨ぐ橋部材10fを有する。橋部材10fに孔部材86が挿入されるベース孔10gが形成される。孔部材86は、ベース孔10gに挿入される筒部86aと、筒部86aの下端縁に設けられかつ橋部材10fの下面に対向するフランジ部86bを有する。筒部86aの上部に橋部材10fの上面に対向する抜け止め部材84が設けられる。したがって孔部材86は、フランジ部86bと抜け止め部材84によって橋部材10fに取付けられる。
図20,21に示すように孔部材86のフランジ部86bの上面と橋部材10fの下面の間には、相互の回転力を軸方向の力に変換して抜け止め部材84を橋部材10fに押し付ける構造が設けられている。したがって孔部材86が橋部材10fに対して強く保持され、橋部材10fに対してがたつき難くなる。
上述する携帯丸鋸(携帯用切断機)1は、図2,4に示すように円盤状刃具22を回転させる電動モータ30を備える丸鋸本体(切断機本体)20と、円盤状刃具22の外周の一部を覆うように丸鋸本体20に固定される固定カバー21を有する。ベース10は、丸鋸本体20を上方にて上下方向に角度調整可能に支持して円盤状刃具22の下方への突出量を調整するとともに丸鋸本体20を左右方向に角度調整可能に支持して円盤状刃具22の回転中心軸の傾斜角度を調整可能とする。補助カバー9は、丸鋸本体20の上下方向の揺動中心(上下揺動支軸15)近傍における固定カバー21とベース10の隙間Sにおいて円盤状刃具22の外周を覆う。補助カバー上下移動機構25は、丸鋸本体20の上下方向の角度に応じて補助カバー9を丸鋸本体20に対して移動させる。左右傾動支軸13は、補助カバー9をベース10に対して左右方向に回転可能に連結する。連動機構26は、丸鋸本体20の左右方向の角度に応じて補助カバー9を左右傾動支軸13中心に左右方向に回転させる。
したがって図2,3に示すように丸鋸本体20をベース10に対して上下方向に移動した場合のみならず、図7,9に示すように丸鋸本体20を左右方向に傾斜させた場合にも補助カバー9が丸鋸本体20の角度に追従する。固定カバー21とベース10の隙間Sの形状は、丸鋸本体20の上下方向および左右方向の角度に応じて変化するものの、隙間Sの形状変化に対応して補助カバー9が移動する。そのため固定カバー21とベース10の隙間Sから切粉が飛散することが補助カバー9によって少なくし得る。
図6,15に示すように補助カバー9は、ベース10に対して左右方向に角度調整可能に取付けられるアンギュラーガイド14を有する。アンギュラーガイド14に丸鋸本体20を連結するブラケット14b,14gが設けられる。したがってアンギュラーガイド14を左右方向に角度調整することで補助カバー9のアンギュラーガイド14と丸鋸本体20が共に左右方向に角度調整される。
図2に示すように補助カバー9は、ベース10に対して左右方向に角度調整可能に取付けられるアンギュラーガイド14と、アンギュラーガイド14と丸鋸本体20とに連結されるダストカバー24を有する。したがって図7,9に示すようにダストカバー24は、アンギュラーガイド14の左右方向の角度に連動してベース10に対して左右方向に傾動する。さらにダストカバー24は、図2,3に示すように丸鋸本体20の上下方向の角度に連動して丸鋸本体20に対して移動する。
図2,3に示すように防塵丸鋸1は、丸鋸本体20に対して上下方向に移動可能に連結する上下方向連結構造(補助カバー上下移動機構25)を有する。したがってダストカバー24は、丸鋸本体20の上下方向の角度に連動して丸鋸本体20に対して上下方向に移動する。
図2に示すように上下方向連結構造(25)は、ダストカバー24に形成された上下方向に長い上下方向長孔24dと、丸鋸本体20から突出しかつ上下方向長孔24dに挿入されて上下方向長孔24dに沿って移動するピン19を有する。したがって比較的簡易な構造によってダストカバー24が丸鋸本体20に対して上下方向に移動可能に連結される。
図2,3に示すように丸鋸本体20を上下方向に角度調整することで、円盤状刃具22の外周とベース10の交点が前後方向に移動する。防塵丸鋸1は、前記交点の移動に対応してダストカバー24の下端部を前後方向に移動させる補助カバー前後移動機構27を有する。補助カバー前後移動機構27は、アンギュラーガイド14に形成されかつ前後方向に長い前後方向長孔14fと、ダストカバー24から突出しかつ前後方向長孔14fに沿って移動可能に前後方向長孔14fに挿入されるピン24eを有する。
したがって円盤状刃具22の外周とベース10の交点が前後に移動した場合に、ダストカバー24の下端部が前後方向に移動する。これによりダストカバー24が円盤状刃具22の近傍に常に位置し得る。かくして円盤状刃具22によって発生する切粉の飛散がダストカバー24によって好適に抑制され得る。
図2に示すようにアンギュラーガイド14には、丸鋸本体20が上下方向に回転可能に取付けられるブラケット14bが設けられる。ブラケット14bにアンギュラーガイド14の前後方向長孔14fが形成される。ブラケット14bは、丸鋸本体20に取付けられるために丸鋸本体20に近接している。ブラケット14bの前後方向長孔14fにダストカバー24が連結されるため、ダストカバー24も丸鋸本体20に近接している。丸鋸本体20に円盤状刃具22が取付けられるため、ダストカバー24が円盤状刃具22に近接され得る。かくしてダストカバー24は、円盤状刃具22によって発生する切粉の飛散を好適に抑制できる。
図2,3に示すように防塵丸鋸1は、補助カバー9と補助カバー上下移動機構25を有する。補助カバー9は、丸鋸本体20の上下方向の揺動中心(上下揺動支軸15)近傍における固定カバー21とベース10の隙間Sにおいて円盤状刃具22の外周を覆うように固定カバー21に移動可能に取付けられる。補助カバー上下移動機構25は、丸鋸本体20の上下方向の角度に応じて補助カバー9を固定カバー21に対して移動させる。
したがって図2,3に示すように丸鋸本体(切断機本体)20をベース10に対して上下方向に角度調整することで補助カバー9が固定カバー21に対して移動する。丸鋸本体20を左右方向に傾斜させた場合、補助カバー9が固定カバー21に取付けられているため、補助カバー9が固定カバー21とともに左右方向に傾斜する。そのため丸鋸本体20の角度によって固定カバー21とベース10の隙間Sの形状が変化するものの、隙間Sの形状に対応して補助カバー9が移動する。これにより補助カバー9は、固定カバー21とベース10の隙間Sから切粉が飛散することを抑制できる。
図2,3に示すように携帯丸鋸(携帯用切断機)1は、円盤状刃具22の外周の一部を覆うように丸鋸本体(切断機本体)20に取付けられるカバー体(9,21,23)を有する。カバー体は、丸鋸本体20とともに左右方向に傾動する。カバー体の一部は、丸鋸本体20の上下方向の揺動中心(上下揺動支軸15)近傍におけるカバー体とベース10の隙間Sを小さくするように丸鋸本体20の上下方向の揺動に連動して丸鋸本体20に対して上下方向に移動する。
したがって図2,3に示すように丸鋸本体20をベース10に対して上下方向に角度調整することでカバー体(9,21,23)の一部が丸鋸本体20に対して上下方向に移動する。図7,9に示すように丸鋸本体20を左右方向に傾動させた場合、カバー体は、丸鋸本体20に取付けられているために丸鋸本体20とともに傾動する。そのため丸鋸本体20の角度によってカバー体とベース10の隙間の形状が変化する可能性があるものの、丸鋸本体20の角度に応じてカバー体の一部(ダストカバー24)の位置および角度が変化する。これによりカバー体とベース10の隙間Sを小さくでき、切粉の飛散を確実に抑制できる。
図2,3に示すようにダストカバー24は、上下方向長孔24dに挿入されたピン19によって丸鋸本体20に対してスライド可能に連結される。これに代えてダストカバー24は、丸鋸本体20に設けられた案内壁に当接しつつスライドし、案内壁によって支持されても良い。
携帯用切断機の1例として防塵丸鋸1を上述した。これに代えて携帯用切断機は、円形の刃具としてダイヤモンドホイールを回転させるカッタ等であっても良い。
補助カバー9と丸鋸本体20は、上述するように一体となって左右傾動支軸17を中心に左右方向に傾動する。これに代えて補助カバー9と丸鋸本体20が別個に左右傾動支軸17に対して傾動可能に取り付けられても良い。この場合、丸鋸本体20の左右方向の傾動に連動させて補助カバー9を左右方向に傾動させる連動機構として、例えばリンク機構等が設けられることが好ましい。
図2,3に示すように上下方向連結構造(25)は、ダストカバー24に形成された上下方向に長い上下方向長孔24dと、丸鋸本体(切断機本体)20から突出しかつ上下方向長孔24dに沿って移動可能に上下方向長孔24dに挿入されるピン19を有する。これに代えて上下方向連結構造(25)は、丸鋸本体20に形成された上下方向に長い上下方向長孔と、ダストカバー24から突出しかつ上下方向長孔に沿って移動可能に上下方向長孔に挿入されるピンを有していても良い。
図2,3に示すように補助カバー前後移動機構27は、アンギュラーガイド14に形成されかつ前後方向に長い前後方向長孔14fと、ダストカバー24から突出しかつ前後方向長孔14fに沿って移動可能に前後方向長孔に挿入されるピン24eを有する。これに代えて補助カバー前後移動機構27は、ダストカバー24に形成されかつ前後方向に長い前後方向長孔と、アンギュラーガイド14から突出しかつ前後方向長孔に沿って移動可能に前後方向長孔に挿入されるピンを有していても良い。
図1〜25に示す防塵丸鋸1に代えて図26〜47に示す防塵丸鋸1であっても良い。図26〜47に示す防塵丸鋸1は、図3,12に示すダストカバー24に代えて図28,37に示すダストカバー29を有する。図26〜47に示す防塵丸鋸1は、図5に示すダクト65に代えて図29に示すブロワ機構90を有する。図26,45に示すダストボックス28は、図1に示す構造に加えて仮保持機構28jを有する。以下、図1〜25に示す防塵丸鋸1と相違する点を中心に図26〜47に示す防塵丸鋸1について説明する。図1〜25に示す防塵丸鋸1と同じ部品については同じ番号を付して図26〜47に示す防塵丸鋸1について説明する。
図27,28に示すように防塵丸鋸1は、補助カバー9を有する。補助カバー9は、ダストカバー29と、ダストカバー29をベース10に連結するアンギュラーガイド14を有する。図37〜40に示すようにダストカバー29は、上下方向に長い第1側壁29aと、第1側壁29aに対向する第2側壁29cと、第1側壁29aと第2側壁29cの前端を連結する前壁29bを有する。第1側壁29aの上下中央領域に孔29gが形成される。孔29gには図27に示す軸部材27Aが挿通され、軸部材27Aはアンギュラーガイド14の孔14kにも挿通される。これによりダストカバー29は、アンギュラーガイド14に対して回転可能に連結される。
図37,38に示すように第1側壁29aにはカム面29d,29eが形成される。カム面29dは、第1側壁29aの後縁上領域に位置し、例えば孔29gよりも上方に位置する。カム面29eは、第1側壁29aの後縁下領域に位置し、例えば孔29gよりも下方に位置する。カム面29d,29eは、それぞれ前方に凹んでおり、カム面29d,29eの間には後方へ突出する凸部29fが形成される。
図38に示すように第2側壁29cの上下長さは、第1側壁29aよりも短い。第2側壁29cの上端は、第1側壁29aの上端よりも下方に位置し、第2側壁29cの下端は、第1側壁29aの下端よりも上方に位置する。第2側壁29cの幅は、第1側壁29aよりも狭く、第2側壁29cの後縁は、第1側壁29aの後縁よりも前側に位置する。第2側壁29cの後縁は、円弧状であって、図27に示すように刃具22の外周縁に沿って延出する。
図37,39,40に示すように前壁29bは、第1側壁29aの前縁と第2側壁29cの前縁を連結し、図30に示すように刃具22の外周縁に対面する。刃具22の外周縁は、第1側壁29aと第2側壁29cと前壁29bによって形成された溝29f内あるいは溝29fの近傍に位置する。したがって加工時に刃具22によって生じる切粉は、溝29fに沿って吹き上げられる。
図37〜40に示すようにアンギュラーガイド14は、前壁14aと前壁14aから後方に延出する第1ブラケット14jと第2ブラケット14gを有する。第1ブラケット14jは、前壁14aの一端部から後方に延出し、第2ブラケット14gが前壁14aの中央領域から後方に延出する。第1ブラケット14jと第2ブラケット14gは、平行に延出する。
図27,28に示すように補助カバー9は、補助カバー傾動機構25Aによって丸鋸本体20に対して傾動する。例えば丸鋸本体20を図27に示す下位置から図28に示す上位置に回転させることで、補助カバー9の1部品であるダストカバー29が丸鋸本体20に対して前方に傾く。補助カバー傾動機構25Aは、ダストカバー29のカム面29d,29eと、カム面29d,29eに当接するピン(カムフォロワ)19A,19Bを有する。
図27,28に示すようにピン19A,19Bは、丸鋸本体20に設けられる。例えばピン19A,19Bは、固定カバー21に設けられ、固定カバー21の左側面21aから右方向に突出する。ピン19A,19Bは、円柱状であって外周面がカム面29d,29eに当接する。丸鋸本体20を図27に示す下位置にすることで、ピン19A,19Bがそれぞれカム面29d,29eの下領域に当接する。丸鋸本体20を図3に示す上位置にすることで、ピン19A,19Bがそれぞれカム面29d,29eの上領域に当接する。
図27,28に示すように丸鋸本体20をベース10に対して上下揺動支軸15を中心に上方に移動させる際、ピン19Aが上方に移動しかつカム面29dを前方に押す。これによりダストカバー29が軸部材27Aを中心に時計回りに回転する。丸鋸本体20をベース10に対して上下揺動支軸15を中心に下方に移動させる際、ピン19Bが下方に移動しつつカム面29eを前方に押す。これによりダストカバー29が軸部材27Aを中心に反時計回りに回転する。
図38に示すようにアンギュラーガイド14の第1ブラケット14jの後ろ領域に孔14kが形成される。孔14kには、ダストカバー29の孔29gを貫通した軸部材27Aが挿入される。したがってダストカバー29は、軸部材27Aを中心に回転可能であり、アンギュラーガイド14を介してベース10に回転可能に連結される。
図27に示すように丸鋸本体20が下位置に位置する際、ダストカバー29の下端は、ベース10に近接する。これによりダストカバー29は、ベース10と固定カバー21の前端との間の隙間Sを覆う。丸鋸本体20を図27に示す下位置から図3に示す上位置に回転させることで、刃具22とベース10の交点に対応する刃具22の前端の位置が後方に移動する。
これに対応してダストカバー29の下端部もベース10に対して後方へ移動する。したがってダストカバー29の下端部は、丸鋸本体20の上下方向の揺動角度に応じて前後方向に移動し、常に刃具22の近傍に位置する。したがってダストカバー29は、ベース10と固定カバー21の前端との間の隙間Sを効果的に覆う。
図31〜34に示すように補助カバー9は、連動機構26(アンギュラーガイド14)を利用して丸鋸本体20の左右方向の角度に応じてベース10に対して左右方向に傾動する。すなわちアンギュラーガイド14がベース10に対して左右傾動支軸13を中心に回転可能に連結される。アンギュラーガイド14の孔14kに挿入された軸部材27Aを介して補助カバー9がアンギュラーガイド14に連結される。したがって丸鋸本体20をアンギュラーガイド14ととともにベース10に対して左右方向に傾動させると、補助カバー9もアンギュラーガイド14ととともにベース10に対して左右方向に傾動する。
図30,31に示すように丸鋸本体20には、モータハウジング4内の空気を前方に吹出すブロワ機構90が設けられる。ブロワ機構90は、モータハウジング4に装着されるブロワベース92と、ブロワベース92に装着される回転ノズル91を有する。ブロワベース92は、モータハウジング4の開口部4dを覆うようにモータハウジング4に装着される。開口部4dは、冷却ファン36の径方向外側すなわち冷却ファン36の風の直下領域に位置する。開口部4dは、前方に向いており、ブロワベース92によって覆われる。
図41〜44に示すようにブロワベース92は、前壁92aと前壁92aの外周から後方に起立する周壁92bを有する。周壁92bの上部から上アーム92eが上方に延出する。上アーム92eの上端から後方に上取付部92fが延出する。上取付部92fには左右方向貫通する取付穴92gが形成される。周壁92bの下部から下アーム92hが下方に延出する。下アーム92hの下端から下取付部92jが後方に延出する。下取付部92jには左右方向に貫通する取付穴92jが形成される。
図34に示すように取付穴92g,92jに挿入されたねじ93によってブロワベース92がモータハウジング4の前面に取付けられる。図42に示すように前壁92aには円形状の開口部92cと複数の延出溝92dが形成される。複数の延出溝92dは、例えば3つであって、開口部92cから径方向外方に延出する。複数の延出溝92dは、等間隔に位置し、例えば120°間隔で位置する。開口部92cに回転ノズル91が貫通されて、回転ノズル91がブロワベース92に装着される。
図41〜44に示すように回転ノズル91は、同軸上に設けられる円筒状の本体ノズル91aと首部91cとストッパ部91bを有する。本体ノズル91aの外周面には複数の凸部91eが形成される。複数の凸部91eは、本体ノズル91aから径方向に突出し、周方向に等間隔で配される。例えば3つの凸部91eが120°の間隔で配される。凸部91eは、本体ノズル91aの外周面において軸方向に所定の長さを有する。凸部91eが延出溝92dを貫通するように回転ノズル91がブロワベース92の開口部92cに後方から挿入される。
図41〜44に示すようにストッパ部91bは、本体ノズル91aとブロワベース92の開口部92cよりも大きい径を有する。そのためストッパ部91bは、回転ノズル91が開口部92cに挿入されることで、ブロワベース92の前壁92aの後面に当接する。これにより回転ノズル91がブロワベース92に対して前方に抜けることが防止される。
図41〜44に示すように本体ノズル91aの凸部91eをブロワベース92の延出溝92dに後方から貫通させる。そして本体ノズル91aをブロワベース92に対して軸中心に回転させる。これにより凸部91eがブロワベース92の前壁92aの前面に位置し、回転ノズル91がブロワベース92に対して後方に抜けることが防止される。回転ノズル91をブロワベース92に装着することで、首部91cが開口部92cに位置する。
回転ノズル91は、向き変更機構94によってブロワベース92に対して軸中心に回転可能である。図16,18に示すように向き変更機構94は、ブロワベース92の開口部92cと回転ノズル91の首部91cを有する。首部91cは、本体ノズル91aと同等の径を有し、凸部91eを有していない。首部91cが円筒状であり、開口部92cが円形状である。そのため首部91cが開口部92cに対して回転可能でかつ安定良く支持され得る。かくして回転ノズル91がブロワベース92に対して軸中心に回転可能に連結される。
図41〜44に示すように向き変更機構94は、さらにストッパ部91bと凸部91eを有し、回転ノズル91がブロワベース92から抜けることを防止する。回転ノズル91の首部91cには、Oリング95が設けられる。Oリング95は、ストッパ部91bとブロワベース92の前壁92aの間に位置して回転ノズル91とブロワベース92の間の隙間を塞ぐ。
図41,43に示すように回転ノズル91は、軸線に対して傾斜角度を有する前面91fと吹出口91dを有する。吹出口91dは、回転ノズル91の先端において軸線に対して傾斜して延出する。吹出口91dは、前面91fと同様に軸線に対して傾斜しており、吹出口91dから吹出される風は、軸線に対して所定の角度を有する。
図30,31に示すようにブロワ機構90は、丸鋸本体20の前面に位置する。冷却ファン36によって生じた風は、モータハウジング4の開口部4dを経てブロワベース92内に導入される。ブロワベース92内の空気は、回転ノズル91の軸中心の貫通穴を通過する。回転ノズル91の吹出口91dは、前方に開口しており、風が吹出口91dを経て丸鋸本体20の前方に吹出される。
図31を参照するように回転ノズル91は、前後方向に延出する軸線を中心に所定の角度に設定される。回転ノズル91を軸中心に回転させることで、吹出口91dは、左右方向および上下方向に向く。そのため吹出口91dから吹出される風は、左右方向および上下方向に調整され得る。
図30,31に示すようにブロワ機構90は、冷却ファン36の回転径方向外方に位置し、冷却ファン36によって生じる風の直下に位置する。そのため冷却ファン36から吹出口91dまでの距離が短く、この間を流れる風が受ける摩擦抵抗が小さい。そのため吹出口91dから吹出される風の速度は、比較的速い。吹出口91dから吹出される風の向きは、回転ノズル91によって決定される。例えば回転ノズル91がベース10のスミ線ガイド10cに向けられ、風がスミ線ガイド10cに向けて流れる。
図30,31に示すようにブロワ機構90の吹出口91dをスミ線ガイド10cに向けた場合は、吹出口91dから吹出された風によってスミ線ガイド10cの近傍に堆積する切粉等を吹き飛ばすことができる。
図45〜47に示すようにダストボックス28は、蓋28dから外された栓28fを一時的に保持する仮保持機構28jを有する。仮保持機構28jは、一対のレール28kと、一対のレール28kの後端を連結する橋部28lを有する。一対のレール28kは、ボックス本体28aの外周面に沿って前後方向に延出する。橋部28lは、ボックス本体28aの外周面との間に隙間を形成する。栓28fは、蓋28dの開口部28d1に挿入される筒部28f2と、開口部28d1を覆う覆い部28f1を有する。覆い部28f1は、円形であって、筒部28f2の径よりも大きく、筒部28f2の一端から径方向外方に突出する。
図46,47に示すように栓28fの覆い部28f1をレール28kの下方に挿入しつつ、栓28fをレール28kに沿って後方に移動させる。これにより覆い部28f1が橋部28lとレール28kの下方に位置する。筒部28f2は、レール28kの間から上方に突出する。栓28fを仮保持機構28jから取外す場合は、栓28fをレール28kに沿って前方に移動させる。ダストボックス28内における切粉および空気は、前方から後方に流れて、切粉のみが後部に堆積する。一方、空気は、前方から後方に流れた後、下降しつつ反転して前方に流れ、逃がし用孔28mからダストボックス28の外に排出される。続いて空気は、例えば固定カバー21内において右方に曲がって流れ、固定カバー21の外に排出される。
上述するようにブロワ機構90は、風を吹き出す吹出口91dと、吹出口91dの向きを変更できる向き変更機構94を有する。したがってブロワ機構90から吹出される風の向きを例えば作業状況に応じて所望の角度に設定できる。
上述するブロワ機構90は、風の吹出口91dを有しかつ吹出口91dが丸鋸本体(切断機本体)20の前方の空中に舞う切粉を吹き飛ばすことのできる向きに設定される。これにより作業者の目の前に浮遊する切粉を飛ばすことができる。
上述するようにダストカバー24,29は、ベース10の前端近傍に設けられたアンギュラーガイド14を介してベース10に取付けられる。したがってダストカバー24,29を小さくすることができる。例えばダストカバーを刃具22の回転中心に対して回転可能に連結させる場合は、ダストカバーを刃具22の回転中心からベース10の前端近傍まで延出させる必要がある。このようなダストカバーに比べてダストカバー24,29を小さくすることができる。
図27,28に示すように防塵丸鋸1は、ダストカバー29を丸鋸本体(切断機本体)20に対して上下方向に移動可能に連結する上下方向連結構造(補助カバー傾動機構25A)を有する。上下方向連結構造は、丸鋸本体20がベース10に対して上下動する際、ダストカバー29をベース10に対して傾動させ、丸鋸本体20に対しては上下方向に移動させる。
上下方向連結構造は、ダストカバー29に形成された上下方向に長いカム面29d,29eと、丸鋸本体20から突出しかつカム面29d,29eに沿って移動可能にカム面29d,29eに当接されるカムフォロワ(ピン19A,19B)を有する。したがって比較的簡易な構造によってダストカバー29が丸鋸本体20に対して上下方向に移動可能に連結される。
図27,28に示す上下方向連結構造(補助カバー傾動機構25A)は、カム面29d,29eとカムフォロワ(ピン19A,19B)を有する。これに代えて上下方向連結構造(補助カバー傾動機構25A)は、丸鋸本体20に形成された上下方向に長いカム面と、ダストカバー29から突出しかつカム面に沿って移動可能にカム面に当接されるカムフォロワ(ピン)を有していても良い。
添付の図面を参照して詳細に上述した種々の実施例は、本発明の代表例であって本発明を限定するものではありません。詳細な説明は、本教示の様々な態様を作成、使用および/または実施するために、当業者に教示するものであって、本発明の範囲を限定するものではありません。更に、上述した各付加的な特徴および教示は、改良された携帯用切断機および/またはその製造方法と使用方法を提供するため、別々にまたは他の特徴および教示と一緒に適用および/または使用され得るものです。