本発明の第1の実施の形態による切断工具について図1乃至図7及び図10乃至図12に基づき説明する。図1に示されるように、切断工具1は加工材Pを切断するための電動工具であり、固定定盤10と丸鋸装置50とを有している。固定定盤10はベース部11と、バイス装置20と、支持部30とを備えている。丸鋸装置50は切断機に相当し固定定盤10はベース台に相当する。
はじめに、本発明の固定定盤(ベース台)10について、図1及び図2、図10乃至図12に基づき説明する。ベース部11は、管状の加工材P等を載置するための上面10Aと、支持部30との連結箇所となるピン10Bとを備えて構成されている。このピン10Bは、その軸方向が上面10Aと平行になるように構成されており、ピン10Bの軸方向においてピン10Bに対して加工材Pが載置される場所の側を前側とし、前側の反対側を後側と定義する。また上面10Aの上方を上側、上側の反対側を下側と定義する。また、前後方向に垂直且つ上下方向に垂直の方向を左右方向と定義し、図1の紙面の裏側から表側へ向かう方向を左方向と定義し、図1の紙面の表側から裏側へ向かう方向を右方向と定義する。
ベース部11には、バイス装置20が設けられており、フェンス(固定バイス)11Aがベース部11に対して固定可能にベース部11の上面10Aに立設されている。ベース部11には、後述のように切断刃たる鋸刃61が下方に揺動したときに、ベース部11の上面10Aよりも下方へ侵入可能な溝10Dが形成されている。丸鋸装置50が固定定盤10側に最も揺動した状態のときに、鋸刃61は後述の第1当接面から第2当接面までの間の領域における当該溝の部分に侵入しベース面と交わるように構成されている。
フェンス11Aはその長手方向に垂直に切った断面が、図1等に示されるように略L字状をなしており、当該L字をなす底面の部分はレバー11Bにより締め付けることにより、ベース部11に対して固定することができるように構成されている。レバー11Bを緩めることにより、レバー11Bの軸11B1は、フェンス11Aの当該L字をなす底面に形成された円弧状の長穴11a(図2等)内を相対的に移動可能となり、このことによりフェンス11Aは、L字をなす側面がベース部11の上面10Aに垂直の状態を保ったまま回動軸11Fを支点に回動可能である。フェンス11Aは固定手段、固定部材に相当し、L字をなすフェンス11Aの側面11Eは第1当接面に相当する。また、フェンス11Aには長穴11aに沿って目盛りが設けられており、回動軸11Fを支点に回動した際に目盛りとベース部上面10Aに設けた印によって回動角度が分かるようになっている。
バイス装置20は加工材当接部21と当接部支持部22とを有している。加工材当接部(移動バイス)21は、ベース部11の上面10Aに平行に延出する長細い形状をなし、その略中央位置には、略棒状をした当接部支持部22の一端が接続されている。
加工材当接部21は、ベース部11の上面10Aに平行の方向において当接部支持部22の一端に対して軸21Aにより揺動可能である。当接部支持部22の中間部分はベース部11の上面10Aに固設された支持部固定部11Cに係合しており、支持部固定部11Cに設けられたレバー11Dを回動することにより、支持部固定部11Cを介して当接部支持部22をベース部11に固定することができるように構成されている。レバー11Dを緩めることにより、加工材Pの大きさに応じて当接部支持部22(加工材当接部21)を前後方向に移動可能とすることができる。
レバー11Bを緩めフェンス11Aを所望の回動角度としてレバー11Bを締めてフェンス11Aを固定し、レバー11Dを緩め、当接部支持部22と共に加工材当接部21を後方へ移動させてゆき、加工材当接部21を加工材Pに当接させ、レバー11Dを締めることにより、L字をなすフェンス11Aの側面と加工材当接部21とで加工材Pを挟持して、ベース部11に対して固定することができる。バイス装置20は固定手段に相当し、加工材当接部21は移動部材に相当し、加工材Pに当接する加工材当接部21の当接面21Aは第2当接面に相当する。
支持部30は、図1に示されるように揺動支持部31から主に構成されている。揺動支持部31はその一端がベース部11に固定されたピン支承部10Cに支承されたピン10Bで支持されて、上面10Aの上方に延出して設けられている。よって支持部30は、ピン10Bを揺動軸としてベース部11の上面10Aに対して揺動可能となっている。揺動支持部31の他端には、後述の丸鋸装置50を固定可能な取付け部31Aが設けられている。
取付け部31Aの上面31Bは略平面状をなしており、取付け部31Aの上面31Bに一対のねじ穴31Dが形成されている。後述のベース51の底面51Aと面で当接した状態で、当該ベース51に形成されたネジ穴52aにネジ33を貫通し当該ネジ33をねじ穴31Dに螺合させることで、当該ベース51を取付け部31Aに固定することができる。
取付け部31Aには、保護カバー支持部材31Cが設けられている。保護カバー支持部材31Cは、取付け部31Aの上面31Bであって後述のように丸鋸装置50のベース51を取付け部31Aに固定したときに鋸刃61の一方の側面の側の部分にねじ止めされて固定されており、図7に示されるように略長方形状をした板状をなし、当該取付け部31Aの上面31Bに平行に当該上面31Bから略前方へ延出している。保護カバー支持部材31Cの延出端は、後述の丸鋸装置50のセイフティカバー65の周方向の端部たる下端であって鋸刃61の一方の側面の側の部分65Aに当接可能である。
保護カバー支持部材31Cが設けられているため、丸鋸装置50をベース台に装着したいわゆる定置型として使用しているときに、丸鋸装置50を揺動させて鋸刃61により加工材Pを切断する際に、後述のように第2所定量だけ鋸刃61をセイフティカバー65で覆っている状態とすることができ、セイフティカバー65が加工材Pと鋸刃61との間に位置することによりセイフティカバー65が切断の妨げになることを防止することができる。この結果、作業性を向上させることができる。
また、保護カバー支持部材31Cは取付け部31Aに設けられているため、丸鋸装置50をベース台に装着したときに、取付け部31Aに設けられた保護カバー支持部材31Cにより容易にセイフティカバー65を支持した状態とすることができる。
また、ベース部11には、後述の丸鋸装置50を取付け部31Aに取り付けた状態における揺動下限位置において、丸鋸装置50をその位置に維持するための維持手段となるチェーン11Gが設けられている。チェーン11Gを丸鋸装置50の不図示の引っ掛け部に引っ掛けることで、丸鋸装置50を揺動下限位置に維持しておくことができるため、切断工具1を運搬する際等の運搬性を向上させることができる。
また、支持部30には、図12に示すように、スプリング30Aがピン10B周りに設けられており、揺動支持部31を常時上方へ付勢している。これにより、取付け部31Aは常時上方へ向いているため、丸鋸装置50を取付け部31Aに取り付ける際の作業性を向上することができる。
また、取付け部31A後部には、取付け部31Aの上面31Bに対して鋭角をなし前方へ延出する伸延部32が設けられている。伸延部32は直線状に延出し、先端部は前方へ向けて取付け部31Aの上面31Bに平行に延出している。伸延部32の延出端には、丸鋸装置50を取付け部31Aに装着したときに、図1等に示されるように、後述のソーカバー63の後部が当接し、後述のベース51に対して鋸刃61が最も下方へ揺動した状態となり、鋸刃61がベース51に対して揺動しない状態とすることができる。
すなわち、丸鋸装置50の鋸刃61のべース51底面から下方への突出量を変更するための後述するリンク50A及びボルト50Bによって、ベース51に対して丸鋸本体60が固定されておらず、ベース51の底面からの鋸刃61の突出量が設定されていないフリーの状態でも、ベース51が取付け部31Aに取り付けられ、且つ丸鋸本体60のソーカバー63が伸延部32に当接するため、ベース51に対して鋸刃61が最も下方へ揺動した状態を維持することができる。従って、丸鋸装置50をベース台10に取り付けた状態において、鋸刃61のベース51底面からの突出量を最大に維持した状態で切断作業を行うことができる。
次に丸鋸装置50について説明する。丸鋸装置50は、切断作業時に加工材P上に当接配置されるベース51と、ベース51の加工部材当接面たる底面51Aとは反対側の面に位置してベース51に対して回動可能に接続されて設けられた丸鋸本体60とにより主に構成される。
ここで、ベース51について図6に基づき説明する。図6(a)はベースの側面図、図6(b)はベースの上面図であって、後述のサブベース部53をメインベース部52から取り外した状態、図6(c)はサブベース部53をメインベース部52に取り付けた状態を示す。図6(d)はベースの側面図である。ベース51は、後述のハウジング62に対して回動可能に接続されたメインベース部52と、メインベース部52に着脱可能なサブベース部53とからなり、一面側たる底面51Aと当該底面51Aに対向配置された他側面たる上面51Bとを有している。底面51Aは加工材P上に当接して摺動し、ベース51には鋸刃61を加工材P側に突出させるための開口部51aが形成されている。メインベース部52は、平面視で輪郭が略長方形状をなしており、その一の角部を含む部分があたかも切欠かれたような形状をなしている。
サブベース部53は、メインベース部52の当該切欠かれた部分に略合致した形状をなしており、サブベース部53がメインベース部52に装着されて構成されるベース51全体の輪郭形状は略長方形状をなす。開口部51aはメインベース部52にサブベース部53が装着された状態のときにこれらの協働により画成される。即ち、サブベース部53は開口部51aの周囲の一部のみ、即ち、鋸刃61の一対の側面の一方の側に対する他方の側に対向する部分を主に構成しており、ベース51の他の部分はメインベース部52により構成されている。
サブベース部53のメインベース部52への装着は、サブベース部53からメインベース部52の方向へ延出する一対のピン53Aによりなされる。ピン53Aがそれぞれメインベース部52の上面51Aから突出する環状部52Aに挿入され、環状部52Aに設けられたボルト52Bの先端をピン53Aに当接させボルト52Bを更に締め付けることにより、ピン53A及びサブベース部53がメインベース部52に固定される。メインベース部52は、開口部51aに挿入される鋸刃61の一対の側面の一方の側面の側に位置しており、サブベース部53は、開口部51aに挿入される鋸刃61の一対の側面の他方の側面の側に位置している。
また、ベース51上面(サブベース部上面)には、丸鋸装置50をハンディ式として用いる場合に、平行定規等を着脱するための定規取付け部51C、鋸刃61の延長線上に位置し鋸刃61の位置の目印51Dが設けられている。更に、丸鋸本体60をベース51に対して揺動支持部34の回動ピン35を中心に揺動させた際のベース51の底面51Aからの鋸刃61の突出量を調整するためのリンク50Aがベース上面51Bから突出して設けられている。
丸鋸装置50をハンディ式として用いる場合には、メインべース部52にサブベース部53を装着した状態として使用する。メインブース部52とサブベース部53とによりベース51を構成することで、ハンディ式として用いる場合にベース51の加工材への当接部分が多くなるため、安定して加工材上を摺動することができる。丸鋸装置50を固定定盤10に装着して定置式として用いる場合には、サブベース部53をメインベース部52から取り外した状態として使用する。定置式として使用するときにサブベース部53を取り外すことで、開口部51aを画成しているベース51の一部が取り除かれることになり、サブベース部53が取り外された空間たるメインベース部52の切欠きの部分を通して、加工材Pに対して切断している鋸刃61の部分や切断箇所等を目視することができ、加工材Pに対して切断している鋸刃61の部分や切断箇所等を目視する際にベース51が妨げとなることを防止することができる。この結果、鋸刃61や切断箇所等の視認性を向上させることができ、作業性を高めることができる。
また、メインベース部52には、一対のネジ穴52aが開口部51aの延出方向に垂直の方向に離間して配置され形成されており、ネジ33(図5)をネジ穴52aに係合させ、取付け部31Aの上面31Bのネジ穴31Dに螺合させることによりメインベース部52を取付け部31Aに固定可能である。
また、ベース51の切断方向後方側端部付近には、丸鋸本体60をベース51に対して回動させる回動支持部34が設けられており、回動支持部34には回動ピン35が後述の丸鋸軸61Aと平行に延び、ハウジング62をベース51に対して回動可能に支承している。
丸鋸本体60は鋸刃61を備え、鋸刃61を回転可能に支承するハウジング62と、ソーカバー63とにより外郭をなしており、ハウジング62は鋸刃61の一側面側(一対の側面の一方の側たる図1の鋸刃61の紙面の裏側、図2の上側)に位置している。ハウジング62内には、鋸刃61を回転駆動するための図示せぬモータや図示せぬモータの回転を鋸刃61に伝達する図示せぬ動力伝達機構が内蔵されている。
図示せぬモータは、丸鋸装置50において鋸刃61の一対の側面の一方の側に配置され、メインベース部52に装着されたサブベース部53は、前述のように一対の側面の他方の側に位置する。このため、加工材Pに対して切断している鋸刃61の部分を目視する際の妨げとなるモータが設けられていない鋸刃61の他方の側面の側において、鋸刃61の視認性をより向上させることができる。
ハウジング62の頂部にはハンドル64が設けられており、ハンドル64には作業者が操作しモータの起動等を行うトリガ64aが設けられている。ソーカバー63は、鋸刃61の上半分を覆い、ハウジング62の一端部に一体に設けられ、回動支持部34に回動ピン35によって連結され、ベース51に対してハウジング62(丸鋸本体60)が揺動可能に配置されている。また、ベース51と丸鋸本体60との間には、丸鋸本体60の回動位置の固定及びその解除をするための図示せぬ固定解除機構が設けられている。
また、丸鋸本体60には、丸鋸装置50の不使用時に鋸刃61の下半分を覆うためのセイフティカバー65が丸鋸軸61Aを中心に回動可能に設けられている。鋸刃61の側面に垂直をなす断面で切ったセイフティカバー65の断面は、図7に示されるように、鋸刃61の一方の側面と他方の側面とに渡って覆うような略コの字状をなしている。セイフティカバー65は鋸刃61の側面に沿って回動可能である。セイフティカバー65は保護カバーに相当する。
前述した保護カバー支持部材31Cは、前述のようにセイフティカバー65の図1に示される下端であって鋸刃61に関して鋸刃61の一方の側に位置する部分65Aに当接することによりセイフティカバー65を支持可能であり、このため、加工材Pを切断している鋸刃61を目視する際の障害となる恐れのある保護カバー支持部材31C及びモータを、鋸刃61の一方の側面の側にまとめて配置することができ、加工材Pを切断している鋸刃61の目視の妨げとなる部材を鋸刃61の他方の側面の側において極力少なくすることができる。この結果、加工材Pを切断している鋸刃61の視認性を高めることができ、作業性を向上させることができる。
セイフティカバー65の回動軸近傍には、図13に示すように、鋸刃61をより広い面積でセイフティカバー65により覆うための保護カバー付勢部材たるバネ66がセイフティカバー65の回動軸に巻回されて設けられており、バネ66は、鋸刃61のベース底面51Aからの突出部分を覆う量が増加する方向へセイフティカバー65を回動するように付勢する。バネ66の一端側は、セイフティカバー65のバネ取付け部65aに取り付けられ、他端側は丸鋸本体60の鋸刃61に対向する部分に取り付けられている。セイフティカバー65に外部から力が作用していないときには、バネ66の付勢力により初期位置である第1位置(図13(a))までセイフティカバー65は回動し、開口部51aから底面51A側へ突出する鋸刃61の突出部分を第1所定量で覆うことが可能である。このようなバネ66を有するため、加工材Pを切断している時の鋸刃61の露出量を最小限に抑えることができ、切断屑が飛散することを極力抑制することができる。
また、定置型として使用する際に保護カバー支持部材31Cにセイフティカバー65が当接すると、図13(b)に示すように、バネ66の付勢力に抗してセイフティカバー65が鋸刃軸61Aを中心に回動するように構成されている。すなわち、定置型として使用する際、セイフティカバー65が保護カバー支持部材31Cに当接して回動した場合のみバネ66が伸び、初期状態(図13(a))ではバネ66が伸びないように構成されているため、バネ66の寿命を延ばすことができる。
また、丸鋸装置50において、ハンドル64の一端には電池パック67を着脱可能である。電池パック67は、ピン10Bの軸心から鋸刃61の軸心へ向かう仮想直線を更に鋸刃61の軸心から先へ延長した丸鋸装置50の部分、即ち、図1に示されるように、ハンドル64の下方の部分に装着されるように構成されている。この部分は、丸鋸装置50を固定定盤10に取り付けた状態で鋸刃61よりも丸鋸装置50の揺動軸心から離間した丸鋸装置50の部分であるため、作業者が揺動動作する際に電池パック67の重さにより小さな力で簡単に丸鋸装置50を固定定盤10に対して揺動することができる。又、図示せぬモータの電源として電池を用いることにより、丸鋸装置50及び切断工具1を使用する際に携帯性を向上することができる。
加工材Pをその後端面から前方に向かって切断するときは、セイフティカバー65は自動的に回動して鋸刃61の下半分を露出させる。また、鋸刃61の周方向におけるセイフティカバー65の端部たる下端には、保護カバー支持部材31Cの延出端が当接可能である。固定定盤10に丸鋸装置50を装着していわゆる定置型として用いる際には、丸鋸装置50のメインベース部52を取付け部31Aに載置する前に作業者がセイフティカバー65を後述の第2所定量よりも突出部分がより露出した状態となるまで回動させた状態とし、この状態のまま取付け部31Aにメインベース部52を載置し、ネジでメインベース部52を取付け部31Aに固定する。その後作業者がセイフティカバー65を放すと、セイフティカバー65はバネ66の付勢力により回動し、セイフティカバー65の下端は保護カバー支持部材31Cの延出端に当接し、これ以上回動することが阻止されるように構成されている。
このように当接した状態のセイフティカバー65の位置において鋸刃61を覆うセイフティカバー65の覆い量は第2所定量をなし、第2所定量は所定量に相当する。ここで、第2所定量とは、丸鋸装置50が揺動してセイフティカバー65が固定定盤10の一部又は加工材Pに当接したときに、セイフティカバー65の下端が前述の第1当接面から第2当接面までの間の領域に位置する量であり、当該当接したときにセイフティカバー65が移動可能な状態である程度の量であり、より具他的には、加工材Pの切断時に加工材Pに接触し始める鋸刃61の部分が露出する量である。換言すれば、底面51Aから突出する鋸刃61の突出部分の一部であって最も底面51Aから離間した突出部分の突出端がセイフティカバー65により覆われずに露出する量以上の量である。更により詳細には、第2所定量とは、第1当接面から第2当接面までの間の領域内であってベース51の底面51A側に突出する鋸刃61の少なくとも底面51Aに対して最も離間した部分たる突出部分の突出端が露出する位置から、第2当接面までの間の位置にセイフティカバー65が回動される量である。
このような量であるため、丸鋸装置50を揺動させて鋸刃61により加工材Pを切断する際に、露出した鋸刃61を確実に加工材Pに接触させることができ、加工材Pを確実に切断することができる。従って、操作性を向上できると共に、第2所定量でセイフティカバー65は鋸刃61を覆っているため切断屑が飛散することを抑制することができる。又、丸鋸装置50の揺動に連動してセイフティカバー65を自動的に回動することができる。
また、この量は、鋸刃61の突出部分の全体が露出している状態ではなく、突出部分の一部が覆われている状態となっている量である。このため、上記したように、保護カバー支持部材31Cによりセイフティカバー65を支持する際に、突出部分全体を露出するようセイフティカバー65を回動させる場合と比較して、バネ66の付勢方向と反対の方向へばね66に対して作用する保護カバー支持部材31Cの支持による力を少なくすることができ、バネ66の寿命を縮めることを極力抑えることができる。
ハウジング62の内周面と図示せぬモータとの間にはソーカバー63方向に向かう図示せぬ風路が画成されている。そして図示せぬモータの回転軸と同軸にハウジング62内に図示せぬファンが取付けられ、回転駆動される。図示せぬファンはその回転により、ハウジング62に形成された図示せぬ吸入口から空気をハウジング62内に導入し、図示せぬ風路に空気を通過させてモータを冷却可能である。また、切断作業時に発生する切削屑はファンの回転によって集塵カバー63a内に導入されるため、切断位置(鋸刃61先端付近)に切削屑が堆積することなく鋸刃61先端付近の視認性を向上することができる。
固定定盤10に丸鋸装置50を装着していわゆる定置型として切断する切断時には、先ず図1に示されるように加工材Pをバイス装置20により固定定盤10に対して移動不能に固定すると共に、丸鋸装置50を固定定盤10の取付け部31Aに固定する。このとき、セイフティカバー65は保護カバー支持部材31Cに当接して第2所定量回動する。次に、作業者はハンドル64を把持しビン10Bを揺動軸として図3に示すように丸鋸装置50を固定定盤10に接近する方向へ揺動させる。セイフティカバー65は保護カバー支持部材31Cにより支持されていることにより加工材Pに対向する鋸刃61の部分はセイフティカバー65により覆われておらず露出しており、セイフティカバー65が加工材Pと鋸刃61との間に位置することによりセイフティカバー65が切断の妨げになることを防止した状態で加工材Pを鋸刃61で切断開始できる。そして、図4に示されるように、加工材Pを鋸刃61により切断する。ここで、丸鋸装置50の切断能力は、丸鋸本体60が揺動支持部34によって下限位置に揺動した際に、鋸刃61が溝10Dに入り込みベース上面10Aと鋸刃61の2つの交点間(ベース部10に交わる鋸刃61の前後2箇所)の幅を持つ加工材Pを切断可能である。
また、セイフティカバー65は、初期状態では上述したように、加工材Pと対向する鋸刃61の領域を露出するように構成されているが、丸鋸装置50をベース台10側に揺動すると、セイフティカバー65のベース台10側に位置する部分が加工材P或いはベース上面10Aに当接し、セイフティカバー65は、揺動に応じて鋸刃61を露出するように鋸刃軸61Aを中心に回動する。すなわち、定置型として使用する場合、丸鋸装置50をベース台10に固定した際にセイフティカバー65の一部(65A)は保護カバー支持部材31Cに当接して第2所定量だけ回動し、その後、鋸刃装置50を揺動させると、セイフティカバー65は加工材P或いはベース上面10Aに当接して第2所定量以上回動するようになる。従って、セイフティカバー65は加工材切断時に必要な最小量の回動角度だけ回動するようにバネ66によって鋸刃61を覆う方向に付勢されているため、バネ66の寿命が短くなることを抑制することができる。
また、丸鋸装置50をベース台10に取り付ける際、ネジ33でのみ固定するようにしたが、図14に示すように、取付け部31Aにベース51の端面及び側面の一部に当接するガイド31A1を設けてもよく、丸鋸装置50をベース台10に取り付ける際の位置決めを容易に行うことができる。なお、図13においては、説明の便宜上鋸刃61を省略して図示している。
次に第2の実施の形態による切断工具1について図15乃至図19に基づき説明する。第2の実施の形態よる切断工具1は、固定定盤100はいわゆる卓上切断機のベース部と同様の構成である点と、固定定盤100が丸鋸装置50を傾斜可能に支持している点と、丸鋸装置50には着脱可能な集塵カバー63aが設けられている点とにおいて第1の実施の形態とは異なる。これら以外の点については第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態と異なる点についてのみ説明する。
固定定盤100は、加工部材である加工材Pを載置するための上面100Aと、支持部130との連結箇所となる傾動軸131(図18)とを備えて構成されている。この傾動軸131は、その軸方向が上面100Aと平行になるように構成されており、傾動軸131の軸方向において傾動軸131に対して加工部材たる加工材Pが載置される場所側を前側とし、前側の反対側を後側と定義する。また上面100Aの上方を上側、上側の反対側を下側と定義する。また、前後方向に垂直且つ上下方向に垂直の方向を左右方向と定義し、図1の紙面の裏側から表側へ向かう方向を左方向と定義し、図1の紙面の表側から裏側へ向かう方向を右方向と定義する。
図15に示すように、固定定盤100を構成するベース部110はベース110Aとターンテーブル110Bとを有している。ターンテーブル110Bは平面視でベース110Aの中央に埋設されており、ターンテーブル110Bはベース110Aにより水平方向へ回転自在、即ち、略鉛直方向へ指向する回転軸を中心に回転自在に支持されている。ターンテーブル110Bの上面110bは、ベース110Aの上面110aと同一面となっており、ターンテーブル110Bの上面110b及びベース110Aの上面110aはベース部110の上面100Aを構成する。
ターンテーブル110Bの一端側(後側)に支持部130が設けられており、他方側(前側)にターンテーブル110Bをベース110Aに対して不図示の回転軸を中心に回転させるための操作部となるハンドル111が設けられている。ターンテーブル110Bの一端側には、支持部130のベース部110に対する傾動を固定するための傾動支持部112がターンテーブル上面110bから上方に突設されている。尚、傾動支持部112には、ベース部110に対する支持部130の傾斜角度を把握できるように、長穴112bに沿って目盛りが設けられている。
ベース上面100Aには、図15に示されるように、加工材Pの側面を支持する一対のフェンス113が、所定の距離で離間して図15の左右方向に一直線上に延出して立設されている。ターンテーブル110Bの上面中央であって一対のフェンス113の間の位置には、後述のように切断刃たる鋸刃61が下方に揺動したときに、ターンテーブル上面110bよりも下方へ侵入可能な溝114が形成されている。尚、フェンス113の溝114側の上面は、溝114に近づくに従ってベース上面110aからの距離が短くなって傾斜しており、後述するように丸鋸装置50を傾斜させた際に丸鋸装置50等がフェンス113に当たらないようになっている。また、丸鋸装置50を傾斜させた状態で後述のガイドバー132によって前後方向にスライドさせた際にも丸鋸装置50や揺動部135等がフェンス113に当たって、フェンス113がスライド動作の妨げにならないように、フェンス113の溝部114側は傾斜している。
支持部130は、ベース部110に対して傾動軸131(図18)を中心に傾動可能に構成されており、支持部130をベース部110に対して傾斜させ、ノブ112aを傾動支持部112の長穴112bに挿入して支持部130と傾動支持部112とを締め付けることにより所望の傾動角度に支持部130を固定することができるため傾斜切断が可能になっている。支持部130はその一端がベース部110のターンテーブル110Bに傾動軸131で支持されて、ベース部上面100Aの上方に延出して設けられている。支持部130の他端にはベース部上面100Aと平行に配置された一対のガイドバー132を挿入するためのガイド支持部133が設けられており、ガイド支持部133の一対の孔にガイドバー132がスライド可能に支持されている。ガイドバー132の一端にはガイドバー132がスライド支持部133から抜けないようにストッパ134が取り付けられており、他端には揺動部135の一端側がピン136によって支持されている。揺動部133の他端側はピン137によって第1の実施の形態と同様の取付け部138が揺動可能に取り付けられている。よって支持部130は、傾動軸131によってベース部110の上面100Aに対して垂直の状態を基準として傾動可能となっている。このため、ベース上面100Aに対して鋸刃61を傾斜させた状態で切断を行う傾斜切断をすることができる。また、揺動部135及び取付け部138はピン136、137によってそれぞれガイドバー132及び揺動部135に対して上下方向に揺動可能に支持されているため、図16に示すように定置式として使用する際に丸鋸装置50を取付け部138に取り付け、ピン136、137を揺動支点として上下動させることによって、図17に示すように丸鋸装置50をベース台100に近接させて加工材Pを鋸刃61で切断することができる。
また、取付け部138は揺動部135を介してスライドバー132に取り付けられているため、丸鋸装置50を取付け部138に取り付けた状態で丸鋸装置50をスライドバー132によって前後方向にスライドすることによって、加工材Pの幅寸法が大きい場合でも丸鋸装置50をスライドさせることで切断することができる。尚、スライドバー132を所望のスライド位置で固定或いは固定解除するための固定ネジ139がスライド支持部133に設けられている。
また、本発明の切断工具は、初期状態すなわち切断作業前の状態で、図15に示すように、取付け部138がベース台100から離間した位置になるように構成されている。ピン136、137の周囲に図12のスプリング30Aと同様の不図示のスプリングが設けられており、取付け部138及び揺動部135を常時上方に付勢するようになっている。この様に構成することで、取付け部138が斜め上方を向いているため、作業者が丸鋸装置50を取り付け易くすると共に、ベース台100上に加工材Pを置き易くしている。
本実施の形態による取付台138は、丸鋸装置50を容易に装着できるようにするために、後述のベース151(メインベース152)の反鋸刃側端部を受けるためのスライドレール138Aが設けられている。図15の状態から、スライドレール138Aに沿ってベース151をスライドさせることで、図16に示すように丸鋸装置50を取付台138に容易に取り付けられると共に、スライド動作に連動してセイフティカバー65が保護カバー支持部材31Cに自動的に当接して回動することができるため、セイフティカバー65を手動で回動させる手間を省くことができ操作性を向上することができる。尚、ベース151の取付け部138への固定は第一の実施形態と同様である。
以上の構成により、図18に示すように、支持部130はベース上面100Aに対して垂直の状態を基準としてサブベース部153へ向かう方向(図18の左側)へ傾斜可能であるため、当該傾斜に伴い丸鋸装置50のベース151がベース上面100A(加工材P)に接近するが、ベース上面100Aに接近する後述のベース151の部分を後述のようにサブベース部153とし、予めサブベース部153をメインベース部152から取り外しておくことで、鋸刃61の視認性を良くしながら、当該傾斜時にベース151、特にサブベース部153がベース上面100Aや加工材Pに当接することを防止することができ、丸鋸装置50をより大きく傾斜させることができる。
ここで本実施の形態におけるベース151の構造について図8に基づき説明する。ベース151は平面視で外形輪郭が略長方形状をなしており、その短辺の略中央位置において長辺に平行な仮想分割線でメインベース部152とサブベース部153とに分割可能な形状をなしている。開口部151aは、第1の実施の形態と同様に、メインベース部152にサブベース部153が装着された状態のときにこれらの協働により画成される。即ち、メインベース部152は鋸刃61の側面を延長した仮想延長面よりも一方の側のベース151の部分を構成し、サブベース部153は開口部151aの周囲の一部のみならず鋸刃61の側面を延長した仮想延長面よりも他方の側のベース151の部分を構成する。
このような構成のため、丸鋸装置50の傾斜に伴い丸鋸装置50のベース151がベース台たる固定定盤100に接近するが、メインベース部152から取り外し可能なサブベース部153の部分が大きく確保され、このサブベース部153を予めメインベース部152から取り外しておくことで、当該傾斜時にベース151がベース台に当接することを防止することができ、丸鋸装置50がより大きく傾斜することができる。
また、メインベース部152には、一対のネジ穴151Aが開口部151aの延出方向に対して右側(図8の上側)に配置され形成されており、ネジ33(図5)をネジ穴151Aに係合させ、取付け部31A(138)の上面31Bのネジ穴に螺合させることによりメインベース部152を取付け部31A(138)に固定可能である。
本実施の形態によるベース151によれば、メインベース部152とサブベース部153が開口部151aの延出方向に対して二分割されているため、メインベース部152のサブベース部153側に位置する部分(開口部151aの延出方向に位置するメインベース部の部分)がないため、丸鋸装置50をベース台に取り付けて定置式として使用し傾斜切断を行う際に、サブベース部153を取り外しておくことで、傾斜角度を大きくすることができると共に、鋸刃61の視認性を更に向上することができる。尚、図8で省略しているが、第1の実施の形態と同様に、ベース151に丸鋸本体60を取り付けるための揺動支持部34がメインベース部152に設けられている。
ここで、本実施の形態における丸鋸装置50について説明する。図19に示すように、ソーカバー63には、当該ソーカバー63に対して切削屑を収集するための集塵カバ63Aーがノブ63Bによって着脱可能に構成されている。集塵カバー63Aは、図20に示すようにソーカバー63に装着されているときにベース151よりも上側の鋸刃61のベース151よりも上部であって鋸刃61の側面の他方の側において鋸刃61を覆うように構成されている。このような集塵カバー63Aを有するため、加工材Pの切断時に切断屑の飛散を抑制することができ、ハンディ式として用いる際には切削屑が鋸刃61近傍に堆積することを抑制することができるため鋸刃61の視認性を更に向上させることができる。
また、集塵カバー63Aは丸鋸装置50のハウジング62(ソーカバー63)に対して着脱可能であるため、固定定盤100に丸鋸装置50を固定して使用するいわゆる定置式として用いる場合には、集塵カバー63Aを取り付けたままの状態では切削屑を集塵することができる一方で、集塵カバー63Aを取り外すことにより集塵カバー63Aがベース台100に当接することを防止することができ、丸鋸装置50をより大きく傾斜することができる。また、集塵カバー63Aを透明な材料により形成することにより、切削屑の堆積状況を把握し易くなると共に、切断位置の視認性を妨げることを抑制することができる。尚、集塵カバー63Aはノブ63Bによってソーカバー63に取り付けられているため、ノブ63Bを緩めれば簡単に取り外すことができる。
また、図21及び図22に示されるように、固定定盤100に対向する集塵カバー63Aの底面63aは、丸鋸装置50を固定定盤100に装着した状態で、鋸刃61の他方の側面から離間するに従って固定定盤100から離間するように上方へ傾斜するように構成しても良い。このような構成とすれば、底面63aが傾斜面となっている分、固定定盤100から離間しているため、図22に示すように、集塵カバー63Aを装着した状態で丸鋸装置50を傾斜させたときに、集塵カバー63Aが固定定盤100に当接するまでの距離をより長くすることができ、丸鋸装置50をより大きく傾斜することができると共に切削屑の集塵も行うことができ、鋸刃61近傍の視認性を向上することができる。
本発明の切断工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、取付け部138に設けたようなスライドレール138Aではなく、取付け部31A上に保護カバー支持部材31Cの延出方向に平行に延出するガイドを設け、ガイドに案内される案内部をベースの底面51Aに設けてもよい。そして保護カバー支持部材31Cの延出方向において保護カバー支持部材31Cの先端がセイフティカバー65の下端に対向するように配置される構成とする。このような構成とすることで、スライドレールを設けた場合と同様に、取付け部31Aにベース51を固定する際に、ガイドに案内部が案内されるように丸鋸装置50を取付け部31Aに対してスライドさせることにより、保護カバー支持部材31Cの先端がセイフティカバー65の下端に当接し、セイフティカバー65を回動させることができ、作業者がセイフティカバー65を回動させる手間を省くことができ、操作性を向上させることができる。尚、ベースに案内部を設けなくてもベース自体(ベースの長手方向の部分)がガイドにスライドするようにしても良い。更に、取付け部31A上に保護カバー支持部材31Cの延出方向に平行に延出するガイドだけではなく、図14に示すように延出方向と直交する方向にガイドを設けてもよく、丸鋸装置の取付位置の位置決めが容易になる。
また、図9に示されるように、取付け部31A後部に設けられた伸延部132の先端部には、伸延部132の延出長さを微調整可能な微調整手段たる調整ネジ132Aを設けてもよい。調整ネジ132Aは、伸延部132の先端部に形成されたネジ穴に螺合し、ネジの先端がソーカバー63の後部に当接するようにする。調整ネジ132Aを螺進退させることにより調整ネジ132Aの突出量を調整して調整ネジ132Aをソーカバー63の後部に当接させることで、伸延部32に寸法上の誤差が生じていた場合や切断工具1の組立て精度のばらつきが生じていた場合であっても、確実にベース51に対して鋸刃61が最も下方へ揺動した状態となるようにして、鋸刃61がベース51に対して揺動しない状態とすることができる。また、ベース51からの鋸刃61の突出量を予め設定しておき、鋸刃61の突出量を設定量以下にならないようにしておくこともできる。
また、集塵カバーは、集塵機を接続可能であってもよい。図15等に示すように、集塵カバー63Aの反揺動支持部側(電池パック側)に集塵機接続口64Cが設けられている。集塵機接続口64Cにはキャップ64Eが着脱可能に取り付けられ、キャップ64Eを外すことで集塵機を装着できるようにしても良い。このような構成とすることで、切削屑が集塵カバー内にたまることを抑制することができ、集塵カバーを付けた状態での鋸刃61や切断箇所等の視認性をより高めることができる。
また、第2の実施形態では、丸鋸装置をスライド可能にベース台に取り付けた構成を説明したが、図23に示すように、スライドバーを省略し、揺動部135を直接、支持部130にピン136で揺動可能に支持される構成であっても良い。また、スライド式であってもスライドバーを設けず、揺動部135の長手方向に沿ってピン136に対して揺動部135をスライド可能、或いはピン137に対して取付け部138をスライド可能にしても良い。更に、揺動部135(取付け部138)をスライドバー132と一体的にスライド支持部133に対してスライドする構成ではなく、ガイド支持部133にスライドバー132を固定し、スライドバー132上を揺動部135がスライドするように構成しても良く、揺動部135の固定は固定ボルト139と同様に行うようにすることもできる。すなわち、スライド機能の有無にかかわらず、取付け部に取り付けられた丸鋸装置50がベース上面100Aに対して近接及び離間可能に揺動すると共に傾斜可能であれば、いかなる構成であっても良い。
さらに、上記した丸鋸装置50はモータ等の電源として電池パック67を使用したが、電池パックではなくAC電源を用いるようにしても良い。図24に示すように、丸鋸装置50は、ハンドル64の端部の反揺動支持部側に電源コード160が接続されている。電源コード160の取付け部161は回動部161Aによって図中矢印の方向(点線)に回動可能に取り付けられている。丸鋸本体60例えばハウジング62には電源コード151を引っ掛けるための引っ掛け部162がネジ止め又はハウジングと一体的に設けられている。引っ掛け部162には、電源コード160を引っ掛け易いように開口部162Aが設けられている。引っ掛け部162に電源コード160を引っ掛けることにより、丸鋸装置50をベース台100に固定し定置式として使用する場合に、電源コード160が作業の邪魔になったり、誤って鋸刃61で切断されることを防止することができる。また、丸鋸装置50をハンディ式として使用する場合には、電源コード160を引っ掛け部162(開口部162A)から取り外すことで、電源コード160の長さを有効に利用することができ、コンセントから離れた場所での作業が可能となる。AC電源を利用することにより切断作業時間を大幅に長くすることができると共に、電池パックを使用しない分、丸鋸装置50の重量が軽くなるためピン136、137周りに設けられたスプリングへの負荷を低減することができ、スプリングの寿命低下を抑制することができる。尚、引っ掛け部162は、切断作業中に電源コード160が作業者の邪魔にならなければハウジング62にも受ける必要はなくベース151等であっても良い。また、丸鋸装置50ベース台100に電源コードとコンセントを設け、該コンセントに丸鋸装置50の電源コード160を接続するようにしてもよく、更に、ベース台100例えば揺動部135に電源コード160の引っ掛け部を設けても良い。