「病んだ橋」の崩壊 この事故はイタリア人だけでなく多くのヨーロッパ人に深い衝撃を与えた。ポルチェヴェーラ高架橋、もしくは建築家の名前を取ってモランディ橋と呼ばれる陸橋の一部が250メートルにわたって突然崩壊し、橋を通っていたドライバーら43⼈が死亡した。橋の近くに住んでいた住民約600人も退去を命じられた。 イタリア政府はジェノバ市に「非常事態」を発令し、犠牲者の捜索と瓦礫の除去、橋の再建に全力を注ぐ方針を明らかにした。一部の死者の葬儀が行われた8月18日に、全ての国民が政府の呼びかけに応じて喪に服した。イタリアの夏を暗転させた、国民的惨事である。 事故の原因はまだ特定されていない。だがこの橋は建設されてから51年経っているほか、多くのイタリア人が「モランディ橋を通過する時には、振動が激しかった」と語っていることから老朽化が一因である可能性が強い。ジェノバ大学で建築学を教えているアントニオ