2022年に歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)を発売した歌人の上坂あゆ美さん。家族や学校生活のなかで「自分は異物だ」と感じる日常を、ときには淡々と、ときにはどきりとするような鋭い言葉で切り取り、大きな反響を集めた。 人気Podcast番組『私より先に丁寧に暮らすな』での軽妙なトークや、劇作家・三浦直之が主宰する劇団ロロとのコラボレーションなど、多岐にわたって活動を続けるが、11月26日には初のエッセイ集となる『地球と書いて〈ほし〉って読むな』を刊行する。 「家族についての恨みとかを短歌にしていくうちに、だんだんどうでも良くなってきた自分がいた」とも話す上坂さんに、歌人としての歩みや、表現活動を通して変化したことなど、たっぷり話をうかがった。 ―上坂さんは、エッセイの執筆、Podcast、舞台でのお芝居など幅広く活動されていますが、表現活動の出発点は短歌です。短歌に出会ったき